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鷹巣 寒波の中、50人が豊作祈願
毎日新聞 2001年1月16日

左が毎日新聞に掲載された写真。右は河北新報・・・雪の田んぼに稲わらを植える久島敏昭さん。=15日午前11時ごろ、鷹巣町綴子の大太鼓の館前

 稲わらと豆からを苗に見立て、豊凶を占う民俗行事「雪中田種え」が小正月の15日、鷹巣町綴子であった。

 出席者約50人は田の神にお神酒を供え、今年が大豊作となるよう祈願した。
 雪中田植えは、「庭田植え」とも呼ばれ、農家が戦前から仕事始めの儀式として庭先に稲わらを植え、五穀豊穣を祈願したのが原形。戦後一時途絶えたが、1983年に篤農家の故高橋佐一郎さんが復活させ、その後はJA鷹巣町青年部(長岐正部長)が継承した。

 あいにく吹雪に見舞われ、ブルブル震えながらの田植えとなった。特設の雪田に青年部員の九島敏昭さん(39)が、けら、菅笠姿の昔ながらの装いで30センチ間隔で4株ずつ計16束の苗を植え付け、豊作を祈願した。

 刈り取りは2月1日に行われる。稲が直立していれば実の入らない状態、倒れていれば風水害、たわわに実った稲穂のように適度に傾いていれは豊作という今年一年のお告げが出される。
 (出村 彦志)

作柄占い、豊作祈る 雪中稲刈り

朝日新聞 2001.2.2 「雪のある風景」Bより
心を込めて稲を刈る九島敏昭さん。平年作の見立てだった=鷹巣町で

 「平年作だな。茎が伸びて倒伏の可能性もあるが」
 雪の田に植えた稲の作占いが一日、鷹巣町綴子であり、元綴子農協稲作研究会長の畠山喜久雄さん(48)が、今年の作況を見立てた。

 稲わらと豆殻を束ねて「田植え」をしたのは一月十五日。見立てのポイントは、苗が立っているか曲がっているか。立っているのは、実りが悪い象徴。たわわの稲穂を連想させるように弓状に曲がっているのがいい。

 雪、風、日照。気象のすべてが重なってでた結果を占うが、雪が少なく苗が立ったままなら、春夏の水の乏しさにつながり、不作を予想させる。ある程度の量の雪が弓状の稲をうむ。

 体験に裏打ちされた「占い」は、気象予測にも似て、説明は説得力がある。畠山さんは「八年前の冷害も、一昨年の虫害も当てた」と自信を示す。

 すげがさにみの姿で六尺四方の雪の田んぼに入り、「苗」を植え、刈ったのはJA鷹巣青年部の九島敏昭さん(39)。

 「丈夫に育つように、豊作になりますようにと祈りながらやりました」
 四・七ヘクタールの田で米をつくる専業農家。雪が気になる。今年は十分降ったと思っているが、降るときにきちんと降らないと、夏になって異変が起きるのではないか、と不安になる。

 「夏場の低温はおっかない。寒いときは寒く、暑いときは暑くと、めりはりがないとね」
 奥羽山脈を越えて吹き込む冷たいヤマセに苦しみ続けた県北の稲作。夏の低温は文字通り「命取り」になった。めりはりの利いた天気がいい、というのは祈りにも似た思いなのだ。

 「天候だけはどうにもならない。だから神様に祈る心がでてくるんです」
 畠山さんはそう話した。

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