秋田県農林水産部農業関係補助事業に係る第三者委員会 要旨


◎開催日時:平成17年3月9日(水)午後1時〜3時
◎開催場所:みずほ苑 3F 百合の間
◎出 席 者:(委員) 佐藤委員(委員長)、堀井委員(副委員長)、稲元委員、高橋委員、松本委員
         (県)  農林水産部参事(兼)農林政策課長、農山村振興課長、水田総合利用課長
             農畜産振興課長、関係各課担当者

1 開 会

2 あいさつ (農山村振興課長)

3 議 題 (佐藤委員長が議長となり進行)

・ 事務局から、今回の議事の概要と会議資料の公表を県ホームページ上で行う旨委員に提案し、了承。

(1)秋田県農林水産部関係補助事業について
・ 事務局から、資料に基づき、次の各事業についての説明。
   @ 経営構造対策事業、アグリ・チャレンジャー支援事業、水田農業経営構造確立緊急対策事業について
   A 生産振興総合対策事業について

(2)意見交換
(委員)
・ 経営構造対策事業の目標設定で、認定農業者の育成が「市町村平均」とあるが、各地区の目標設定を見ると、低めに設定されているところと大きな数値となっているところがあるが、どのような基準で決めているのか。
(県)
・ 国の通達では「市町村のマスタープラン以上」となっている。マスタープランは、経営構造対策事業で定められるものではなく、市町村長やJA組合長、関係機関団体長等からなる市町村経営生産対策会議で定められるもので、その内容は、市町村毎の事情、例えば、「我が町の認定農業者の数は十分確保されているので、今後の確保数は少なく てもよい」とか、「我が町では、今後いろいろな事業に取り組んでいるので、今後かなりの認定農業者の増加が見込まれる」などにより設定されている。経営構造対策事業をやるのであれば、少なくてもマスタープラン以上の目標を定めること、ということである。

(委員)
・ 水田農業経営構造確立緊急対策事業で、構成員、組合員が45名、126名とあるが、これは若い人がこれくらいいるということか、それとも高齢者・女性も含まれているのか。
・ 種沢地区は、地区の全員が入っているのか。
・ 小種地区の方は任意組合か。
(県)
・ 種沢地区の場合は、ライスセンターを作るに当たって、利用する農家が出資して法人を作ったもの。その中には若い人もいるが、消費者は入っていない。実質、経営する方々の数である。
・ 種沢地区の場合は、地区内の農家のほぼ全員であるが、共同でこの施設を利用しようという農家は45名で、この他に、大規模経営を行っており既に自分で施設を持っている農家数名など入っていない人もいる。
・ 小種地区の場合、当初、任意組合で計画していたが、その後の話し合いで、このような大きな施設を運営して行くためには法人化した方がよいということになり、今月中に法人化手続きすることとなっている。その場合、単に施設利用法人ではなく、2号法人となることとしている。

(委員)
・ 消費者として、地元の農産物が店に少ないのが残念。もっと本県の農業も地元販売をターゲットにやったらどうか。
・ 地産地消で最近がんばっているので、そういう方向になっていると思うが、どうか。
・ スーパーに行っても、地元の新鮮なものは量的に少なく、すぐに無くなってしまうので、もう少し規模を大きくしてもらえたらと思う。
(県)
・ 地元のものを地元でということは県内でも運動として広がってきている。今回説明した施設については、出荷先が地元か県外か、ということよりも、むしろ、農業経営、農業生産を効率的にやっていくかということが主目的となっている。これら国の補助事業以外でも、県単事業として、さまざまな地産地消の取り組みに対して支援している。

・ 秋田県産の農産物は、どうしても夏場に集中し、冬場は少なく県外産のものが多くなってしまうので、冬場の量の確保も含めて、生産体制を考えていく必要があると思っている。
(委員)
・ そのためにはハウスが必要になってくると思うが・・・。
・ 本日の事業は、稲作や畜産、大豆といった重厚長大な部分に補助事業で支援していくということだが、店先の野菜も視野に入れてもらいたい、地産地消の視点も組み入れてもらいたいという意見。提言として受け止めてもらいたい。

