The wood of the rope sentence/Sirakami mountains district 2

白神に早春を告げる花、黄色のフクジュソウ、バッケ(ふきのとう)。ブナの林床には、芽吹く前に、早春の光を浴びて、白のキクザキイチゲ、ニリンソウ、赤のカタクリ、淡紅色のイワウチワなど、見事なお花畑が深山を彩る。北国にとって待ちに待った春は、ドラマチックな自然の息吹が展開される。 遠くに岩木山(1,625m)、手前にまだ芽吹いていない白い裸木と赤石川源流部を埋め尽くす新緑の海。深い谷の渓谷では、雪代で沸き返り、クマやカモシカ、サルたちも萌え出た草木を求めて走り回る。
藤里町・小岳(1,042m)山頂付近から能代山本地域の最高峰・藤里駒ケ岳(1,157m)を望む。登山道や説明看板も整備され、実に歩きやすくなった。 ブナの林床に群生するイワウチワ。まだブナの芽吹きが始まる前に、春の光を一杯に浴びて咲き出す。大群落を形成し、落ち葉の林床をまるで桜の花を敷き詰めたように咲く。
朝靄に包まれた幽深なブナの森(二ツ森)は、狩猟採集時代の縄文の森に迷い込んできたかのような錯覚に襲われる。アンチ現代の旅、それがここでは手に入る。 白神山地の可憐なカタクリ。花の色の濃さに注目。カタクリは、種から花が咲くまで7年以上もかかる。それだけに、その姿は長年耐え抜いた美しさに満ちている。
急斜面の岩穴から、大量に湧き出す湧水の流れ。岩にびっしり生えた苔は、水量が安定していることを物語る。やっぱり、ブナは゛緑のダム゛だと、つくづく思う。 白神の源流に咲く希少種・トガクシショウマ。シラネアオイの群落に一際目立つ天然盆栽のような大きな株は、さすがに白神の妖精と呼ぶにふさわしい。
山の野菜、山菜。シドケ、アイコ、ミズ、ヤマワサビ、フキノトウ、アザミ、コゴミ、タラノメ、ホンナ、ウド、ギョウジャニンニク、ゼンマイ、ワラビ、タケノコなど、名前をあげたら切りがないほど種類も量も多い。昔から、春先に野菜が乏しい北国の人々にとっては、なくてはならない貴重な食料でもある。 川の最も上流で、冷たい水のきれいな清流に生息する天然イワナ。同じイワナでも、白神のイワナは魚影が濃いだけでなく、成長のスピードも早い。エサとなる川虫やブナの葉につくブナ虫など、エサも豊富だからである。天然イワナが生息するには、年間を通して水量も安定していることが絶対条件である。夏の渇水で水がなくなるような沢には生息しない。
流れる水が毒ではなく、きれいかどうかを判断するには、イワナのエサとなる川虫がいるかどうかで簡単に見分けられる。白神の渓流は、この川虫もすこぶる多いのが特徴である。
渓谷の両岸を彩るオオサクラソウの大群落。この花は、白神でも滅多に出会うことはないが、暗い沢一面に大群落を作る数少ない場面に出くわすと、その美わしさに時を忘れてしまうほどだ。 秋になると、黄葉したブナの森は風倒木や腐葉土に様々なキノコが顔を出す。どれもが自然の芸術品だ。世界最大級のブナ原生林は、山の幸も世界最大級と言えるだろう。
ミズジョウと同じく湿った沢筋に咲くリュウキンカ。花も葉も一際大きい花で、色は黄金色、漢字で「立金花」と書く。ミズバショウの群落に一緒に咲く場合も多く、ともにデカイ花だから、すぐに見つけることができる。 本物の自然が残る白神山地、八幡平、和賀山塊、森吉山など、美の国・秋田は、やっぱ「秋田花まるっ」。
白神山地が他の地域と大きく異なる点は、ブナの純度が圧倒的に高いことである。八幡平は、ブナとアオモリトドマツなどの混交林、和賀山塊は、ブナと秋田スギ、ヒバなどの混交林である。そんな中で白神山地のブナは際立っている。