ワラは稲の副産物で、昔から農家の生活や農作業に深いかかわりを持っていた。日本人の生活をはじめ歴史と文化を語り残すために、貴重な文化遺産でもある。
 冬の農閑期には、ワラ細工に精を出し、家の中の仕事が一段落したころ、各自が自分の田んぼに堆肥を運んだ。堆肥の原料は、ワラや雑草、野菜のクズなどで、家の後ろの一角に積み、時々水をかけ、切り返して早く腐るように管理する。
 堆肥は、雪が固まる1月から2月にかけて馬ソリで運んだ。堆肥を積んだ馬ソリが、一面に白い田んぼを何回となく往復する。馬ソリが抜かって通れない田んぼでは、途中でツメソリや人の背に移し換えて運んだという。堆肥は、田んぼの地力を高め、米の収量を多くとるために大切な肥料であった。

ヨコヅチ…ワラを使って縄やゾウリを作る場合は、ヨコヅチでワラを叩いて柔らかくする。ワラ細工は、全てワラ打ち作業から始まる。 ヨコヅチとワラ打ち台…ワラ細工は多種多様、飾り、縄類、草履やワラジなどはき物類、ミノ、ケラなど着用物類、ムシロ、ゴザなどの生活用品、米俵、カマス、モッコなどの生産用品など、先人たちの知恵が凝集されている。
貴重だった稲ワラ…ワラ細工には、農具のほか数多くの工程があった「男たちは黙々と働いた」より。俵、炭俵、ケラ、アシナカ、ワラケボウキ、ママエヅメ。 ワラ細工2…フミダワラ、サンペ、ワラグツ、馬ぐつ、ハバキ、雪囲い、ミノボッチ、ワラジ、キダラ。
米俵競技会開かれる、昭和30年前半、仙北郡内。ワラは稲の副産物で、昔から農家の生活や農作業に深いかかわりを持っていた。ワラ細工は農村の生活、歴史、文化を物語る貴重な文化遺産である。 堆肥運び…馬ソリをはじめ、ツメゾリ、背負いモッコなどで運ぶ。昭和24年ころの秋田県内の堆肥運びの状況を描いた版画。「勝平得之創作木版画」
堆肥を運搬したソリ。雪の固まる1月から2月は、堆肥運びにもってこいの季節。秋田市上新城愛郷館蔵。 堆肥の山々…田んぼに運び込まれた堆肥、雨水などで堆肥の中の養分が逃げないように、ワラで作ったノマをかける。