寺沢地区イバラトミヨ保護池
モニタリング調査






 平成14年10月18日に、雄勝町寺沢地区の保護池においてイバラトミヨ雄物型の生息調査が行われました。この保護池は、寺沢地区ほ場整備事業実施にあたり、秋田県版レッドデータブック絶滅危惧種IA類に指定されているイバラトミヨ雄物型を保護するために造成された池です。
 平成12年10月28日に放流した20匹のイバラトミヨは、平成13年の第1回目の調査において700匹あまりまで増えていることが確認されました。
 今回は第2回目の調査で、約二十名の調査隊が作業を行いました。
  

13時30分、ついに底樋開放。

 底樋出口でキャッチ。
さで網にて、全数捕獲に挑む。ヘドロ状の底にも多数おり、全数捕獲は断念。
小さいものも見逃さないよう、入念に捕獲した。
                              
保護地は14時45分全容をあらわし、ついに捕獲は終了した。
捕獲されたイバラトミヨたち。ちなみに、ごく一部です。
捕獲されたイバラトミヨの一部は、水産振興センター杉山部長らによって、イバラトミヨ淡水型、
イバラトミヨ雄物型、その他交雑種に分類された。
分類したイバラトミヨは、麻酔薬に浸し、種別ごとに100匹ずつ体長を検測する。
分類の標本とならなかったものは、全数カウントしながら保護池に再放流された。
交雑種と思われるものは、再度入念に判別。 これが、交雑種でないかと思われるイバラトミヨ。
背ビレはねずみ色で、トゲがすごく長い。
  ※写真ではよくわからないが、
   
  淡水型 : 北海道から石川県まで分布。
          背ビレが透明でトゲが長い。
          緑っぽい体色。

  雄物型 : 雄物川水系と山形県の一部に
          生息。背ビレが真っ黒。
上がイバラトミヨ淡水型、下がイバラトミヨ雄物型。交雑種は、どちらともいえない、中間的な特徴をも
つようである。
分類したイバラトミヨを、種類毎にカウントする。 大学の研究のため、標本を採取する秋田大学の
川又助教授。遺伝的調査を実施。
               
 最後に、杉山部長が、調査結果を考察。
  ・ 今回調査したところ、前回に比較し小型化と絶対数の増加がみられる。
  ・ 標本の分類から、淡水型:雄物型:交雑種=4:2:1の割合で増殖していることが伺えた。
  ・ 天然の環境では、種類ごとにすみ分けられていると思われ問題ないが、このような特殊な
    環境だと、交雑はまぬがれないのではないか。
  ・ エサは豊富と思われるが、淡水型は太っており、雄物型はやせているのが多い。
  ・ 1u当たり2匹が適正な生息状況と考えており、500匹程度が適正と考えられるため、水が
    止まる、ヘドロが異常に堆積、夏の酸欠などで、一斉に死滅してしまう心配もある。 
  ・ 県内で初めての保護のモデルなので、数年はみていきたい。

   ◎ 今回捕獲し、カウントできたイバラトミヨ
           全匹数  2,942 匹
       うち640匹の標本から種類を判別した結果
          淡水型  367 匹
          雄物型  186 匹
          交雑種   87 匹

取材・編集   雄勝総合農林事務所 土地改良課