地方委員会 整備イメージ図





 平成14年2月6日、鳥海山麓地区田園空間博物館整備基本計画について、学識経験者や地域の代表者等で構成する「第4回あきた田園空間博物館整備地方委員会」(委員長は真勢徹秋田県立大学短期大学部教授)が開催された。委員から多くの意見や提言を受け、6町の広域連携と地域住民を主役に事業を進めることで了承された。午後からは、先行する白神郷地区亀田藩地区について、これまでの取り組みや進捗状況について報告、意見交換を行った。
 真勢徹委員長は、「親水」ではなく、水を敬う「敬水」と呼ぶべきだと訴えた。
 「親水という言葉は、ちょっと人間の身勝手な言葉で好きになれない。治水、利水、親水と変遷してきたが、これからは゛敬水゛と呼ぶべきではないか。もともと水を敬いながら日本の農耕文化が形成されてきた。親水という言葉は、世界的な水危機が叫ばれている時に、ちょっと油断しているような気がする。」
 鳥海山麓地区の温水路・・・誰もがこの温水路を見れば、「豊かな水」と表現したくなる。しかし、日本で初めて考案された温水路は、古来より悩まされ続けてきた冷水害の長い歴史があった。この温水路には、水を敬い、水に感謝する農民の心が刻まれている。

 秋田さきがけ2002年2月8日付け「北斗星」に「敬水」の記事が掲載された。

 ・・・最近は水に親しむ「親水」という言葉が使われる。これについて県立大短期大学部の真勢徹教授は「中身が薄い『親水』ではなく水を敬う『敬水』の感覚が大切」と話す。水がなければ農業が成り立たないどころか、人間は生きられない。

 真勢さんは、アジアの農業事情に詳しい水利の研究者。あきた田園空間博物館整備地方委員会の委員長でもあり、先ごろ開かれた委員会で鳥海山麓での基本計画を検討する中で「敬水」の大切さを訴えた。

 鳥海山麓を対象とした整備構想テーマは「豊かな水にはぐくまれた農耕文化・伝統文化の保存と継承」。この地域に限らず、山から流れ出す水に畏敬(いけい)の念を抱いて接することは過去も現在も大きなテーマだ。
主な意見、提言

6町が住民レベルのワークショップを実施したり、田園空間博物館の講座を開くなど、お互いに住民自治を高めることが大切。

田園空間博物館の考え方を理解した上で、総合学習に活かしていくべき。町のレベルから広域的な取り組みへ発展することを期待。

学校の先生よりは、地元で熱烈に語るお年寄りを先生にした方が遥かに効果が大きい。子供たちは、お年寄りの言うことは真剣に聞く。おじいちゃん、おばあちゃんがとにかく元気になる。子供たちが「かわいいおじいちゃんへ」といった手紙もたくさんもらったりしている。学校の先生は、子供たちと同じ目線で体験に参加した方がよい。

「子供たちに未来を託す」お年寄りの情熱と知恵と技術を活かす。

鳥海山麓の番楽は、いろんな流れをくむものが多い。ちょっと整理してほしい。

距離的に亀田藩地区とも近いので連携も視野に入れるべき

土地改良は、これまで効率性、農業改善を旗印に進んできたが、我々のような意見を取り入れながら、これまでの視点とは別の新しい手法を取り入れたことは高く評価できる。この新しい考え方をもっと浸透させるべき。田空は、地域の人たちが主役。

見た目がいいものと実際に係わっている地域の人たちが生活するには困る、といったミスマッチが生じる。委員会の意見と現場の意見とのバランスをどうとるかが問題。
 白神郷地区、亀田藩地区の主な意見、提言

現在各町に温泉が1ヶ所ある。理論的には、広域的に1ヶ所あれば無駄がない。けれども他の町の温泉を使うのは気がひけるし、わざわざ出掛けるのも遠い。広域的なコアができても、他の町の人は使いにくいのではないか。

大内町のコアは、公民館的な利用になりはしないか。もっと知恵を絞るべき。

パンフレットは行政主導で作るべきでない。公募したり、住民に参加の機会を与えるべき。

秋田県観光案内人の会合が能代市で開催される。その際、田園空間博物館の話をぜひ伝えたいと思う。

県の生涯学習に、田園空間博物館の講座を開設してはどうか。指導者を登録、全県へ広めてはどうか。

産直の人たちとも連携すれば、もっと広がりが生まれる。行政も横のつながりをとらないと、うまくいかない。

今後も春と秋の二回程度、地区毎の進捗状況を報告する委員会を開催することで了承された。

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