平成17年度 秋田県中山間ふるさと水と土保全対策委員会
土地改良施設の多面的機能の維持と中山間地域の活性化をめざして!
 平成17年5月25日、秋田県中山間ふるさと水と土保全対策委員会を県庁第二庁舎で開催しました。
 この委員会は、秋田県中山間地域土地改良施設等保全対策事業(基金)により、秋田県の中山間地域における水路、ため池、その他土地改良施設及び農地の有する多面的機能の良好な発揮の増進と、土地改良施設及び農地の利活用を通じた地域住民活動の強化対策を講ずることを目的とする保全対策を効果的に推進するために設置しているものです。
旧阿仁町戸鳥内地区の棚田現地見学会写真
2004秋田県中山間ふるさと水と土フォーラム現地見学会より
(平成16年9月 阿仁町(現北秋田市阿仁)戸鳥内地区)
 
     
秋田県中山間地域土地改良施設等保全対策事業(基金)とは??
目 的  中山間地域の活性化を図るため、土地改良施設及び農地の有する多面的機能の良好な発揮並びに地域住民活動の活性化に関する事業に充てる資金として基金を設置する。【秋田県中山間地域土地改良施設等保全基金条例】
事業のめざすもの
  • 土地改良施設や農地の多面的機能の維持
  • 集落共同活動の促進
  • 地域コミュニティの発展
  • 中山間地域農業・農村の活性化 など
生産基盤
の維持
生活基盤
の整備
国土の
保全
文化伝統
の保全
地域連帯感
の醸成
都市と農村との
共生・対流
美しい景観
保全・形成
赤:ハード的整備 黄:環境景観文化 青:都市農村交流

委員会写真1 委員会写真2
 委員は全部で9名(うち女性3・男性6)。女性農業士、JAあきた女性協フレッシュ協議会、男女共同参画社会づくり組織、土地改良区理事長、秋田県土地改良事業団体連合会専務理事など様々な分野で活躍する方々から広い視野の意見を求めることとしており、これに農林水産部長をはじめとする農林水産部職員が加わります。

委員会全景
県庁第二庁舎会議室
男鹿市の大堤委員
大堤委員(男鹿市)
秋田市の佐々木委員佐々木委員(秋田市) 仁賀保町の佐藤委員
佐藤委員(仁賀保町)
羽後町の佐藤委員
佐藤委員(羽後町)
秋田市の佐藤委員
佐藤委員(秋田市)
黒子副委員長
黒子副委員長(農林水産部参事)
農山村振興課の佐藤委員
佐藤委員(農山村振興課長・左)

 委員会ではこれまでの基金造成運用状況、事業実施状況、平成16年度事業実施報告、平成17年度事業実施計画について説明し、これらの内容に対する各委員からの貴重な意見をとりまとめて、今後の事業推進に反映させていくことにしています。
 当日は、パワーポイントによる説明を交えながら、視覚的に本事業の果たす役割や実績、また今年度の活動予定等について、活発な意見交換をいただきました。

1.経過報告
 中山間を中心とした農村地域では、過疎化・高齢化、担い手への作業集中等により、集落機能の弱体化、維持管理水準の低下を招き、地域農業の維持のみならず、国土・環境保全に大きな支障をきたしています。
 秋田県中山間地域土地改良施設等保全対策事業は、これら諸問題への対策として、国のふるさと水と土基金と棚田基金を活用して平成5年より実施しているものです。

(事業の構成とイメージ)
事業の構成イメージ

(県内市町村基金の状況)
市町村基金の状況

(これまでの活動実績)
○推進事業 ○調査研究事業 ○研修事業
啓発普及のための資料作成やイベント開催など 多面的機能の保全に関する調査研究 地域住民活動を推進する人材育成
・活動事例集・パンフレット作成
・清水マップ・水の郷リーフレット作成
・情報誌「新・田舎人」配布
・美しい村づくり写真コンクール(後援)
・指導員活動への助成
・フォーラム・現地見学会開催

美しき水の郷仙北平野のマップ
・三浦堰(大館市)
・八塩(東由利町)
・大佐沢(西仙北町)
・渡部(若美町)
・ホタル水路(東成瀬村)
・琵琶沼(平鹿町)
・鹿角(鹿角市)
・湧水(六郷)
・じゅんさい沼(山本町)

