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平成16年10月15日策定 
●「秋田県食品の安全・安心に関する基本計画」
 


秋田県食品の安全・安心に関する基本計画


平成16年10月



秋田県



目  次
 
I 計画の基本的事項
1 計画策定の背景
2 計画の性格と役割

II 計画の目標 〜基本的な考え方〜

III 施策の方向
第1 生産から消費に至る食品の安全性の確保
1 生産段階における安全性の確保
2 製造・加工段階における安全性の確保
3 流通・販売段階における安全性の確保
4 消費段階における安全性の確保
第2 食品に関する正確な情報の提供
1 適正な食品表示の徹底
2 トレーサビリティシステムの構築
3 食品の安全性に関する情報の収集と提供
第3 生産者、食品関係事業者、消費者の相互理解・信頼関係の確立
1 相互理解の推進
2 食育の推進
3 地産地消の推進
4 認証制度の普及

IV 総合的な食品の安全・安心対策を推進するための体制整備
1 秋田県食品安全推進会議による関係部局の情報共有と連携
2 秋田県食品安全推進委員会等の開催による県民意見の反映
3 食品安全に関わる危機管理体制の充実
4 関係自治体及び国との連携
5 食品の安全・安心確保のための調査研究

《 施策体系 》(pdf)


I 計画の基本的事項
1 計画策定の背景
 近年において、国際化の進展、科学技術の発展等により、輸入食品、加工食品等の様々な食品が販売されるなど、食品を取り巻く環境も大きく変わってきています。
 また、牛海綿状脳症(BSE)高病原性鳥インフルエンザの発生、産地偽装表示や農産物への農薬の不適正使用問題などに伴い、食品に対する信頼が大きく揺らいでおり、食品の安全性を確保するための対策が今まで以上に必要とされています。
 このため、県では生産から流通、消費に至るまで、総合的な食品の安全性及び消費者の信頼性を確保するとともに、本県の農林水産業及び食品産業の振興にも寄与することを目的に、平成16年4月、「秋田県食品の安全・安心に関する条例」を施行しました。
 本計画は、「秋田県食品の安全・安心に関する条例」に定められた「基本計画」として、施策の総合的かつ計画的な推進を図るために策定するものです。

2 計画の性格と役割
 この計画は、県政全般にわたる「あきた21総合計画」との整合性を踏まえ、「秋田県食品の安全・安心に関する条例」の趣旨の実現を図るため、県が行う様々な施策について、施策の目標や方向性を体系的に定めたものです。
 この計画の実施期間は、平成16年度から平成22年度までの7年間とします。
なお、社会情勢の変化等を勘案し、3年を目途に見直していきます。


II 計画の目標 〜基本的な考え方〜
 食品の安全確保は、県民が健康で安全・安心な食生活を営むうえで、欠くことのできない重要な施策であり、生産から流通、消費に至るすべての段階で総合的な対策を進める必要があります。
 このため県は、県民の健康保護が最も重要であるという認識のもとに、次の3つの基本的な目標を定め、食品の安全・安心のための取組を進めていくこととします。

第1 生産から消費に至る食品の安全性の確保
 県民が安心できる食生活を送れるように、生産から製造・加工、流通・販売、消費に至る各段階において、安全性確保のための取組を進めます。

第2 食品に関する正確な情報の提供
 県民が自ら食品の安全性を見極め、安心できる食生活を送れるように、県民が求める情報を幅広く収集し提供します。

第3 生産者、食品関係事業者、消費者の相互理解・信頼関係の確立
 消費者と生産者や食品関係事業者がお互いの考え方や役割について相互理解を深めることにより、消費者の食品に対する信頼性を確保するための取組を進めます。


III 施策の方向
 県は、食品の安全確保と県民が安心できる食生活を確保するため、次のような施策の方向を定め、生産者、食品関係事業者、消費者及び行政が一体となって進めていくこととします。

第1 生産から消費に至る食品の安全性の確保

1 生産段階における安全性の確保
 登録農薬の適正流通の監視と、作物ごとに定められている農薬使用基準の遵守の徹底に加えて、カドミウム含有米の生産・流通防止対策、飼料添加物動物用医薬品等の適正使用の推進、牛の生産履歴記帳の徹底など、生産者、生産者団体、分析機関、試験研究機関、行政の連携を図ることにより、高品質で安全な農畜産物の生産を進めます。
 また、HACCP対応型市場の整備や検査の徹底等により、新鮮で安心な魚貝類の出荷に努めます。

