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2002年2月
写真集「稲源郷」の表紙(釜蓋生活総合センター竣工式 昭和45年)   

仙南村では2002年2月、合併45周年を記念して写真集「稲源郷」を作成し、村内2,028全戸に配布した。
写真集はA4版で100ページに及んでおり、古くは明治時代のものから、四季を通じた農村の暮らし、街並み、農作業風景などの貴重な写真がぎっしり詰まっている。

写真集発刊を担当した村企画課では、「写真提供の呼びかけなど苦労も多かったが、写真集の作成作業を通し村民のきずながよりいっそう強くなったことを確信した」と語っている。

現在、仙南村では延べ1,000ha以上にも及ぶ水田で、大区画ほ場整備が行われている。
時代は、クワやモッコからブルドーザーやパワーショベルに変わったが、農村をよくしよう、農業を力強いものにしようという願いは、何十年、何百年経っても変わっていない。そんな思いがこの写真集から伝わってくる。

写真集発刊にあたって松田村長は、「村がよりよい地域として成長していくためには、まず村の過去に対する懐古と回顧が必要です。古き時代に心を潤しながら、冷静に底流にある汗と知恵、きずなを見つめ直す。そして将来に思いを馳せ、新たなことを学んでいく姿勢。温故知新です」と村民にメッセージを送っている。

元気に楽しそうに遊ぶ子供達の笑顔、「ゆい」による田植えのたばこ休みのほっとした笑顔、共同除雪作業の休憩時の主婦達の笑顔、ほんとうに心温まるいい笑顔が数多く写し出されている。
表紙をめくると「桃源郷」の副題として「ことっとぬくだまる」と記されている。何回見てもそんな気持ちにさせられる写真集である。

耕地整理法により整理されたほ場(明治39年頃)。
人力により整備された水路。現在、ここ、飯詰地区では1haの大区画にほ場整備されている。
機械が入れない場所での耕地整理は人力で行った。(昭和31年頃)
村の人達がスコップやクワを手に、田んぼの改良に汗を流す。
明治39年の耕地整理後の田んぼ。当時の施工依頼者は「地主」
明治時代とは思えない、整然と整備された田んぼ、水路、農道。この写真は、工事が完成したほ場を地主が視察している時の様子のようだ。
第一次農業構造改善事業による境田地区の耕地整理(昭和40年頃)
重労働の様子が伝わってくる。
区画整理後の暗渠排水工事。(昭和52年頃)
作業の主役は女性達。
耕地整理のための「もっこ担ぎ」(昭和31年頃)
重労働にもかかわらず、充実感あふれる笑顔が印象的である。
牛による代かき(昭和34年頃)と馬による耕起作業(昭和7年)
当時の牛馬は、農作業の軽減をはかる貴重な家畜であり、家族の一員でもあった。
人力による耕起、代かき。5人グループでの作業。
(昭和31年頃)
田ならしの後、田植型を付けやすくするため大足で堆肥を沈め整地した。(昭和7年頃)
「棒ひき」(昭和35年頃)
整地は木製の田ならし棒による手作業で行った。
12人並んだ田植え作業。(昭和32年頃)
当時は大半が、「ゆい」(労働力の貸し借り)において農作業が営まれていた。
田んぼの排水が悪く、腰までつかっての田植え作業
(昭和30年頃)
田植え共同作業のたばこ休み(昭和14年頃)
たばこ休みは重労働を癒す大切な時間であり、きずなが深まる貴重なひとときであった。
穂にお風景。(昭和45年頃)
刈り取った稲のにおいが伝わって来そうな風景である。
農協の倉庫から国鉄貨車への積み込み風景
(昭和30年頃)
かつぎ方にこつがあるのか、60kgの米俵も軽そうに見える
生家からの嫁ぐ風景(昭和36年頃)
近所や沿道の人達に祝福されながらの嫁入りであった。
農協での漬け物講習会の様子。冬期の保存食である漬け物のおいしい作り方を学ぼうとする主婦達の真剣なまなざしと超満員の会場が印象的である。(昭和53年)
飯詰駅前で客を待つ馬そり「トトピー」(昭和34年頃)
冬期間の貴重な交通手段として、隣町の六郷町や大曲市角間川まで走った。
金沢西根尋常高等小学校1年生(昭和8年頃)
雪が消え乾いた道路で縄跳び遊びをする女の子
(昭和31年頃)
親も子もお互いに姿の見えるところで農作業をした。(昭和45年頃)
(上)昭和14年頃の子供達
(下)昭和31年の子供達
どちらの写真もカメラを前に緊張した表情が愛らしい
ザッコ捕り風景。(昭和31年頃)
少年達が数人集まり夕方になると、もち網でザッコ(小魚)捕りをした。
ドカ雪の中を進む除雪車。(昭和36年)

雪の流れが風雪の強さを物語る。
軒下と道路が雪でつながっている。
(昭和36年)
上の2枚は、昭和36年頃と平成13年の同じ場所の写真。
40年前には土ぼこりをあげていた砂利道もアスファルト舗装に変わり、身近な交通手段の主役は自転車から自動車に変化している。
上:菜の花畑での少年達の笑顔(昭和15年頃)
下:国鉄後三年駅構内の除雪作業中の主婦達の笑顔
  (昭和40年頃)
2枚とも、見ているほうもうれしくなるような、ほんとうにいい表情である。












本写真集の最後には、幼稚園児数十名がカメラに向かって駆け寄ってくる写真が掲載されている。平成5年撮影の写真であるが、園児一人一人の笑顔は、まさしく写真集にある仙南村の先人達から引き継がれてきた、絶えることのないすばらしい笑顔であった。

                   
取材協力 : 仙南村企画課、農政課
         TEL 0187 -83-2111

取   材 : 秋田県仙北総合農林事務所 土地改良課
         TEL 0187-63-6116

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