エジプト国旗エジプト通信日の丸
EGYPTIAN COMMUNICATION  14
エジプト・ナイルデルタ水管理改善プロジェクト報告会
2003.7.9 in Akita Pref.
エジプトにて
エジプトにて  (左下)工藤 主査

  平鹿地域振興局農林部農村整備課の工藤 淳 主査が平成15年7月9日、秋田
  県庁を訪れ、エジプトでの業務状況を報告してくれました。
  工藤 淳 主査は、水利組織のJICA派遣専門家として、エジプト水資源潅漑省に
  平成14年度から2ヶ年の予定で派遣されています。


報告会 報告会2

  報告会での様子

  エジプトから一時帰国した工藤主査が現地での奮闘ぶりを熱く語ってくれました。

  日本の仕事と大きく違うところは、「マニュアルがない」ということ。日本では要綱な
 どマニュアルがおおよそ決められていて、ある程度、考えがまとまりやすい。海外で
 は同じ現実・事実をわかっていたとしても、生まれるアイデアがまるで違ってくる。
 常に議論が絶えない。

  カウンターパート(エジプト行政官や技術者)にとって、1番はアッラー、2番は家族、
 3番は友人、4番は遊び、そして5番以降に始めて仕事が出てくる。、そもそもの取り
 組みが日本人とは違っている。その中で、仕事をするためには、人間関係が大切。
 同じ意識をもつために、一緒に過ごす時間をつくる。一緒にお茶を飲み、サンドイッチ
 を食べ、話し、笑い、ようやく同じ土俵に上がることができる。
  時に議論し、時にどなりながら仕事をするという微妙なバランスをとりながらの毎日
 を過ごしていると語る。

エジプト農業豆知識  豆電球 工藤主査の報告会資料をもとに作成しております
エジプトの稲作 @ エジプトの稲作

●エジプト国土面積 約100万km2(約95%が砂漠)
●農地総面積 約340万ha
●作付延面積 約543万ha(日本約462万haを上回る)
  冬でも耕作可能であるため二毛作・三毛作が広く行わ
  れている。
●稲作 8割がジャポニカ米
  作付面積は約65万ha(日本約180万ha) [1998年データ]
●米生産量 約550万t(日本約1200万t) [モミベース]
●haあたり米収量 エジプト約8.5t 日本約6.4t[モミベース
  1997年FAOデータ]
  エジプトは世界でも指折りの多収量国といえる。
エジプトの稲作2 A 米の栽培方法

●稲作シーズン5~6月に田植え8~9月に稲刈
                  (秋田よりも短い)
●水不足が深刻なエジプトでは米は用水多消費型作物
  とみなされ、年1作に制限されている。
  作付面積も割当制になっていて違反すると罰則あり。
●耕起作業にはトラクターが使用されている。
●一部のほ場では牛馬による均平作業を行うが、代か
  きは行なわずに人の手で田植えを行っている。
●刈り取りは日本製のコンバインが使用されている。ヤ
  ンマーやヰセキといったメーカーの代理店もナイルデ
  ルタに存在する。 コンバインが導入されたのは、約
  15年前。JICAの米作機械化プロジェクトによる。
エジプトの畑作 B 米以外の作物


●綿花、トウモロコシ、野菜類
●冬作では、米の裏作として一般的な牧草、小麦、砂糖
  ダイコン、野菜類がある。
  ごく一部ではあるが、パイプハウスできゅうり・トマト等
  を栽培して高収益を得ている農家もいる。
●相当数の農家は、農耕作業用のロバや、肉牛・乳牛、
  羊等を飼育しており、複合経営が一般的となってい
  る。
エジプトの町並み C エジプトの八百屋

●カイロ市内、タンタ市内ともに、市場(スーク)で野菜は
  売られている。屋根がついたいわゆる市場的な場所も
  あるほか、街角の歩道に野菜を広げている場合もあ
  る。価格は安いが、中には腐っているようなものも含
  まれる。その点、カイロ市内にあるスーパーではパッ
  ク入りの野菜を買う事ができ、割高ではあるが品物も
  きれいである。
●当たり前だが、品揃えは、季節に左右される。
  いつの時期でも、食材がそろう日本とは、違い、その
  季節でしか味わうことができな食材もあり、食べる楽
  しさがある。
エジプトの町並み2 D エジプトの肉屋
●一般的な肉屋では、主に牛肉と羊肉が売られている。
  牛は、店先につり下げられていて、買う場合は、欲し
  い部位を 指差して「1kg」とか「0.5kg」とか言うと切り
  取って 売ってくれる。
●にわとり、七面鳥等は、かごに入ったまま売られてい
  る。気に入った鳥を指差し待つこと数分。解体され、日
  本で馴染みの姿で渡される。

E エジプトの魚屋
●エジプト人は地中海で取れたボラエビ、川で取れた淡
  水魚を食べる。魚屋やスーパーでは氷の上に乗せら
  れて売られている。ただし、日本のものに比べ鮮度は
  相当落ちているように見える。
●時期によっては地中海産のマグロや鮭も手に入り、こ
  れを自分で刺身にしたり塩鮭に加工して食べたりもで
  きる。
    エジプト・ナイルデルタ水管理改善計画      

   人口が急増しているエジプトでは、その人口を支えるため、ナイル川流域に大規模な
   農業施設を建設しています。ナイル川の水利用は、近年の大規模開発により水需要
   が急速に増加し、慢性的な水不足となっており、効率的な水利用が急務となっていま
   す。効率的な水利用を妨げる要因として、農村地域ではポンプが普及したことによる
   個人本意な取水、末端施設からの無効放流などがあります。
   この状況を解消するため、エジプト政府は農民の負担による農民管理の末端施設の
  近代化を進めることを決定、関連法制度を整備し効率的水利用を図れるよう調査を行
  っています。
   エジプト政府の要請で、日本の国際協力事業団(JICA)は、「エジプト・ナイルデルタ
  水管理改善計画」を実施し、効率的な水利用の実現のため、日本の土地改良区型水
  管理システムの農業技術協力を行っているのです。

取材・編集
農林水産部 農地整備課 企画・調査班