食文化MENU

 ほうき草を加工した「とんぶり」は、別名「畑のキャビア」と呼ばれている。直径1〜2mmの小さな緑色の実は、魚の卵に似て、プリプリした歯触りは、まさに畑のキャビアの名にピッタリ。
 その栽培の歴史は古く、江戸時代の農業全書には、米代川一帯で作られていたと記されている。刈り取りは葉の黄色くなった熟したものから一本一本カマで刈り取る。コンバインで脱穀されたとんぶりの実は、1週間ほど天日で乾燥させる。よく乾燥したとんぶりの実は、翌年の春まで毎日加工され各地へ出荷される。
とんぶりの穂 何時間もかけて茹で上げ、水にさらしながら皮をとっていく手ぎわが、あのプチプチした歯ざわりと弾力を生み出す。
脱穀機を使って収穫。加工されたとんぶりは、東北・関東をはじめ、遠く九州や外国でも販売されている。「畑のキャビアと名付けてくれたから、外国でも売れるんだろう」と地元の人は言う。栽培で最も心配なのは、秋の収穫期の台風である。ほうき草は、花も実も小さいため、強い風が吹くとパラパラ落ちてしまうからである。
とんぶりは、特に長芋と相性が良く、右の写真のような料理が代表的な料理。どんな料理にも合う食材で、納豆や酢のもの、サラダなどに入れて食感を楽しむことができる。
キャビア風に料理された一品。 真空パックや瓶詰で出荷、1年を通して食べられるようになった。昭和40年代までは地元だけの食品だったが、現在は秋田の珍味として海外まで販路が拡大している。古くから漢方にも用いられている自然食品でもある。

 食文化MENU