・大湯健康院(鹿角市)
・下浜健康院(秋田市)
調査研究の例
・ふるさと水と土全国研修会
・棚田サミット

→先進情報収集や指導員の育成など








全国研修会

H15までの活動 →時代の変化→ H16からの新たな活動
基金の運用益により事業を展開 市中金利低下

運用益減少

事業の縮小
条例改正により平成16年度より基金一部とりくずしによる事業費の確保
・中山間地域への理解を育むためのフォーラム等の開催
・地域の独自性を活かした地域おこし
・地域資源を活かした交流モデルの実証
・指導員の育成・増員

2.H16年度活動実績報告
 基金を取り崩して事業費に充てた初年度ということもあり、本事業の認知度を深め、また中山間地域への興味・理解の向上を図るための啓発普及事業を中心として実施しました。
 また、今後の可能性を探る調査研究事業の実施、地域振興局提案型事業の実施、事業を県民へ広めて地域活動のリーダーを担う、ふるさと水と土指導員の増員とレベルアップにも取り組みました。
○啓発普及活動の充実
ふるさと水と土フォーラム(9月)
ふるさと水と土現地見学会(9月)
田園空間博物館シンポジウム(10月)
中山間地域活性化フォーラム(12月)
理解を育むためのフォーラム等の開催
・事業普及と保全活動への意識向上。
・現地における事業普及と都市農村交流。
・全国への発信と受信により人々の交流を図る。
・中山間直接支払の成果をアピールし、共に中山間の活性化を支援。
○都市農村交流による活性化
地域資源を活かした交流モデルの実証
・交流拠点づくりの事例集の作成
交流をきっかけにした地域資源・人材発掘と育成
・中山間など農村資源を癒しプログラムとした都市農村交流。
・中山間に人を呼び込む農家民宿等の新規開業拡大をねらう。
○提案による活性化支援策の活用
・地域提案型事業の実施
独自性を活かした農村の地域おこし
・雄勝地域振興局等によるリーフレットの作成。
○その他
・情報誌の配布
美しい村づくりコンクール後援
・指導員の増員
・指導員助成・委員会開催等
既存事業の事業継続・拡充など
・部数を増刷し配布先を拡大。
・中山間をはじめとする農村の美しさのアピールに貢献
・4名→7名へ増員(H16年度で3名増員)。
・指導員の活動に対し助成。今後は育成・増員も検討。

平成16年度のフォーラム 平成16年度の現地見学会
マイカボックスの演奏
ふるさと水と土フォーラム(秋田)
根子での現地説明
ふるさと水と土現地見学会(阿仁)
大湯温泉病院での健康チェック そば打ち体験 なべ
中山間地域の資源を生かした交流モデルの実証試験(鹿角)

3.H17年度活動実施計画
 都市住民等への効果的な啓発普及のために、フォーラムを関連する他事業と共催し相乗効果をねらったり、実際に現地を訪れて地域住民と交流・協働できる機会を増やすことで、本事業の県民への浸透を図るほか、地域活動のリーダーとなるふるさと水と土指導員の育成にいっそう力を入れ、各管内1名以上の設置を目指します。

○啓発普及活動の充実
・ふるさと水と土フォーラム(9月)
・ふるさと水と土現地見学会(9月)
理解を育むためのフォーラム等の開催
・事業普及と保全活動意識の向上(農林水産・地球人Fと共催)
・現地における事業普及と都市農村交流。。
○都市農村交流による活性化
・地域資源を活かした交流モデルの実証
・ワークショップによる実践的取組
交流をきっかけにした地域資源・人材発掘と育成
・中山間など農村資源を癒しプログラムとした都市農村交流。
・農家と地域・都市住民が協働できる取組の検討と実践。
○提案による活性化支援策の活用
・地域提案型事業の実施
独自性を活かした農村の地域おこし
・振興局提案によるリーフレット作成・イベント開催等
○ふるさと水と土指導員の育成
・全国研修会への参加支援
・養成セミナーの実施
・情報交換会の実施
・指導員の増員と活動支援
地域活動のリーダーとなる指導員の育成
・スキルアップのために全国研修への参加を促す。
・AIUと共催し、地域コーディネートもできる人材養成セミナー実施。
・指導員同士の活動報告と情報交換会の開催。
・各研修等を通じ育成した人材を指導員として認定し、活動を支援。
○その他
・情報誌の配布
・賦存量調査
・美しい村づくりコンクール後援
・委員会開催等
既存事業の事業継続・拡充など
・部数を増刷し配布先を見直し拡大。
・中山間の現状とニーズ把握のための調査の実施。
・中山間をはじめとする農村の美しさのアピールに貢献。
・指導員の活動に対し助成。今後は育成・増員も検討。