(1)安全な農産物の生産
農薬販売業者への立入検査や、管理の適正化を図るための研修会等を開催し、登録農薬の適正な流通販売を推進します。また、農作物病害虫・雑草防除基準に基づく指導者、生産者等への講習会を開催し、登録農薬の適正な使用を推進するとともに、農業団体が自ら行う残留農薬検査により、安全な農産物の生産を図ります。
病害虫の発生様相の多様化に対応した新防除技術体系の確立を図るとともに、病害虫に応じた発生予察により効率的な防除を推進します。
カドミウム含有米の生産・流通防止対策を徹底し、安全・安心な米の流通を図ります。

(2)安全な畜産物の生産
国と連携しながら給与飼料の安全性の確認を行うとともに、飼料の給与状況を記録するよう指導し、畜産物の安全性の確保を図ります。
動物用医薬品の畜産物への残留防止を図るため、生産者及び獣医師に対し動物用医薬品の適正使用の指導を行い、安全な畜産物の生産を図ります。
牛海綿状脳症(BSE)については、と畜牛のBSEスクリーニング検査を実施し、安全な牛肉のみを流通させます。
正確な牛の生産履歴情報を提供するため、生産者等に対し個体識別耳標の装着と、出生、異動などの報告を徹底させます。
高病原性鳥インフルエンザについては、養鶏場の立ち入り検査や死亡状況の報告を徹底させるなど防疫対策を一層強化し、早期発見や拡大防止に努めます。

(3)安全な魚貝類の出荷
衛生管理に配慮した鮮度保持施設の整備等に対する支援を行います。
漁業者、漁協、分析機関、行政の連携を密にして、貝毒原因プランクトンの発生調査や漁協の自主的な管理への指導に努めます。


2 製造・加工段階における安全性の確保
 食品営業施設や給食施設等に対する監視指導の充実と、食品衛生に関する知識の普及啓発に努めます。
また、高度な衛生管理手法の導入支援を行うなど、食品関係事業者が行う自主的な衛生管理の推進を図り、安全な食品供給に向けた取組を充実強化します。

(1)食品営業施設等に対する監視指導
各業種毎に過去の食中毒や違反食品の発生頻度や製造技術の特殊性などを考慮し、適正な監視指導計画を定め、重点監視対象施設を中心とした効率的な監視指導を実施します。
食品衛生監視員を研修会等に派遣し、監視技術の向上を図ります。
食品衛生監視員の知識及び情報の共有化を図ることにより、効率的な監視指導を実施します。

(2)高度な衛生管理手法の普及啓発
県内における主要な食品関係施設(大量調理を行う施設や広域的に流通する食品を製造する施設等)を中心に、HACCPの考え方を取り入れた衛生管理手法を普及するため、食品取扱営業者の取組意識を高めるとともに技術的な支援を行います。

(3)食品営業者による自主管理の推進
食品衛生推進員による巡回活動を推進し、食品営業者の自主的衛生管理の向上を図ります。
社団法人 秋田県食品衛生協会と連携し、食品衛生責任者養成講習会や研修会等を開催し、食品営業者の衛生管理意識の高揚を図ります。
食中毒など食品による事故の未然防止や、発生時の迅速かつ効率的な対応を図るため、国や関係機関等からの情報を積極的に提供します。

(4)学校給食施設における衛生管理の推進
衛生管理体制の整備について、各職種ごとの研修会で啓発・推進します。
主任学校栄養士で構成される給食施設巡回指導員による調理場訪問を行い、実践的な衛生管理を指導します。

(5)飲用水の安全性の確保
水道水など飲用に供する水の安全性を確保するため、水道事業者などに対し水質基準などの遵守を徹底します。


3 流通・販売段階における安全性の確保
 県内に流通する食品の規格基準等の検査を行うとともに、健康食品と称した無承認無許可の医薬品成分を含む食品の流通防止を図るための監視指導を行います。
 また、安全な食肉を流通するため、牛のBSEスクリーニング検査腸管出血性大腸菌検査、残留動物用医薬品検査など食肉衛生検査の充実を図ります。

(1)県内流通食品等の安全検査
過去に違反事例の多い食品を中心に、食中毒菌、食品添加物、成分規格基準、残留農薬等の検査を実施します。
輸入食品の検疫を所管する国や他の都道府県との情報交換などにより、違反の可能性があると考えられる食品と検査項目に重点を置き、営業施設の監視・指導と併せて効率的な検査を実施します。
食品流通の広域化に対応するため、関係都道府県等との連携を強化し、不良食品等の情報提供に努めます。
食品検査の信頼性を維持するため、継続的な精度管理を行います。

(2)無承認無許可の医薬品成分を含む食品の流通防止
健康被害が疑われる健康食品や効能効果を標榜するなどの無承認無許可の医薬品成分を含む食品について情報収集し、必要に応じて衛生科学研究所等で検査を実施するほか、輸入や販売されることがないよう業者や広告等を監視指導します。
無承認無許可の医薬品成分を含む食品の情報を、医師会・薬剤師会等の関係機関に提供するとともに、報道及びホームページ等により県民の注意を喚起します。

