農業集落排水事業研修会

The Training Session of the Rural Community Sewerage Improvement Project
研修会風景その1
2004年2月9日 鹿角地域広域交流センターにて
      
 平成14年採択地区から、「農業集落排水事業」が「農業集落排水資源循環統合補助事業」と変更となり、資源循環促進計画策定が事業実施要件のひとつとなりました。

 現在、鹿角地域振興局管内では、平成15年度より農業集落排水資源循環統合補助事業「谷内・永田」地区が実施中ですが、整備の必要な地区がまだ相当数あるのが現状です。

 そこでこの度、農林部農村整備課では、合併浄化槽との連携整備によるコスト縮減等、集排を巡る新情報や、生活排水処理構想と農業集落排水事業計画を学ぶ「農業集落排水事業に係わる研修会」を開催しました。


 当日は鹿角市、小坂町の関係職員や地元集落関係者など40名の他、水土里ネット秋田(秋田県土地改良事業団体連合会)や講師の秋田県農林水産部農山村振興課等を含めて、総勢50名弱の参加がありました。
 なお、講師は農山村振興課定住環境整備班の2名が務めました。
講師の高谷正則氏
挨拶する定住環境整備班長 高谷正則
講師の松橋久光氏
講師の定住環境整備班主幹 松橋久光

研修会風景その4 研修会風景その3
内容を真剣に学ぶ地元や市町の方々。

研修会風景その5 研修会風景その6
 集排・合併浄化槽・公共下水道それぞれのメリットやデメリットに関しての意見や質問も。


以下は、当日の研修資料のダイジェスト版です。

生活排水処理施設の役割としくみ
  • 役割
    • 生活排水を処理してから河川に放流するため川や海の水がきれいになります
    • 汚いドブがなくなり蚊やハエの発生を防ぎ、清潔で住み良い環境をつくります
    • 清潔でさわやかな水洗トイレが利用でき、生活環境の改善を図ります
    • 処理水・汚泥・熱等の資源・エネルギーでリサイクル社会に貢献します
  • しくみ
    • 集合処理:農業集落排水・公共下水道など〜排水を管路で集め処理場で処理
    • 個別処理:合併処理浄化槽〜し尿と生活排水を併せて個別に処理

生活排水処理施設の種類





都市下水路 主として市街地内雨水排除。都市計画事業。



流域下水道 2市町村以上の区域の下水処理。県管理。




公共下水道
(広義)

市町村内の下水排除処理。
市町村管理。
公共下水道
(狭義)

主として市街地内下水排除処理。
都市計画事業。
単独公共下水道 市町村が独自処理
流域関連
公共下水道
県の流域下水道幹線へ接続
特定環境保全
公共下水道

主に農山漁村。計画人口1万人以下。
単独公共下水道 市町村が独自処理
流域関連
公共下水道
県の流域下水道幹線
または単独公共下水へ接続





農業集落排水施設 農振地域内で計画規模20戸以上概ね1千人以下



漁業集落排水施設 漁業集落で計画人口概ね100〜5千人
林業集落排水施設 林業振興地域で原則20戸以上。林業地域総合整備事業で実施
簡易排水施設 山村地域等で3戸以上20戸未満
小規模集合
排水処理施設
10戸以上20戸未満地方単独事業







尿



コミュニティ・プラント 集合住宅など計画人口101人以上3万人未満






合併処理浄化槽 個人が設置する際に市町村補助 個人設置




特定地域生活排水
処理施設
水道水源水質保全等を目的とする 市町村設置
個別廃水処理施設 集合処理区域の周辺地域等で実施


農業集落排水事業の概要
  • 目的:農業集落における汚水・雨水処理施設の整備により水質保全や生活環境改善に寄与
  • 整備対象:農業振興地域内及びこれと一体的に整備することを相当とする地域内の農業集落
  • 対象地域:し尿・生活雑排水・雨水など(工場排水は対象外)
  • 対象人口:原則概ね1千人程度に相当する規模以下。所用の協議により1千人を超える事も可
  • 補助対象:受益戸数20戸以上排水路末端2戸以上
  • 事業主体:市町村・都道府県など
  • 処理方式:分流式(汚水と雨水を別々に集水処理)
  • 処理水質:原則BOD20mg/l、SS50mg/l以下。但し県条例等の上乗せ基準がある場合はこれを遵守

