富山和子がつくる

Rice calendar of Japan

 2001年「日本の米カレンダー」が今年も発売された。2000年11月23日付け読売新聞の編集手帳には次の様に記されている。

 ・・・手元に来年版「日本の米カレンダー」(サン制作)が届いた。評論家富山和子さんの企画で、「水田は文化と環境を守る」をテーマに、四季折々の農村風景の美しい写真に心がなごむ。

 11月は、田んぼで稲を干す奥飛騨の「はさかけ」の写真だ。こうして今、各地の農家は冬支度に入ることだろう。今年は三年ぶりの豊作だった。めでたいはずなのに、「コメ余り」の悲しい現実がある。

 稲作を巡る情勢は厳しい。なお減反が迫られ、農村景観も変わっていくだろうが、「文化と環境を守る」水田に感謝は忘れまい。



2001年「日本の米カレンダー」 水田は文化と環境を守る
 文化の日(2000年11月3日)に、毎日新聞「余禄」では、
 「日本の米カレンダー」について次のように述べている。

 ・・・鳥取県国府町の棚田夕景。日はすでに沈み、残光が棚田を青く照らしている。あぜ道の影がステンドグラスの枠のように見える。美しいだけではない。宗教的な雰囲気さえ感じさせる。冨山和子さんの2001年版「日本のこめカレンダー」5月の写真である。

 「日本の米カレンダー」もこれで12年目。あと何十年かかろうと撮り尽くせないだろう。それほど日本の農村の姿は多様だ。同じ棚田でも、国府町のような棚田もあれば、千葉県鴨川市の大山千枚田のように3ヘクタールに400枚の水田があり、美しい曲線を描くものもある(3月)

 6月は富山県礪波平野の散居村を見下ろした珍しい写真。手前は森林、その向こうに林を伴った屋敷が水田のあちこちに点在している。それをまるごと博物館にしようという国の「田園空間博物館事業」がはじまった。礪波平野の散居村は、その第1号だ。

 「農業は単なる食料の工場ではなく、環境や文化の担い手です。それなら風景全体を地域ぐるみ人ぐるみ、生きた博物館として守っていくことはできないか」。農水省の食料農業農村基本問題調査会で冨山さんがこう提案したのが発端だった。都会の子どもたちも、修学旅行で農村まるごと博物館を見学、研修できたらきっと楽しいだろう。

 「水と土の国土を守り、美しい日本語と技術を残せたら……」というのが冨山さんの願いだ。英語のカルチャーの原義は耕作で、転じて文化になった。農村の風景を守ることは、日本の文化を守ることでもある。きょうは文化の日。



富山和子さんプロフィール

評論家、立正大学教授、日本福祉大学客員教授

水、緑の問題をはじめ、国土の資源や環境問題を総合的な視点からとらえ、文化と環境を守るためには、農業、林業、漁業を大切にしなければならないことを一貫して訴え、鋭い提言を行ってきた。

著書 「日本の米」「水と緑と土」(中公新書)、「水の文化史」「水の旅」(文藝春秋)、「川は生きている」「森は生きている」「お米は生きている」(講談社・産経児童出版文化賞大賞)、「水と緑の国、日本」(講談社)など多数。



 (参考) 米カレンダーに掲載されている秋田県の写真は、鷹巣町の「秋田杉」
8月・・・秋田杉/秋田県鷹巣町/撮影:吉田則之

 8月の写真は、「秋田杉」が掲載されている。
 杉と日本人の古さを思い
 「日本の筏流しの最後も米代川で
 昭和39年11月のことだった」と懐かしむ。

 かつて東洋一と言われた二ツ井町天神貯木場に
 運び込まれた大量の杉材は、
 畳50枚もの大きな筏に組まれ、
 木都と呼ばれる能代に向けて
 ゆっくり米代川の川面を流れ下った。
 それは、かつて秋田杉で栄えた米代川流域の風物詩でもあった。
 
高さ58m「日本一の杉」(秋田県二ツ井町仁鮒水沢植物群落保護林) 筏流し。日本海へ向けて米代川を下る大筏。

 しかし、今は輸入外材に押され
 「自国の林業をつぶし、山の守りは
 山村の人たちの善意だけに頼っている」と憂えている。
 


2001年版日本の米カレンダー TV放送予定

TBS系衛星放送
・テレビ書評番組「本と出会う」 30分番組
 BSデジタル放送「BS-i」チャンネル
 CSデジタル放送「JNNニュースバード」チャンネル

【放映日時】
 12月23日(土)「ニュースバード」09:30 13:30 20:30
 12月24日(日)「BS-i」06:30
          「ニュースバード」09:30 13:30 20:30

N H K
・NHK教育 1月4日(木)「視点論点」22:45〜22:55
・ NHK総合 1月5日(金)16:05〜16:15(再放送)

 「21世紀」の冒頭の番組を、「水田は文化と環境を守る(日本の米カレンダー)」で飾ります。
 皆様、是非ご覧下さい。
 ご意見感想がありましたら下記までご連絡願います。

〒150−8001渋谷区神南2−2−1
        日本放送協会 解説委員室「視点論点」係
        TEL/03−3465−1111(代表)
        FAX/03−3465−4420

放 送 大 学
「日本文化と米」1月7日(日)13:15〜14:00
        1月27日(土)15:30〜16:15(再放送)



取扱店、問い合わせ・申し込み先、関連リンク

価格 1部1300円(内税)
取扱店 丸善、紀伊国屋書店
問い合わせ・申し込み先 (株)サン制作 電話03-3669-8376 FAX03-3669-8378
関連リンク http://www.ad-sun.com/