きてたんせ 森と水と米の郷
                                      くに

 
 10月14日・15日の2日間、秋田県は、農村全体を博物館に見立てて地域資源の保全と活用を目指す「全国田園空間博物館シンポジウムinあきた」を、あきた田園空間博物館地方委員会、水土里ネット秋田、全国水土里ネット、農村環境整備センター、全国農村振興技術連盟、オーライ!ニッポン会議、日本グランドワーク協会と共催で、農林水産省の後援により開催しました。
 このシンポジウムでは、全国各地で実施されている田園空間博物館の取り組みについて、情報の交換や活動の中心となる人々が交流を図り、また、話題提供やパネルディスカッション等を通じて田園空間博物館の有効利用と活性化を推進する方法を模索したほか、県内の実施地区を見学して現地検討会を実施しました。
 このシンポジウムには、全国各地から約320名の方が参加しました。
副知事挨拶状況写真
全国田園空間博物館シンポジウムinあきた
(写真左より、海野東北農政局長・川村農村振興局長・挨拶する西村副知事・竹村農林水産部長)

  1日目は秋田市の秋田県庁第二庁舎8F大会議室で、情勢報告・話題提供・パネルディスカッションなどを実施しました。
10/14のプログラム
開会挨拶 秋田県副知事 西村 哲男
情勢報告 農林水産省農村振興局長 川村 秀三郎
話題提供 秋田県立大学教授 真勢 徹
二ツ井町長 丸岡 一直
パネル
ディスカッション
パネラー
(株)汎建築設計事務所専務取締役
1級建築士
鈴木 玲子
西木村農家民宿「泰山堂」代表
女性農業士
藤井 けい子
秋田県立大学教授 真勢 徹
二ツ井町長 丸岡 一直
コーディネーター
秋田魁新報社論説委員会副委員長 宍戸 豊和

情勢報告 「個性ある魅力的な農産漁村づくりと田園空間博物館」
川村農村振興局長情勢報告状況写真1 川村農村振興局長情勢報告状況写真2
川村農村振興局長による情勢報告
田園空間博物館の活動キャッチフレーズ
○水・土・里を大切に・・地域の良さを発見しよう
○将来像を共有して・・どんな博物館にしましょうか
○地域の人々の手で・・みんなで考え、楽しみながら活動しよう
○あせらず、息ながく・・遊び心で輪をひろげていこう
 それぞれの地域の長い歴史の中で
農業と人々の営みが築き上げてきた
日本人の原風景とも言える美しい田園空間
 「水」「土」「里」の宝物をみんなで探し
豊かな自然と伝統文化に育まれた美しいむらづくり
そして、それを守り育てる活動を、
いろんな人を巻き込んで、楽しみながら進めましょう

話題提供1 演題:「地域が人をつくる。人が地域をつくる。」
ませきょうじゅ
秋田県立大学
真勢 徹
 教授
ませきょうじゅわだいていきょうじょうきょうしゃしん1 ませきょうじゅわだいていきょうじょうきょうしゃしん2

−地域性の違いから見た着眼点−
その1: 都市と農村の対流  ではなく、 流域社会の復権
その2: 「親水」  ではなく、 「敬水」の概念

「アジアの地域性である「流域社会」と「敬水」を田園空間整備事業の方向性としてほしい」

話題提供2 演題:「地域づくり、町づくり」
まるおかふたついちょうちょう
二ツ井町
丸岡一直
 町長
まるおかふたついちょうちょうわだいていきょうしゃしん1 まるおかふたついちょうちょうわだいていきょうしゃしん2

○恵まれた自然
○農村の歴史
○用水 先人の努力
◇豊かな農村景観の保全◇

◇コミュニティの場の創造◇
田園空間
整備事業
「今は自然と生活との結びつきが評価される時代。恵まれた自然と、歴史的水路など伝統に恵まれていることに自信を持ち進めてきた町の政策・施策はこの事業の方向性と同じ」

