十文字町佐藤 正さん
秋田さきがけ 2001.6.20
「村の生活誌」は、全国土地改良事業団体連合会が発行している「新しい村づくり」1991年第61号から2001年100号まで、40回分の連載をまとめたもの。
表紙には、「自然・食・農の民俗・・・山里に暮らす゛生き方゛。農村に生きる喜びと誇りをとりもどすために伝統文化を見直し、農の知恵と゛生き方゛に学ぶ。」と記されている。
「村の文化誌」は、同じく「新しい村づくり」1981年第19号から1991年第60号まで、38回分の連載をまとめたもの。
表紙には「農の知恵と道具に学ぶ・・・自然とつきあう知恵。失われつつある村の゛暮らしと文化゛を再考し、その実践のなかから掘り起こす先人たちの知恵と文化」と記されている。
 佐藤正さんが「農村文化」として連載していた「新しい村づくり 農村総合整備」(全国土地改良事業団体連合会)の情報誌。第98号では「足半(あしなか)」。40年ほど前までは、農作業や漁労、山野のあらゆる作業に使われた履物・足半について詳細に記述している。
 「かつての足半は、農民の、歴史を拓くスパイクであった。・・・農民の命を守る゛魔除け゛であった。」

 十文字町議で元中学校教諭の佐藤正さん(71)=同町睦合字中谷地三二五ノ五=が「村の生活誌」を発刊した。かつての農村の文化と生活を紹介するとともに、その知恵と工夫を現代に生かしてほしい、との願いを込めて執筆したという。

 「箕(み)」「鎌(かま)」「ドブロク」「野鍛冶(のかじ)」「学校農園」などのテーマで、農村に育った自身の経験や思い出を軸に、筆を進めている。

 「箕」では「収穫の最後の役割を果たしてきた大切な道具だった」「箕売りの声はほかの物売りとは違って、豊作の前触れのように聞こえた」−とし、その機能と素材、作り方も詳しく書いている。「現代の農業機械には、箕など昔の道具の機能が、巧みに取り入れられている」とも。

 互いに農作業を手伝ったりする「結(ゆい)」を、かつては農民の命のきずなだった、と表現。それが小旅行の仲間たちとして続いていたり、青年たちによる花き栽培グループに形を変えている事例を紹介している。

 全国土地改良事業団体連合会の季刊誌「新しい村づくり」に1991年から十年間書いたものをまとめた。「土、水、太陽とともに生きる農業の素晴らしさを見直したり、農業への魅力を感じるきっかけになればうれしい」と佐藤さんは話している。

 佐藤さんは現在、農業の傍ら著述の毎日を送る。県民俗学会理事でもあり「村の文化誌」(1992年・無明舎出版)などの著書がある。

「村の生活誌」は無明舎出版刊。B6判、二百八十四ページ。千八百円。
お問い合わせは無明舎出版 電話018-832-5680 fax018-832-5137