「東成瀬村のホタル」より

@ホタルについて

  「・・・・夏は夜。月のころはさらなり、闇もなほ蛍の多く飛びちがいたる。・・・」
 この文は、今から約1000年も昔、当時の女流作家 清少納言が書いた「枕草子」の一部です。

 昔から日本人は「花鳥風月」という言葉で表されるような、四季を通じてくりかえされる自然の移り変わりを感性豊かにくみ取り、文章や詩歌やいろいろな行事に表現し、生活の中に取り入れてきました。夏の夜に見られるホタルも多くの人に愛されてきました。

  ところで、一口にホタルといっても昆虫の仲間のーグループで、世界中で約2000種が発見されております。この中には発光しないものもずい分おります。わが国には約10種のホタルがおりますが、生息範囲が広いことと、光を出して飛び回ることから見れば、やはり代表的なものはゲンジボタルとヘイケボタルです。

  東成瀬村ではホタルが「村の虫」となっていますが、どの種類かという点は、はっきりしておりません。生息が確認されていることでは、この二種類が該当するものと思われますが、鑑賞価値があるのは何といってもゲンジボタルです。

  しかし、ゲンジボタルはヘイケボタルにくらべて環境の変化に敏感で、生活力が弱く、しかも私達の村は群生地の北限を越えていますから、手厚い保護をして保存していかなければ絶滅する恐れがあります。
  かつては村の中にゲンジボタルが数多く発生しておりましたが、今ではずいぶん少なくなりました。この原因は、毒性の強い農薬が多く使われたことと用水路がコンクリートなどの人工水路になったためといわれております。それでも最近は全国的にホタルが少しずつ増えてきているとの報告もあり、これは農薬の性質が変わってきたためと思われます。

 いずれにしても、村の虫「ホタル」、特にゲンジボタルを保護して増やしていくことが、人間が安心して生活できる環境を造っていくことと密接につながっているのです。

  「・・・・夏は夜。月のころはさらなり、闇もなほ蛍の多く飛びちがいたる。・・・」
 この文は、今から約1000年も昔、当時の女流作家 清少納言が書いた「枕草子」の一部です。

 昔から日本人は「花鳥風月」という言葉で表されるような、四季を通じてくりかえされる自然の移り変わりを感性豊かにくみ取り、文章や詩歌やいろいろな行事に表現し、生活の中に取り入れてきました。夏の夜に見られるホタルも多くの人に愛されてきました。

  ところで、一口にホタルといっても昆虫の仲間のーグループで、世界中で約2000種が発見されております。この中には発光しないものもずい分おります。わが国には約10種のホタルがおりますが、生息範囲が広いことと、光を出して飛び回ることから見れば、やはり代表的なものはゲンジボタルとヘイケボタルです。

  東成瀬村ではホタルが「村の虫」となっていますが、どの種類かという点は、はっきりしておりません。生息が確認されていることでは、この二種類が該当するものと思われますが、鑑賞価値があるのは何といってもゲンジボタルです。

  しかし、ゲンジボタルはヘイケボタルにくらべて環境の変化に敏感で、生活力が弱く、しかも私達の村は群生地の北限を越えていますから、手厚い保護をして保存していかなければ絶滅する恐れがあります。
  かつては村の中にゲンジボタルが数多く発生しておりましたが、今ではずいぶん少なくなりました。この原因は、毒性の強い農薬が多く使われたことと用水路がコンクリートなどの人工水路になったためといわれております。それでも最近は全国的にホタルが少しずつ増えてきているとの報告もあり、これは農薬の性質が変わってきたためと思われます。

 いずれにしても、村の虫「ホタル」、特にゲンジボタルを保護して増やしていくことが、人間が安心して生活できる環境を造っていくことと密接につながっているのです。

Aゲンジボタルとヘイケボタルのちがい

ゲンジボタル ヘイケボタル
イラスト
分   布 本州、四国、九州 日本全土
体   長

10〜20mm

直径約0.5mmの丸いたまごを500個位 産む

前胸部の中央に黒い十字形の模様がある

7〜10mm

直径約0.6mmのややだ円状のたまごを 50〜100個位産む

前胸部に太くて黒いすじがある

村   の
発生時期
6月中旬〜7月中旬(約1ヶ月)
7月〜8月(約2ヶ月)
発   光

強い

  1回の発光時期が数秒間

弱い

   1秒間に2回くらい点滅 

食   物

カワニナ

カワニナ以外にも淡水にすむ巻き貝
    (タニシなど)を食べる
幼虫の生息場所
水中(比較的きれいな水) 水中(少し汚れている水)

Bゲンジボタルのいろいろ

 体の大きさは地域によって違いがありますが、一般に雌は大きく15o〜20o、雄は10o〜15oくらいです。
  発光器(光を出す部分)は腹部の腹面にあり、雌は7節のうち第5節、雄は6節のうち第5,第6節が発光器です。このように雌と雄では異なっており体の大きさとともに雌・雄を区別できる根拠となります。
  
