平成15年度秋田県農村振興技術研修会
2004.2.5(木)  秋田県第2庁舎(秋田市) 
中島賢二郎氏「性能設計を考える」
↑講演 (財)日本農業土木総合研究所 中島賢二郎専門研究員「性能設計を考える」

 県から水土里ネット及び県、地域振興局の事業担当者など、約200名が参加し、平成15年度 秋田県農村振興技術研修会が開催されました。講師に農林水産省河津室長・(財)日本農業土木総合研究所中島専門研究員をお迎えし、農業農村整備の推進方向や設計の国際化など、ご講演いただきました。この研修会は、農村の振興推進に寄与する技術者の技術向上を目的に定期的に行われています。


●研修成果報告●

(財)全国建設研修センター主催の各種研修に参加した事業担当者からの成果報告
          
「品質管理」 
研修成果報告「品質管理」 研修成果報告「品質管理」
鈴木主査 
由利地域振興局 農林部 農村整備課
石井主査
北秋田地域振興局 農林部 農村整備課

『税金を使って実施される公共工事の真の発注者は国民。国民の立場から、発注者・設計者・施工者とも、品質確保への意識向上が必要。発注者は公平さを確保しつつ、良質なモノを低廉な価格でタイムリーに調達する発注者責任を負う。公共工事の品質を高めるには、計画段階からPDCAサイクルを廻し、常に、現状の把握や分析を怠らない姿勢が大切である。』と報告された。


「機械設備設計積算」
研修成果報告「機械設備設計積算」  研修成果報告「機械設備設計積算」
船木技師
由利地域振興局 農林部 農村整備課
佐藤技師
北秋田地域振興局 農林部 農村整備課
両氏からは、ゲート、ポンプといった機械設備について、それぞれ設計手法から積算方法まで報告された。今後、この成果が現場に反映されることが期待されます。

●講 演 会●

河津氏「新たな土地改良長期計画の策定」 中島氏「性能設計を考える」
「新たな土地改良長期計画の策定」
農林水産省農村振興局計画部
土地改良企画課 河津計画調整室長
「性能設計を考える」
(財)日本農業土木総合研究所
中島専門研究員

●農業農村整備事業の取り組み内容を示す「新たな土地改良長期計画」が閣議決定された。

●事業実施の目標を、「事業量」から「成果」に転換。施策の必要性と役割について国民への説明責任を果たすため、どういった効果が期待されるか数値で示したアウトカム目標を設定。経営体への利用集積を図り経営規模の拡大を推進する。また、既に整備した用排水施設や農地などを長い期間有効活用できるよう、維持管理や更新にも力を入れる。

●今後の土地改良事業の施策は、「食料・農業・農村基本法」の基本理念を国民・消費者に対してサービスを提供する視点から見直し、次のようにしている。
@安全で安心できる食料の安定供給で国民の「いのち」を守る。
A農業用水や有機資源の「循環」を促進。
B人と自然、都市と農村の「共生」を実現。

●基本方針として、既存施設の有効活用のほか、地域の特性に応じた整備、事業の構想から維持・ 保全までの各段階に地域住民や市民団体が参加するとしている。

●WTOおよび関連する協定により、国際的な取り決めがされている。政府発注に当たり、仕様ではなく、性能で行うこと。また、規格は国際規格に対応させること。

●政府の方針は、「基準の内容が技術革新に対して柔軟に対応できるよう、仕様規定となっている基準を、原則、全て性能規定化するよう検討を行う」としている。

●これにより、仕様基準から性能基準への移行が必須となっている。

●仕様基準の特性として、過去の事例や経験を分析し、用いられた手段が正しければ同じ結果が得られる。このため、手段の拘束され新技術への対応が困難となっている。

●一方、性能基準は、達成目標を明確にし、要求性能を明記。要求性能を満たせば、手段は問わない。このため、新技術への対応が可能となり、高度な技術による自由な発想ができる。要求性能を満たしているか証明の検証は必要となる。

●今後は、その証明手法を早期に確立し、農業農村整備においても性能設計へ移行しなければならない。           
取材・編集
農林水産部 農地整備課