国土調査業務最前線


〜国土調査の成果を土地所有者から閲覧して
   もらう直前の秋田県による検査業務紹介〜
 時おり陽が射すものの、日本海から強い西風の吹く12月のある日、本荘市役所を訪れました。国土調査法の「準則」に従い、一筆地調査と地籍細部測量の検査をするためです。検査対象地区は山林が主体で大字が2つの4.4km2の範囲です。今年度の県内の検査は27地区、45km2、全80工程があり、そのうちの2工程になります。

  
本荘市庁舎 検査風景
 来年の3月、市町村合併による「由利本荘市」誕生を広報する看板が出迎えてくれました。庁内にも誕生まで99日とのカウントダウンが表示され緊張感が漂っていました。

 始めに市役所の地籍係3名(2〜4年の経験を持つ)と、測量と作図を請け負った会社の2名とで職名・氏名の確認をした後、本荘市における国土調査の全体概要の把握から検査が始まりました。市部としては県内で比較的早く着手し、その進捗は概ね2割とのことです。
羽後国由利郡地引切絵図 図面
 「羽後国由利郡地引切絵図」と題された公図の写しを現場に持ち込み、土地所有者から聞き取った情報と目視により把握した情報が記されています。方位が記されているが、上方が北を指しているとは限らないので、隣接図面を付き合わせる場合は注意を要します。  山林が多いため一筆当たりの面積が大きいのが特長です。その他の地目としては、田、畑、居村、原野、用悪水路、保安林、の表示も見かけられます。メガネと呼ばれる同一所有者を意味する表示や多数の分筆地番等、連綿と続く生活の証しが蓄積されていきます。
 検査場所 くまに注意
 市役所の東方に車で20分走った位置にあり、手前の山の頂から、国道107号線に沿った集落の背後までの見える範囲がその対象です。スギと広葉樹が混交し、一見してかなりの急傾斜地と映るが林の中には平坦部も存在します。  近くには最近立てたと思われるこのような看板が設置されていました、幸いにもこれまでの作業中は遭遇しなかったとのことです。この日は既に冬眠のため安心して山に入りました。
*その後冬眠出来ないクマがいることをニュースで知りました。
トータルステーション 反射プリズム
 測量器械は「トータルステーション」と呼ばれる暗闇でも作業が可能なレーザー光を使用する優れものです。午後3時を過ぎると陽射しが急速に減少するスギ林には、露出した岩や間伐枝も転がっており安全のため早めに切り上げるとのことです。
 反射プリズムを2ヶ所の赤い杭頭に立てると、瞬時に水平距離が左の機器に表示されます。10年ほど前とは作業時間が比較にならないほど短縮され、結果として県民サービスの向上につながります。また、今回は土地の境界は良く間伐されて管理が行き届いており、測量も順調に進んだとのことです。
狭小田
 今回の国土調査の成果の一つは、現状の129筆が90筆に減少したことです。「現確不能」と呼ばれる現地に存在が確認できない土地と、「合筆」という地目・所有者が同一でかつ道水路で分断されていない土地が合わされることにより39筆分の事務処理が軽減されることです。
 本荘市の国土調査は、計画的に順次実施されており、調査に対する市民の理解が十分浸透していることが窺い知れます。
 今回の検査結果が、土地台帳として完備され、関係者の皆さんや関係機関にとって速やかな効果を発揮されることを期待しております。



 「耕耘機」がやっと通れるくらいの幅員の坂道を登っていくと、公図に記されたとおりに「田」が現れました。この秋も収穫したらしくヒコバエが切り株からしっかり20cmほど芽を出していました。その直ぐ下にはカヤが生い茂り長期間作付けされていないであろう「田」があり、足を踏み入れるとぬかるみました。
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取材・編集

秋田県 農林水産部 農山村振興課 国土調査班・農村整備計画班