(2)ゲンジボタルの一生
この図はゲンジボタルの一生を表した図で、右から左へ進みます。これでわかるように幼虫の時代は水中で過ごします。
●夜空への飛び立ち
  土中で約2週間ほどさなぎの時代を過ごしたゲンジボタルは幼虫となって地上に出て飛び立ちます。これを羽化(うか)といいます。
 午前7時30分頃から活動をはじめ、9時頃まで最もさかんに飛びまわります。
●おすとめすの光の信号
  ゲンジボタルは「おす」と「めす」とでは、光り方や光の強さがちがいます。強く光り、つけたり消したり、光を明滅させれながら飛びまわっているのが「おす」です。一方、草や木の葉の上にじっととまって弱く光っているのはたいてい「めす」です。
 「 おす」は「めす」の弱い光をみつけると飛びながら近づいていき一段と明るく光を明滅させます。これが「おす」と「めす」の出会いの信号です。「おす」は「めす」の合図をみつけるといそいで「めす」のそばに飛んでいき、やがて交尾をします。
●産 卵
  交尾をおえためすは、4〜5日ほどたった夜、産卵を始めます。産卵中のめすの光はゆっくり強弱をくりかえしますが、消えることはありません。産卵場所は、おもに川岸の岩や木の根もとにはえているコケです。コケのある場所は水分が多く、ほとんどの日光もあたらないので、卵を乾燥からまもってくれます
●成虫の死
 ゲンジボタルの成虫の生命は2週間たらずです。この間、水以外の食物はとりません。雌が産卵をはじめるころには、雄はほとんど死んでいきます。雌も産卵がすむと2〜3日で死にます。
●幼虫の誕生(7月中旬〜下旬)
  コケに生みつけられた卵は、コケの水分にまもられて徐々にふ化の準備がすすみます。産卵から約1ヶ月不透明だった卵の色がだんだん透明になり、中の幼虫の頭やからだのもようがすけて見えてきます。
  ふ化直後の幼虫は、体長が1.5oほどでたくさんの節に分かれたからだ、節からでている足のようなものととがった頭、どこから見ても成虫の形からは想像ができません。卵からでると、幼虫はすぐ水面におちていき、幼虫の水中生活がはじまります。
●水中生活
 水面から、川底にたどりついた幼虫は、すぐにあるきはじめ、昼間は安全な石の下などにもぐりこんでじっとしています。夜になると石の下などのかくれ家から出てカワニナをつかまえて食べます。そのときは自分のからだの大きさにあった貝を食べます。
●幼虫の食べ物
 ゲンジボタルの幼虫の食べ物は水底にすむ巻き貝、カワニナです。幼虫は歩きまわっているうちに出会ったカワニナのすきをみてかみつきます。幼虫は口から消毒液をだしてカワニナの肉をどろどろにとかし、ジュースのようにして吸うといわれています。
●脱 皮
ふ化してから一ヶ月ほどたつと、うすい灰かっ色だった幼虫のからだの色がこい灰色に変わってきます。しばらくすると幼虫は動かなくなりやがてからだのまげのばしをはじめます。すると中胸あたりにさけめができ、やがてまっ白いからだがあらわれてきます。幼虫が第一回目の脱皮をむかえたのです。
  こうして幼虫は6回の脱皮をくりかえし成長していきます。夏に生まれたころ、1.5oほどだった幼虫も、冬にほとんど4回目の脱皮をおわり、1p以上になります。また幼虫の胸の上の黒いもようも脱皮をしながらだんだん変わっていきます。

●上陸する幼虫(4月中旬〜5月下旬)               

 寒い冬も終わり春がやってきました。5月頃になると幼虫は2.5p〜3pに成長しています。このころになると幼虫はほとんどエサをとろうとしません。
  やがて、雨がふりはじめると幼虫は夜につぎつぎと水からはいあがり、光をだしながら上陸します。やがて、やわらかい土のあるところまでくると、小さなくぼみをつけて、頭からもぐりこんでいきます。土の中にもぐった幼虫は、自分だけの小さな部屋をつくります。部屋のカベは、からだからにじみでる液体をしみこませて丈夫にします。
●さなぎになる
 幼虫が土の中にもぐってから約40〜50日。地上は春のさかりをすぎ、初夏の気配が近づいています。川辺の昆虫たちも活動をはじめています。地下の部屋の中でじっと休みつづけていた幼虫ですが、そのうち、とつぜん背中がわれ、白いさなぎになってでてきます。さなぎになると発光器も幼虫のときにくらべて大きくなり、よく光るようになります
●成虫の誕生
さなぎから2〜3週間目の夜、さなぎの背中がわれ成虫のホタルがあらわれてきます。成虫になったホタルは、そのまま地下の部屋で3日間ほど休みます。 部屋のカベを口と手足でけずりおとし、やがて地上に出て近くの草の上で休み、光りながらなかまのいる水辺の方へ飛びたっていきます。