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わが街自慢 手這坂(峰浜村)
企画開発課課長補佐 嶋津 宣美/秋田さきがけ 2001.11.9 

 「ここに誰れ世々さく桃にかくろひておくゆかしげに栖(すめ)るひと村」―。江戸後期の紀行家・菅江真澄(1754〜1829年)は1807(文化四)年、峰浜村水沢の手這(てはい)坂を訪れ、この歌を詠んだ。

 手這坂は水沢川の上流部、水沢ダム手前にある村道沿いの集落。かやぶき民家が四軒並び、昔ながらの山村風景をとどめている。集落は山と清流に囲まれ、夏はホタルが飛び交う。真澄が訪れた当時は桃が咲き誇り、真澄が「桃源郷」と評したほど美しかったようだ。しかし、交通の便の悪さや高齢化が進んだことにより、住人が徐々に減り、昨年春からは無人になってしまった。訪れた人の心をいやしてくれる原風景を後世に残したいと、村は保存を兼ねた活用策を模索。村民にも同様の気運が高まり、ことし八月に民家の所有者やかやぶき職人など十一人が「手這坂活用研究会」を立ち上げた。

 研究会の最終目標は、真澄が見た「桃源郷」の再生。九月下句に開いたかやぶき屋根の修復講習会には県立大生など五十二人が参加し、かやの一部を交換した。これで、荒廃が進んでいた民家一軒の雨漏りを食い止めることができた。今月三日には第二弾として、桃の苗木約二十本を植樹。プルーベリーなどの果樹も植え、麦もまいた。

 さらに今月十八日には、第三弾の活動を予定している。来年の屋根の修復活動に向け、村内でかやの刈り取りを行う。活動にはだれでも参加できる。昼食と軍手、かまを用意し、午前九時までに手這坂に集合する。

 研究会が心掛けているのは、参加者が楽しんで作業するということ。住民の知恵を借りて手づくりで村づくりを進めれば、大きな充実感と愛着心がわいてくるに違いない。来年は、今年まいた麦を原料に白神こだま酵母パンを焼くことにしている。もちろんパンに付けるジャムは、植栽したブルーベリーを収穫して作りたい。田植えも計画.している。

 手這坂は、かやぶき技術や民家の建築構造など伝統的な文化を学ぶにはうってつけの場所。村は、山村体験の拠点として、研究会の活動を支援していきたい。関心のある方は同研究会事務局(村企画開発課内)電話0185・76・2111まで。

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