パネルディスカッション
<パネラー意見要旨>
テーマ:「地域を生かすために」
ふじいけいこさんしゃしん
藤井 けい子 さん
 私が代表を務める農家民宿「泰山堂」には、都市部の方が少人数の仲間たちと共にゆっくりと過ごしたいといって訪れることが多く、宿泊していく方々のほとんどが口コミ&リピーターです。
 真勢先生がここ数年、教え子たちを引き連れていらっしゃってくださいますが、何もない、というのが逆に今の若い人達には魅力なのだと思います。
 ゆっくりと生きていくことで今まで見逃してきたものが見えるかもしれません。高齢化社会になったからこそできるスローな生き方(スローフード・スロートラベル)をもう一度見直してみる必要があると思います。このような生活を送ることは、秋田県、少なくとも西木村では、まだ間に合います。
すずきれいこさんしゃしん
鈴木 玲子 さん
 8年前から河辺町鵜養で活動している「池田塾」では「自然の摂理に従って現代の技術文明時代に対応していく暮らしのあり方やしくみ」を地元の方々に学ばせていただきながら探っています。集落共同作業に加わったり、必要な作法等を教わったりしながら徐々に地域の方ともうち解け、33人の地権者からなる30年周期で伐採する薪炭林の再生に活かせる、塾生の提案による炭焼きも復活しました。
 また近年、古民家改修が盛んになってきましたが、農村で現実に生活している人達こそが、必要な改修をできるようにサポートしていくことも大事だと思います。農村が自立した生活を維持できなければ、すばらしい景観も維持できないわけですから。
ませとおるさんしゃしん
真勢 徹 さん
 欧米で言われているエコミュージアムと、日本の田空事業は、風土・背景的な違いがあるという点を理解しないといけないと思います。例えば国土が山がちで急流の多い日本では、欧米的な「親水」という概念は醸成されづらく、自然を敬い、時には闘ったりやられたりの「敬水」と言う概念の方がしっくりときます。また上流から下流へと連続した「流域社会」というのもアジア的概念のひとつではないかと思います。
 藤井さんは「何もないのが魅力」とおっしゃったが私は大反対。例えば美しい秋田弁を話す藤井さんがいるというのもひとつの魅力であり、田空博物館というのは景観だけでなく、そこで生活している人も対象のひとつ。そういう意味で農村には実に多岐にわたる財産があると思います。
 
まるおかかずなおしゃしん
丸岡一直 さん
 山の衰えは国の衰えという言葉があるように、水域の上流部に暮らす我々の生活の荒廃は水域全体に影響を及ぼすものです。この田園空間博物館整備事業の目指すところは、二ツ井町の目指しているところと共通点も多く、また流域の関係市町村と広域に連携して行うため、町としても本事業の導入は非常にスムーズにいったと認識しています。
 本事業を活用し、関係住民のワークショップを経て整備したコア施設を核としながら、事業以前より整備をすすめてきた町の組織や施設、制度や農村の持つ文化などを積極的に関わらせながら、事業完了後も利活用のために住民主体の運営協議会などを立ち上げて、この趣旨にのっとって活動を続けていきたいと考えてます。 
ししどとよかずさんしゃしん ぱねるでぃすかっしょんじょうきょうしゃしん
コーディネーター役の宍戸豊和さんにより、パネルディスカッションはスムースに進行しました。

かいじょうふうけい いけんこうかんかいふうけい
 今回のシンポジウムには、北は北海道、南は沖縄まで、全国各地から関係者が集まりました。またパネルディスカッションに引き続いて行われた意見交換では、田空事業をきっかけにNPO法人を立ち上げて活躍されている方や、田空事業実施県の担当者など、会場の参加者からも地元での活動についての意見や質問が活発に出されました。
 
