1.調査の目的

 農業の持続的発展及び農村の振興を図るに当たり、農業の有する食料その他の農畜産物供給の機能及び多面的機能が適切かつ十分に発揮されるよう、農業の生産条件整備及び農村生活環境の整備が益々重要となっており、これらの整備の基礎となる国内及び海外における調査、計画、実施及び管理に係る技術の体系的整理、開発並びに蓄積が不可欠である。
特に、土地改良法改正により環境との調和への配慮が事業実施の基本原則として位置づけられたことを踏まえ、環境配慮に係る地域の合意形成や負担、管理等の制度や個別具体的な技術を早期にかつ効率的、効果的に事業に反映させていく必要がある。
 このため、先進的な取り組みを行っている海外の環境に配慮した農業農村整備に関する調査研究を行い、もって国内の農業農村整備技術の発達に寄与するとともに、食料、農業及び農村に関する施策の総合的かつ計画的な推進に資する。
このことを目的に(財)日本農業土木総合研究所が企画した事業である。
2.調査期間

  海外調査研究:平成16年2月8日(日)〜15日(日)(8日間)
  国内検討委員会:第1回 平成16年2月7日(土)
  第2回 平成16年3月16日(火)
3.調査団員

  団  長  林  良博 東京大学農学生命科学研究科教授
         
三澤  彰 秋田県農林水産部農地整備課主幹兼班長
         中野裕三郎 千葉県環境生活部資源循環推進課
                  バイオマスプロジェクトチーム副主幹
         東  勇一 宮崎県農政水産部農地整備課主幹兼農地保全係長
         清水 夏樹 (独)農業工学研究所 日本学術振興会特別研究員
         田島 亮介 東京大学大学院農学生命科学研究科博士課程
         豊  輝久 (財)日本農業土木総合研究所調査第一部主任研究員
                    (7名)
4.訪問国     オランダ及びベルギー         and 

ブリュージュの街並み
5.調査行程

  2月 8日(日) 日本発 オランダ・デン・ハーグ着
  2月 9日(月) オランダ農業自然食品品質省
            ・ワーヘニンゲン大学
  2月10日(火) デ・マルケ農場
  2月11日(水) オランダ農業園芸機関(LTO)
             ベルギー・ブリュッセルへ移動
  2月12日(木) (独)農畜産業振興機構(alic)  
              ブリュッセル海外駐在事務所
  2月13日(金) EU委員会
  2月14日(土) オランダ・アムステルダム発
  2月15日(日) 日本着

6.調査内容

 
2月9日(月)
  
オランダ農業自然食品品質省
  ・80年代から98年にかけて実施されたミネラル管理政策の成果とそれに関する
   評価について
  ・98年に導入されたMinas制度及び家畜頭数削減施策の今日までの成果について
  ・80年代以降ミネラル管理政策がオランダ畜産業、農業に与えた影響度合い
  ・2002年度に導入した家畜ふん尿処理契約制度の今後の行方について
  ・EU司法裁判所の判決を受け、今後のミネラル管理政策の変更点について
  ・今後のミネラル管理政策がオランダ畜産業、農業に与える影響について

 
ワーヘニンゲン大学リサ−チセンター
  ・ミネラル管理政策を推進するうえでの技術的側面(最新技術、堆肥の品質、施用
   方法等の農業技術)について
  ・現行の窒素及びリン酸の亡失基準の科学的根拠について
  ・今後のミネラル管理政策に関する科学的根拠について

 
2月10日(火)
  
デ・マルケ農場
  ・国や地方政府などが実施するミネラル管理政策への評価
  ・ミネラル管理政策(特にMinas制度)では、課徴金の徴収や家畜ふん尿の域外
   輸出等の各種措置への考えについて
  ・Minas制度が与える農場経営への影響について
  ・農家にとってのMinas制度のメリットとデメリットについて
  ・今後の農業経営の展望について

 
2月11日(水)
  
オランダ農業園芸機関(LTO)
  ・団体の概要と構成員等について
  ・団体のミネラル管理政策や家畜頭数削減施策への関与の状況について
  ・現行のミネラル管理政策や家畜頭数削減施策に対する団体側からの評価について
  ・ミネラル管理政策や家畜頭数削減施策推進に対する農家や一般消費者からの
   評価について
  ・今後のミネラル管理政策への関与方針について

 
2月12日(木)
  
農畜産業機構(alic)ブリュッセル海外駐在員事務所
  ・ヨーロッパにおける家畜ふん尿を中心とした有機性資源の物質循環の現状について
  ・特に有機性資源の農地還元の状況について
  ・ヨーロッパにおける有機農業、有機畜産への取り組みについて

 
2月13日(金)
  
EU委員会
  ・EU硝酸指令の科学的根拠について
  ・硝酸指令による環境改善の効果
  ・オランダのミネラル管理政策に関するEUの見解について
  ・地域別の肥料施用基準にかかる指導方針について

 以上のことについて各機関での聞き取り調査及びディスカッションを行った。

取材・編集 農地整備課 三沢 彰
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