(委員)
・ JAあきた北央管内で生産された大豆の新品種スズサヤカを使った豆腐を試食したところ非常においしかった。大豆を加工業者が入手する場合、埼玉県の業者を通さなければならないと聞いたが、大豆の流通はどうなっているのか。
(県)
・ 生産、出荷された大豆は市場で入札により価格が決まるが、外国産の価格との差をうめるために国から交付金が出ている。さらに、毎年の価格変動に対応するため、過去数年の平均価格よりも下がった時、その差の一部を補てんする制度がある。このような大豆の支援措置を行う場合、キッチリ流通量を把握する必要があり、JA、全農へ出荷されたものはキッチリわかる。しかし、生産者が地元の豆腐屋へ直接売った場合等は、その数量はこの制度に乗れない。
・ 大豆が全農に集まって、売られた後は、全国的に扱う業者が一手に引き受けており、その中に埼玉県の大きな卸業者がいて、秋田県の大豆はもっぱら、そこと取引している。地元のものを地元で使おうとしても、生産者を支援するために、書類上は埼玉まで行ってしまうことになる。先日の県議会の委員会でも同じような話が出た。この点については、もう少しなんとかならないかと思っている。
(委員)
・ 流通経路を少し短縮し、JAが直接地元の加工業者に売れればよいのではないか。
・ このような流通になっているのは単価が合わないのか。それとも他に理由があるのか。
(県)
・ 大豆交付金がなければ再生産は成り立たない状況。交付金のためには、JA、全農のルートを通さなければならない。ルートを短縮してJAから直接販売してもよいが、全国の大豆の需給状況がネックになる。安定して買う・売るということで問屋が必要になっており、従来の商取引が変わらない状況にある。
・ JA、全農が集荷した大豆を、直接加工業者に売ることはできるが、慣例なのか、今のところ、そうなっていない。いろいろな流通の中で、確実に売り切るために、そういう体制を維持しておく必要があるからだと思うが、これからは、もう少し頭を切り換えてもよいのではと思っている。
(委員)
・ 県議会からも、また本日の第三者委員会からも、このような要望が出ている中で、取引慣行もあるということだが、まず、系統に申し入れを行うことをやってみたらと思う。
・ 特定のところからだけ声を出すのではなく、いろんなところから声を出して余地を無くしていくことが大切と思う。なかなか大変なことだが、商取引に風穴を開けるためには、一歩踏み込んだことをしないといけないと思う。もちろん、行政だけでなく関係するところと連携し工夫することが大切だ。

(委員)
・ 県ではメジャー品目の産地化に取り組んでいるが、その他の野菜が増えてこない。例えば、平鹿地域の食用ギクは商品力もあり流通量もあるので期待しているが、食の安全安心の面から使用できる農薬の問題もあり、特に、夏場のスリプス、アブラムシ等に対応するための燻蒸剤がないため、生産拡大ができないという農家の声がある。メジャー品目拡大の一方で、秋田県に従来からある伝統的な野菜、細かい特色ある野菜があるが、農薬の問題を解決できないと作付が増えないので何とかならないか。食用ギクやセリなどの伝統的な野菜が増えることで、高齢者も利用しながら、多彩な品目に取り組んで行ける可能性が見えてくると思う。
(県)
・ 農薬登録については、メーカーが莫大な経費をかけて申請して登録をとっている状況。そのため、どうしても作付け面積の大きい売れそうな農薬については積極的になるが、面積の小さいものについてはメーカーも消極的なのが現状。マイナー作物については、登録農薬が少ないので、国も登録を促進するということで、経過措置として、2年間は 認められるものであれば、申請すれば登録される方向となっている。この2年間に県でも登録のための試験を応援したり、各県とも連絡調整したりして役割分担しながら試験しているが、まだ十分ではない。経過措置は今年3月で終わりとなるが、必要な作物・農薬について、国では延長することとなっている。秋田県の場合、ウド、セリ、ジュンサイの登録推進のため試験を継続していくこととしている。食用ギクについては、全国的な話なので、農薬試験については、他県でやるか、メーカーにやってもらうか、秋田県でやるか、いろいろな対応が考えられるが、どうしても必要なものはなんとかしなけ ればならないと思う。

(委員)
・ 私たち消費者は、どういう農薬をどれくらい、いつ使って、という情報をキッチリ教えてもらいたい。
・ また、無農薬・無添加だと言いながら実は違うということがあるのではないかと疑い深くなっている。情報をキッチリ教えてもらうためには、農家の方々もいろいろな苦労があると思う。そのため価格が多少高くなることはしかたないので、消費者もそこいらの事情は考えて買うと思う。
(県)
・ 農薬をどういう形で使っているか、正しい形で情報を出すことが、今一番生産者に求められている。そのため、数年前から、トレーサビリティに取り組んでおり、どういう効果のある農薬を、いつ、どれくらいの回数を使ったかを記録し、消費者に提供するようにしている。しかし、生の情報をそのまま提供すればよい訳でなく、消費者にわかりやすく提供することが必要。農家側にとって、面倒な記帳をするということを前向きにとらえ、こんな栽培方法で、こんな工夫をして栽培している、というPRの手段としてトレサビを使うことも必要と思う。
(委員)
・ 今トレーサビリティの話があったが、小売店ではそのような情報をみかけたことがない。店先で詳しい履歴が必要だとは思わないが、この野菜を作るために農家がこんなふうに農薬を使っているとか。PRしたらどうか。
・ JAでは、共同選果共同出荷が主であるが、これとは別に、トレサビを有効に活用し、こだわり野菜を作っている農家を区別して、販売戦略を展開することも必要ではないか。
・ 先ほどの話は「安全安心というレッテルが貼っていたにもかかわらず、裏切られているのでは」ということ。そこを一歩乗り越える伝え方をしないと消費者の心をつかむことはできない。レッテルだけではなく、どういう生産者が、どんな気持ちで作っているのか、本当の意味で伝わらないと不信感を払拭できない。一通りやるべきことをやれば 良いという問題ではない。そこら辺を、我々もキチンと認識しなければならないと思う。