  この全国田園空間博物館シンポジウムは、東京・富山に続き3回目の開催でしたが、今回は秋田県の地域の特色を生かすため、県や関係市町村、水土里ネット秋田が主体となり、工夫を凝らした手作りのシンポジウムとして企画・運営をしました。
 会場入口ではなまはげとこまちむすめが出迎え、「あきたこまち」・「白神の水」を振る舞ったほか、会場への乱入・登場もあり、全国各地からきた参加者から大きな拍手で迎え入れられました。
なまはげこまちむすめしゃしん1 なまはげこまちむすめしゃしん2

 また、会場入口のロビーでは、県内の田園空間博物館整備事業実施中の各地区の市町村が、それぞれに工夫を凝らした展示を行ったほか、県の技術スタッフによりLAN回線がひかれ、インターネットに接続したパソコン3台で、県農林水産部農山村振興課・農地整備課HP「美しき水の郷あきた」や各市町村HPにより、各地区や県内の見所に直接アクセスできるようにしました。
ろびーふうけい
ロビーの展示を見学する参加者の方々
しらかみごうちくてんじ
白神郷地区の展示

かめだはんちくてんじ
亀田藩地区の展示
ちょうかいさんろくちくてんじ
鳥海山麓地区の展示



現地検討会
  2日目はA:白神郷地区コース、B:亀田藩・鳥海山麓地区コースの2コースに別れて、秋田県内で実施中の田園空間博物館整備事業地区について現地検討会を実施し、地域住民によって守られ伝え続けられている伝統芸能や、世界遺産白神山地や霊峰鳥海山などの自然環境、そして先人の苦労や工夫・知恵により造られ守られてきている田んぼや水路などの田園環境・・・秋田だからこそ、秋田の○○だからこそ、という地域それぞれの特長を生かしながら実施されている事業地区を、全国からの参加者の方々に見ていただきました。 
A:白神郷地区
  ・・・72名参加

<主な視察先>
・ブナの森ふれあい伝承館(二ツ井町)
 〜富根報徳番楽の観賞ほか
・世界遺産センター(藤里町)
・我瓏(がろう)の滝(藤里町)
・きみまち阪観光センター(二ツ井町)
・市川堰(二ツ井町)
白神郷地区 紹介
ブナの森ふれあい伝承館
ブナの森ふれあい伝承館
富根報徳番楽
富根報徳番楽の観賞
ブナの森ふれあい伝承公園
ブナの森ふれあい伝承公園
白神山地世界遺産センター1
白神山地世界遺産センター
白神山地世界遺産センター2
センターで環境省職員の説明を受ける参加者
いちかわぜき
市川堰
がろうのたき
我瓏の滝

B:亀田藩・鳥海山麓地区
  ・・・参加者72名

<主な視察先>
・天鷺ワイン城(岩城町)
・岩谷の地蔵様<折渡千体地蔵>(大内町)
・石積水路(矢島町)
・歴史交流館道益苑(矢島町)
 〜猿倉人形芝居観賞ほか
・大谷地池(由利町)
・小滝温水路(象潟町)
亀田藩地区の 紹介はコチラ 鳥海山麓地区の 紹介はコチラ
あまさぎわいんじょう
天鷺ワイン城
いわやのじぞう
岩谷の地蔵様(千体地蔵)
やしままちのいしづみすいろ
矢島町で復元した石積水路
げんちけんがくのふうけい
矢島町長から説明を聞く参加者の方々
れきしこうりゅうかんのなかにわかれさんすい
歴史交流館道益庵
さるくらにんぎょう1
無形文化財の猿倉人形芝居を観賞
さるくらにんぎょう2
ゆかいな顔と複雑な動きで観客を沸かせます
こたきおんすいろ
上郷温水路群のひとつ小滝温水路
いねをほすほんにょ
塩害に耐え「ほんにょ」で乾燥中のお米


美しき水の郷あきた

美の国あきたネット

こまちチャンネル

編集:秋田県農林水産部農山村振興課定住環境整備班

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