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田植えは、短時間で終えなければならなかったため、一日一杯働くつらい仕事だったが、田植え時の食事は、労働食というより、お祭りなどと同じ特別な日の晴れの料理である。 農家にとって田植えは、一年で最も忙しい作業である。かつては、本家を中心に何軒かの農家が協力し、地域の人々がお互いに労力を出し合う共同作業で、手植えによる田植えが一斉に行われた。
赤飯…春秋の神祭りやお盆、お祝いや慶事などがあると神に供え、人にも配った。田植え料理には、赤飯のおにぎりは、なくてはならないものであった。 きな粉飯…いろいろな行事や節句の餅、彼岸のだんし、笹巻きなど、ご飯や餅類には欠かせないきな粉をまぶした握り飯。田植え時に食べるホオの木の葉で包んだおにぎりの味は格別であった。
干したらの甘煮…材料は、干したら、砂糖、酒、醤油、ゆでたまこ゜ にじゃこんぶ…すきこんぶ、揚げ豆腐、にんじん、こぼう、醤油、砂糖
ゆで小豆 あさづけ…うるち米やもち米を粉にして煮たものに、季節の野菜や果物を彩りよく散らしたあさづけは、美しく風味豊かな食べ物である。あさづけは、働き疲れた田植え時のおやつにも大変喜ばれた。
ツブの酒味噌あえ…ツブはタニシの秋田方言で、淡水にすむ巻貝である。かつては、田んぼや沼などで普通に見られ、貴重なタンパク源だった。 ツブは、石で貝殻を叩いてつぶし、身を取り出す。
阿仁町で養殖されているツブ 切り干し大根の煮つけ…田植え時の煮つけ料理の一品。秋に収穫した大根は、冬の間に凍らないように土の中に貯蔵した。春先に残った大根は、切り干し大根に利用する。
切った大根を縄に吊るして乾燥させる。これを「たこ足」と呼んでいる。 め巻き…軟らかく幅の広いコンブで、身欠けニシンを一本のままグルグル巻きにすることから、一般に「め巻き」と呼ぶ。田植え時の代表的な料理である。
身欠けニシンとニラのもろみあえ…ニシンは春を告げる魚として珍重された。ハタハタと並んでニシンは、秋田の大衆魚で、生ニシンは焼いたり、煮たり、塩漬け、こぬか漬け、寿司などにして食べた。身欠けニシンも多量に買い置きした。 ニシンずし(タケノコ入り)…もち米を用いるのが一般的だが、うるち米を用いるとあっさりとしてまた別の美味しさがある。

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