(委員)
・ ハウスを個別に設置した場合、特に、屋敷内に設置されたハウスはその人が止めれば全部終わりになってしまう。しかし、ハウスが集合していれば、誰かが止めても隣の人がやるとか、年齢によって投資がどうこうと言われなくてもよいのではないかという気がする。ハウスが遠いと問題があるかもしれないが、集落と隣り合っている場所に団地 があれば問題ないと思う。
・ 高齢者と言っても80歳までは現役で頑張れる。特に、秋田県はうつ病や自殺者の多い県であり、高齢者の心と身体の健康の面からも、朝穫り野菜への取り組みすることで、地域との交流も生まれるので、良いことだと思う。
・ 県の農業ビジョン推進会議でも話したが、農業で50万円もうけたい人についても対応を考えないと地域が萎んでしまうと思う。まさに、今の意見と重なる面があると思う。

(委員)
・ 来年度の事業実施予定地区についてだが、これ以外にたくさんの要望があってこれだけに絞ったのか。その場合、どのような基準があって選んだのか教えてほしい。
・ 施設がどのように活用されているかについては、本日の説明で理解できた。今後は、さらに数値で具体的に示してもらうと更によいと思う。
・ 女性の農業参画するために、施設を整備するという要望はないのか。
(県)
・ 各事業で通知上の基準も踏まえ、国との事前ヒヤリングを経たものである。大切なことは、地元の体制が整っているか、ハッキリした見通しがあるかということ。そうでない場合は、もっと検討したらと言うことになる。昔は、大規模な事業要望がたくさんあり、国の予算枠の関係から、採択できない場合もあったが、今は、国事業、県単事業をうまく活用して要望に添えるようにしている。
・ 女性対象の事業として直売所の設置や、県単事業でハウスへの支援を行っている。まだ数は少ないが、まず女性が頑張って、それに男性が引っ張られて頑張るというパターンもある。

(委員)
・ 地産地消を学校給食と結びつけれればよいなぁと思う。
・ その場合、既に給食に食材を供給している業者との利益競合が生じる心配がある。県とか行政が明確な方針を持って、いろいろ調整することが大切だ。
(県)
・ 学校給食の現場の人たちと生産者の供給グループが結びついた取り組みが増えてきており、現在、学校給食における県産品の割合が3割位にまでになった。課題としては、給食に最も使われるジャガイモ、ニンジン、タマネギの県産品の割合が少ないため生産拡大が必要なこと、大量に処理するため、規格を揃えることなど。今後は、更に、学校給と農家が地元で手を結んだ取り組みを増やしていきたい。

(委員)
・ 琴丘地区の梅の事業だが、栽培している品種が4品種あり、どのように加工するかというポイントが絞られていない。また、農家個々の梅と町農業公社栽培の梅があるが、かなりの品質レベルの差があるので、今すぐに大量に製品化することは無理な状況。将来はかなり苦戦すると思う。県の総合食品研究所もあるので活用したほうが良い、また、水戸のように梅花を観光資源に活用する方法、梅から桃に樹種を変えることも検討したらどうかと思っている。青梅で市場出荷することも検討してもらいたい。
・ 選果の方は、今年、県立大学で、近赤外線を使って有機酸量を測定して主成分を把握できるようになった。問題は、どういう品質のものをどういう用途に、どう加工して、どう売るかということ。
・ 仙台の近郊の梅産地では、地元の伝統的な梅干しの味で加工し、地元出身者を中心としたネットワークで販売を拡大して行った事例もある。
・ スーパーの梅干しは、日本で加工したとしても原料はほとんどが中国産。本当に、秋田県産のものがあれば、みんな喜んで買うと思う。
(県)
・ 琴丘地区の場合、本事業で防風ネットを設置して、梅の生産面に対する対策を講じており効果が出ているところ。加工施設については、今回の事業では設置を見送り、生産が安定し、加工した梅の販路も目途がたってからに延期することとした。当面の県の指導としては、県経営構造対策推進機構のコンダクターの指導や地域振興局、町等の関係機関の連携により、事業効果が十分発揮され、琴丘地区が梅産地として発展していけるように指導して行きたい。

(委員)
・ 本日の話しで、事業に対する視点が具体化したと思う。まだ、いろいろご意見などがあると思うが、そろそろ時間となったので終わりにしたい。


4 その他 特になし

5 閉 会

★配布資料 (PDFファイル:3.75MB)
                                 −以上−