平成14年9月7日(土)、横手市の農業用ため池「田久保沼」で市内の土地改良区連絡協議会が主催し、農業・農村の役割や土地改良区の役割について学習会が開かれ、あいにくの雨にもかかわらず市内の小学生や親子連れを含む300人が参加した。

※「21世紀土地改良区創造運動」とは: 土地改良施設の管理、地域資源(農業用水、農地など)の維持保全といった役割を着実に果たしていくため、地域住民、市町村などとの連携を通じ、新たな土地改良区を創造していくための運動
 
 農業や農業用施設の様々な役割について説明する土地改良区職員。また、その農業や施設を管理をしている土地改良区の役割についても説明を行った。
 説明を受ける親子。普段意識して見ることのない農業用施設について認識を新たにしている様子。田んぼもおいしいお米を作るだけでなく、洪水防止や水資源の涵養に役立っているのだ。
 「土地改良区がある事を知らなかったし、水路やため池を誰が管理しているなんて思ってもみなかった。」と話す小学生も。普段接する機会のない土地改良区職員の話に「このため池もたくさんの働きをしていることがわかった。」と感心する様子も見られた。
 今回学習会の場として選ばれた「田久保沼」はおよそ300年前に築造され、古くから飲料水をはじめとする生活用水源として、また農業用水源として用水を地域に提供してきた。しかし昭和後期には老朽化による堤体からの漏水や取水機能の低下が著しくなったため、平成5年から平成10年にかけて「水環境整備事業 横手地区」により改修され、今の姿となった。
 周辺には横手市の観光拠点である「秋田ふるさと村」や温泉宿泊施設「ホールサムイン横手」が隣接しており、豊かで潤いのある水辺空間となっている。
 普段何気なく目にしているこの田久保沼も、田んぼの用水源として、また大雨の時の洪水防止のための貯水池として、また憩いの場として豊かな自然風景を与えてくれたり、その恩恵は図りしれない。


 学習会の後、農業用施設である農業用ため池の管理を実際に体験してもらおうとブラックバスの駆除を行った。当日はあいにくの雨模様の中、漁業組合の方々に協力していただきながら、多くの親子連れから沼を管理する土地改良区、市の職員、県の職員、総勢300人が力を合わせて頑張りました。
 田久保沼は10日前から水を抜いていたにも関わらず当日の雨もあり、小学生たちは泥に足を取られながらも一生懸命網を引いていた。
 網に掛かった魚の群に入りブラックバスを探す。大人も子供もみんな体中を泥だらけにして、顔に泥が跳ねても歓声をあげながら慣れない手つきながらも魚を捕まえていく。この日はブラックバスの他にもナマズやフナなどの在来種も網に掛かったが、ブラックバス以外は全て沼に戻した。
 「大きい!口も大きい!」両手に余るほど大きなバスを捕まえた小学生。口を広げてみたり歯に触ってみたり、初めて手にしたバスに興味津々。この日は生後3〜4年経った20cm強のバス200匹と今年生まれた稚魚が150匹が捕獲された。
 「見て!大きいでしょ!!」大物のナマズを手に笑顔を見せる小学生。土地改良区を始め、農家の方々がため池を管理しているからこそ、豊かな自然は守られている。管理する人がいなくなってしまうとため池は荒れて干上がってしまう。

 田久保沼は昨年秋にもブラックバスの駆除を行っており、昨年より魚体数は減っているという。駆除の効果は確実にあがっている。この横手市では大小たくさんの農業用ため池があるが、ほとんどの沼でブラックバスが確認されている。あるため池では駆除してみたところ、ブラックバスしか捕獲できず在来魚が確認できなかったという事もあった。
 この体験を通して子供たちに、なぜブラックバスが駆除されなければならないのか、また多様な自然環境を提供してくれる農業について学んでもらい、かけがえのない地域環境を守っていくことを理解してもらえればと思う。

取材・編集:平鹿総合農林事務所 土地改良課