(3)安全な食肉の流通確保
牛海綿状脳症(BSE)については、と畜牛のBSEスクリーニング検査を実施し、特定危険部位の除去排除の確認など、検査、監視体制の充実強化を図ります。
O157をはじめとする腸管出血性大腸菌など、食肉の微生物制御対策として、と畜場や食肉処理場に対し、HACCPの考え方を取り入れた衛生管理手法の導入をすすめ、衛生水準の維持向上のため継続的な監視指導を行います。
残留動物用医薬品対策やと畜疾病の排除等の措置を確実に実施するため、検査体制の充実や生産者への迅速な情報提供を行います。
と畜検査員食鳥検査員の技術と資質の向上を図ります。
牛肉トレーサビリティシステムを円滑に推進します。


4 消費段階における安全性の確保
 食品衛生に関する正しい知識の普及啓発を図り、食品による健康被害を防止し、食品安全確保に関する意識の向上に努めます。

(1)食中毒予防の普及啓発
消費者に対して出前講座、食品安全教室、講習会等の開催により、食品衛生知識の普及啓発に努めます。
食中毒が多発する期間において食中毒警報を発令するなど、県民の注意を喚起し、食中毒予防のポイントを積極的に呼びかけます。

(2)食品表示への理解の推進
関係機関等が連携協力し、消費者向けに食品表示に関する情報提供を積極的に行うほか、各種研修会の実施や出前講座や語り部訪問などにより、食品表示に対する消費者の関心を高め理解を深めます。


第2 食品に関する正確な情報の提供

1 適正な食品表示の徹底
 食品衛生法JAS法景品表示法等の関係法令に基づき、正しくわかりやすい表示を徹底するよう、生産者及び食品関係事業者に対し指導を行い、不正表示の防止等の強化を図ります。

(1)適正な食品表示の徹底
関係機関が連携・協力し、食品表示の適正化に努めるとともに、合同で調査・指導することにより、監視指導の効率化を図ります。
食品表示ウオッチャーの設置により販売店等における食品表示状況を調査するとともに、食品表示110番を開設し、消費者からの苦情・相談へ対応します。


トレーサビリティシステムの構築
 主要な農畜産物の安全性や信頼性の向上を図るため、生産、流通、販売各段階における情報の追跡と提供ができるトレーサビリティシステムを構築します。

(1)主要農畜産物のトレーサビリティシステムの構築
生産から消費に至る段階までの情報を伝達し、消費者が安心できるトレーサビリティシステムの構築に向けた取組を推進します。
牛肉については、牛飼養農家や食肉流通事業者間の密接な連携を図るため、消費者を含めた関係者の検討会を開催し、「秋田県牛肉トレーサビリティシステム」の円滑な推進を図ります。また、牛以外についてもトレーサビリティシステムの構築に向けた取組を進めます。
米や青果物については、トレーサビリティシステムの円滑な運用を図るうえでの必須条件である生産履歴記帳の徹底を図るなど、栽培情報の整備・充実を図ります。
産地の取組についての積極的な情報発信を行うためのモデル事業を実施します。


3 食品の安全性に関する情報の収集と提供
  県民に対し食品の安全に関する情報の収集と提供を積極的に行うとともに、食品の安全に関する相談・苦情等の一元的な対応を図るため、食品安全に関する相談体制の充実に努めます。

(1)食品の安全性に関する情報の収集と提供
国や関係機関、他の都道府県等との連携により、食品の安全に関する情報を収集するとともに、ホームページや各種印刷物への掲載に加え、テレビ、ラジオ、新聞などのマスメディアを活用するほか、各種懇談会など県民と接する機会を捉え、積極的な情報の提供を行います。

(2)食品安全相談体制の充実
県生活衛生課及び各地域振興局などに食品安全に関する総合相談窓口を設置し、相談対応のワンストップ化に努めるほか、県民から寄せられた情報をもとに違反などが疑われる場合は調査・指導を行います。
食品安全Q&A小冊子等を作成し、標準化された情報を提供するとともに、担当職員への総合研修会等を行い、知識の共有化を図ります。


第3 生産者、食品関係事業者、消費者の相互理解・信頼関係の確立

1 相互理解の推進
  生産者、食品関係事業者、消費者がそれぞれの立場で主体的に食品の安全・安心に関する取組ができるよう相互理解を進め、信頼関係を築くことで、問題発生時の迅速な対応や被害拡大の防止など、問題の早期解決に寄与します。