<主な意見等(要旨)>
○鳥海山麓付近は、用水の確保が容易でない上、例えばほ場整備の気運が高まっても、米価が下がり、条件不利地では事業を実施する余裕がないのが現実。このような保全対策に取り組める地域はある意味うらやましい。
○内容は立派であり、よく検討されている。あとは、どのようにこの内容を広めていくかが課題。どうやって仲間に入ってもらうかというのは水土里ネットでも常に感ずるところ。そういう意味で、共通の目的をもつフォーラム等を共催することは、お互い他ジャンルの人が集まることができる機会でもありいいことだと思う。また指導員を増やす方向性も事業を知ってもらうためにも大事なこと。
○昨年度のフォーラムや現地見学会に参加して、体験することはつくづく大事なことなんだなと改めて実感した。フォーラムで棚田を持ち主の話を聞いてもなかなか具体的にイメージが湧かなかったものが、現地で改めてその方の話を聞いた時の感動は半年たった今でも蘇る。人それぞれだとは思うが、先に現地見学をしてからフォーラム等で意見交換会をするというのもひとつの手では?
○我が家ではわざと土日に田仕事をやって子や孫にも農作業を体験させています。小さい子どもというのは本当に楽しそうに作業をするので、体験すると言うことは本当に大事だと思います。
○メダカがいなくなったと、あるいはメダカを知らない子どもが増えているとラジオで言ってました。うちの周りには沢山いるのでピンと来なかったのですが、試しに子どもに聞いてみたら「知らない」と。まさかと思い夫に聞いたら「知らない」と・・。目の前にいるのに気づかない人も増えてると思います。あと、こういう体験は子どものうちからさせないと、高校生くらいになっても言うこと聞かないと思います。
○以前、改良区では町と協力して、子供達と水路に魚を放流していました。でも、水門を勝手にとめて落差工の深みにいる魚を捕る子ども達が増えたので、安全を考えやめてしまいました。また、鳥海山麓付近では、ほ場整備をやって水路を装工したらドジョウがいなくなったと理事が言っていた。
○イベントとかは決まった人しか参加しないと言うことがよくある。そこで全く関係のない組織と協力するというのもひとつの手だと思う。例えば、仁井田堰土地改良区で昨年度実施したウォーキングなどは、ウォーキング協会と協力したおかげで、一般のサラリーマンとかを退職した方が多く参加した。結果的にそういう人達に、土地改良施設のことを知って貰えればそれはひとつの成果だと思う。
○うちは農作業を子どもや孫にやらせる時、お小遣いをあげたりしている。喜んでやりますよ。
○でもそれは平場で兼業で現金収入のあるところならできるけれど、中山間で高齢化していて現金収入のないところでは実際難しいですよね。
○新聞に秋田市の市民農園を有料化したとたんに借り手が減ったという記事が載っていた。ヨーロッパでは農園を持つというのがひとつのステイタスになっているところもあるのに。でも、確かに技術もなくうまく作れるかもわからないところにお金を出してまで・・という気持ちもわからないでもない。ですから、リタイアした農業技術をもった高齢者が、技術指導というか、要は技術料をとってもいいのではないかと思う。
○たとえば工業製品も、ベルトコンベアの前に座っている人は必ずしも技術を持っている訳ではなく、技術屋は別にいる。農業も同じように、技術を持った農家が全部自分でやるのではなく、その技術というか能力を使って、これから大量発生する団塊世代のリタイア組の中で農業をやってみたいという都市住民に指導して、それを指導料としてもらうのは確かにひとつの手だと思う。
○そういう意味では、車社会の世の中なのだから、なにも都市近郊でなく、思い切って中山間でそういうことをやった方が、いいのかもしれない。

 委員会は1時間半にわたり、活発に意見が交わされました。これら意見を今後の事業推進に反映させて、今後の活動に取り組んでいきます。


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編集:秋田県農林水産部農山村振興課定住環境整備班

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