農業集落排水事業のメリット
  • 公共下水道に較べ規模が小さいので短期間で整備完了
  • 個人整備の浄化槽に較べ、地域一体で着実に水環境の改善
  • 合併処理浄化槽に較べ維持管理費がかからないので少ない負担で大きな効果
  • 市町村や地域住民の協力による適正な維持管理で安定した処理性能
  • 汚泥の農地還元で有機資源のリサイクルを推進

 「農業集落排水資源循環統合補助事業」の特徴
〜従来の農業集落排水事業はH14から農業集落排水資源循環統合補助事業へ〜
  • 集排バイオダストや処理水のリサイクル計画の策定が事業の実施要件に追加
  • バイオダストのコンポスト化を行う資源循環施設だけでの事業実施も可能
  • 集排整備に併せ、農業集落道、水洗化用水施設等を一体的に整備可能
  • 集排事業と合併浄化槽を一体的に整備する連携事業も創設
  • 1地区の中で複数処理区の設定が可能(20戸以上/地区、10戸以上/処理区)
  • 効率性透明性を図る観点から限度工期は6年で、これを超えるものは採択とならない
  • 補助体系の変更
    • 従来は15%の事業費補助
    • H14新規より下水道事業債の元利償還に充てるため事業費の10%を償還助成

現在の集排事業の採択状況や事業費の変遷など
  • H15新規採択地区は全国で218地区(一般123地区、機能強化95地区)
    • なお、全体の43%が機能強化であり、全国的に増加傾向にある。
  • 秋田県は一般地区4地区、資源循環施設単独整備1地区
  • H11をピークに戸当たり事業費、人当たり事業費ともに低下傾向である

コスト縮減への取り組み
  • 排水管の浅埋設化により掘削量の低減、矢板不要等が図られる。
  • 自然流下式だけでなく、圧送式や真空式による流送技術の積極的利用。
  • 従来は地下に設置していた汚水処理施設を半地下化、地上化。
    ※これらにより取り組み前のH11にくらべて約30%のコスト縮減を達成

農業集落排水施設と合併処理浄化槽との連携整備事業
  • H14より環境省・総務省・農林水産省が連携し、一体的な計画の下に整備する制度創設
  • 集合処理と個別処理の組み合わせにより、コスト縮減と安定した処理水質を確保
    • 実施例・・島根県M町→計画区域のうち比較的疎住な区域の家屋を合併処理浄化槽に切り換えることで、管路延長が短くなり当初計画に対し総事業費を22%縮減

バイオマスの利活用促進
〜農業集落排水事業の新たな取り組み〜
  • バイオマス資源:農集排で発生する汚泥など再生可能な生物由来の有機性資源(除く化石資源)。
  • バイオマスのメリット
    1. 地球温暖化防止:CO2排出源の化石資源由来のエネルギーや製品をバイオマスで代替
    2. 農林漁業・農山漁村の活性化:バイオマス生産・利活用の場として再活性化
    3. 循環型社会の形成:持続的に発展可能な社会への移行を促進
    4. 戦略的産業の育成:バイオマス関連産業を育成し、我が国の産業競争力を再構築
  • 「バイオマス・ニッポン」:H14.12閣議決定。バイオマス利活用のシナリオを示す。
  • 新技術:バイオマスの利活用(発酵・炭化・飼料化)と製品化(エネルギー・肥料・飼料・工業製品等)
  • 資源循環施設:集排汚泥+バイオマス資源を併せて処理し農地へ還元
  • バイオマス資源のコンポスト化と発電:堆肥・液肥の生産とメタンガス発電を一施設で実施


 鹿角地域振興局農林部農村整備課では、このような研修会を契機として、新たな手法や他省庁との連携事業等によるメリットを理解していただき、農村の生活環境の整備向上と、環境への負荷の低減を図る農業集落排水事業への積極的な取り組みへとつなげていくと同時に、コスト縮減を図り早期整備を推進していきたいと考えています。

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取材・編集:鹿角地域振興局農林部農村整備課計画指導班

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