(1)リスクコミュニケーションの推進
生産者、食品関係事業者、消費者、行政が、それぞれの食品の安全安心に関する取組などの情報を共有したり、意見交換するための懇談会や各種セミナーなど開催し、県民の意見を施策に反映させるとともに、食品安全安心月間などを通して、様々な取組を促進します。


食育の推進
 県民一人ひとりが、食品や食料生産・流通、食文化等についての情報をもとに、安全な食品の選び方や組合せ方等を主体的かつ適切に選択し、健全な食生活を実践するため、子供から大人に至るまで幅広く食育活動を推進します。

(1)栄養・食生活に関する施策の推進
健康づくり事業としての食教育を充実し、乳幼児期からの望ましい食習慣の形成支援を市町村、教育関係機関、食生活改善地区組織、栄養士会等専門職団体等との連携を図りながら積極的に推進します。
給食施設や飲食店に対する適正な栄養管理と健康情報の提供など、健康増進法に基づく指導等を推進し、食の環境づくりを進めます。
家庭での食に対する関心・知識を深めるため、育児等で忙しい親も参加しやすい研修会の開催等に努めます。

(2)食と農への理解の推進
子供の頃から食べ物の大切さや地域の農業を正しく理解させるため、地域における農業体験学習などを促進します。


地産地消の推進
 地元の農業者が生産した、安全・安心・新鮮な農産物を地元消費者に提供する地産地消を推進することにより、生産者、流通、販売者、消費者等が顔の見える関係を構築し、県民の豊かな食生活の享受と食に関する理解を促進します。

(1)地産地消の推進
地産地消を円滑に進め、望ましい生産供給・販売体制・食料消費等の体制整備を図るため、生産者、一般消費者、食品産業及び学校など関係者からなるネットワークの構築を推進します。
生産者団体が行う地場産物のPR活動や、卸売市場、生産者団体、量販店等が連携して行う地場流通の合理化・拡大を支援します。
スローフード運動を通じた郷土の食文化の継承や健全な食生活の普及など、地域に根ざした食育活動が幅広く推進できるよう支援するほか、学校給食などでの県産農産物の利用促進を図ります。


4 認証制度の普及
 加工食品を対象とした優良県産品の推奨認定、減農薬・減化学肥料栽培農作物を対象とした特別栽培農作物の認証等により、安全と安心、高品質を基軸とした「あきたブランド」の構築に努めます。

(1)優良県産品の推奨認定
食品衛生法JAS法による表示基準への適合状況等の審査を通じて、食品の安全・安心に配慮するとともに、当該認定制度の普及啓発に努めます。

(2)有機特別栽培農産物の認証
有機栽培及び特別栽培農産物など認証作物の生産拡大を図るとともに、認証制度の一層の普及に努めます。


IV 総合的な食品の安全・安心対策を推進するための体制整備
  生産者、食品関係事業者、消費者、行政が協力し、消費者の視点に立った食品の安全・安心に関する施策を総合的に推進するため、相互の取組について理解を深めるとともに、緊急的な事態への対応や、情報提供・意見交換の充実に努めるよう体制の整備を図ります。

1 秋田県食品安全推進会議による関係部局の情報共有と連携
 平成15年7月に設置した秋田県食品安全推進会議を中心に、庁内関係部局相互の連携の強化と情報の共有化を図り、食品の安全・安心確保に向けた事業の推進に一体となって取り組みます。

2 秋田県食品安全推進委員会や地域懇談会の開催等による県民意見の反映
 県民参加による食品の安全・安心に関わる総合的な施策の円滑な推進を図るため、平成15年10月に設置した秋田県食品安全推進委員会や、地域懇談会の開催に加え、県の相談窓口やインターネットで意見を常時受け付けるなど、県の施策に対し県民意見を反映する機会を確保します。

3 食品安全に関わる危機管理体制の充実
 食品事故など県民の健康が脅かされる事態や、広域的に健康被害が発生する場合を想定し、迅速かつ適正な対応が図られるよう、秋田県食品安全推進会議を中心に関係機関との連絡体制を整備し、危機管理体制の充実を図ります。

4 国及び関係自治体との連携
 食品安全委員会をはじめとする国の機関や隣接自治体等との連携を図り、情報の収集と提供に努めます。県内においても秋田市をはじめ各市町村との連携強化に努め、情報の交換や協力体制の充実を図ります。

5 食品の安全・安心確保のための調査研究
 試験検査の迅速化・精度向上に関することや、信頼性のある情報の収集・分析に関することなど、食品の安全・安心確保に必要な調査研究に取り組みます。


《 施策体系 》(pdf)

「秋田県食品の安全・安心に関する基本計画」(pdf形式、209KB)
 
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