第1章 学校・家庭・地域での読書活動推進方策
1 家庭・地域における読書活動の推進
(1) 家庭における読書活動の推進
−家庭の役割−
家庭では、親や家族が子どもに対して読み聞かせをしたり、子どもと一緒に本を読んだり会話をしたりして、日常の生活を通して読書習慣を形成し、子どもが自然に読書に親しむことができるように配慮していくことが必要である。また、子どもが読書に対する興味や関心を高めるために、親や家族など大人が読書を楽しむ姿を見せることも重要である。
市町村で乳幼児健診や就学時健診等の各種健診を活用して行われる家庭教育に関する講座や、公民館等で開催される家庭教育学級等を通じて、読み聞かせや読書の重要性についての理解の促進を図る。また、親が子どもに対して行う読み聞かせや、親子が一緒に本を読む際に、読み聞かせの仕方や本の選び方、適当な本を紹介することにより、親子の読書活動を支援するサポーターを養成する。
また、乳幼児期からの「親子の一冊」を募集したり、これまで県がすすめてきた、家庭での読み聞かせの大切さを啓発する「読み聞かせ30(サンマル)運動」に引き続き取り組む。
(2)図書館等における読書活動の推進
−図書館の役割−
図書館は、住民が読みたい本を探し読書の楽しみを得ることができる場所であるとともに、読み聞かせの実施や図書の展示を行ったり、読書全般に関する住民の相談に応じる施設として重要な役割を担っている。また、読書を推進する団体やグループ等を支援したり、図書館の諸活動を支援するボランティアに対して、学習機会の提供等を行うことも大切な役割である。
ア 公立図書館における読書活動推進のための取り組み
子どもの読書を推進するために、親子で図書館を訪れて本を選んだり、読み聞かせやお話の会などにも参加できたりするよう、親子を対象とした図書館事業を充実する。特に、青少年への読書推進については、図書紹介や展示、読書会など工夫を図る。また、住民が読書に親しむことができるように、講座を開催したり行事を設けたりして、読書啓発を図る。また、読書活動を支援するボランティアグループや個人へも積極的な支援を行う。
イ 公民館図書室等における読書活動推進のための取り組み
公民館において、読書に関する住民の興味・関心が高まるような講座や行事を設けるとともに、公民館の広報紙等を活用して広報する。また、公民館を訪れる住民の目に触れやすいところに図書を設置するなど、公民館を活用する人が気軽に本を選んだり借りたりしやすい環境を整備する。
(3) 児童館における読書活動の推進
−児童館の役割−
児童館には図書室が設置され、絵本・物語等の児童図書の閲覧のほか、保護者やボランティアによる読み聞かせやお話の会などの活動も行われ、子どもが読書に親しむ契機となっている。
県児童会館における図書室の充実やボランティアグループの育成及び活動の場の提供等になお一層努めるほか、各地域児童館における蔵書の充実及びボランティア活動を促していく。
(4) 民間団体の活動に対する支援
−民間団体の役割−
民間団体は、読書の推進に関する住民の理解や関心を高めるとともに、読書に親しむ機会を提供するなどの自主的な読書支援活動を継続的に推進しており、積極的に支援する必要がある。
読書活動を推進する活動の場として、社会教育施設等の利用への便宜を図るとともに、情報交換や合同研修などを積極的に実施して、連携と資質の向上を図る。
2 学校等における子どもの読書活動の推進
−学校の役割−
学校においては、各教科、道徳、特別活動及び総合的な学習の時間を通じて子どもたちの学習活動や読書活動を展開していく上で、学校図書館の計画的活動が強く求められている。これからの学校図書館は、学校教育の中核となり、子どもの自由な読書活動の場として、想像力を培い豊かな心を育む読書センターの役割と、子どもの主体的な学習活動を支援し、教育課程の展開に寄与する学習情報センターの役割を担うことが必要である。
(1) 子どもの読書習慣の確立と読書指導の充実
ア 時間・場・機会の確保と充実
小・中・高等学校のそれぞれで、子どもの読書に親しむ態度を育成し、読書習慣を身に付けさせるために、「朝の読書」や読み聞かせなどの読書活動を日常の教育活動に取り入れたり、学校独自の読書週間や読書集会などを適切な時期に設定したりするなど、子どもたちが、読書の楽しさを味わうことができるよう、読書の時間の確保や読書の機会の充実を働きかける。
イ 多様な読書活動の展開
子どもを読書に親しませるためには、発達段階に応じて、読み聞かせや紙芝居、ブックトークなどの実施や推薦・必読図書リストや図書館だよりの作成、また、読書感想文や感想画の指導など多様な活動を展開することが必要である。研修を通して読書活動に関する教職員の意識を高めるとともに、実践校の活動を紹介するなど幅広い情報提供に努める。
ウ 計画的・継続的な読書指導の実施
学校の読書活動の活性化に向けて計画的・継続的な読書指導を実施するためには、地域や学校の実態に応じた年間指導計画が不可欠である。各校に指導計画の作成を促すとともに、日常の教育活動の中で、子どもたち一人一人の発達段階や読書傾向に応じた個別の読書指導の実践も働きかける。併せて、県内の子どもたちの読書傾向を把握するために、読書に係る調査を実施する。
(2) 学校図書館を活用した教育の推進
ア 計画的・継続的な利用指導の実施
学校図書館の利用指導とは、単に学校図書館のきまりや貸し出し・閲覧の方法などを指導することではなく、学校図書館及び資料の利用法を習得させることにより主体的に学習する能力を育成する指導である。子どもの情報活用能力を高め、調べ学習などを充実させるための計画的・継続的な利用指導の実施を働きかけるとともに、学校図書館を学びの場とするための教職員の意識改革を促す。
イ 教科学習等での学校図書館活用の推進
これからは、学びの主体である子どもの知的好奇心を呼び覚まし、情報活用能力を高めることをねらいとした学習への質的転換を図ることが一層大事である。各教科、道徳、特別活動、及び総合的な学習の時間では、調べ学習などの多様な学習活動を展開したり、職業や学術研究の内容などの進路学習を進めたりするために、学校図書館の活用を推進するよう強く働きかける。
ウ 図書委員会活動の活性化
学校図書館の運営及び読書活動の充実には、図書委員会の活動が重要な要素となる。貸し出し事務や書架の整理、展示・掲示などの作業をはじめ、図書館だよりの発行、推薦・必読図書リストの作成、図書紹介等、図書委員会活動が一層活性化するよう働きかける。また、他校の図書委員会の優れた取り組みに学ぶ交流会等の実施も促す。
(3) 家庭・地域との連携による読書活動の推進
ア ボランティア等への支援
学校では、保護者や地域の読書活動に関するボランティアに、読み聞かせや読書指導の場を提供したり、学校運営への参加を求めたりしながら、積極的に連携を図るよう働きかける。
イ 親子読書の推進
家庭においても、親が子どもに読み聞かせをしたり、親が読書する姿を示したりするとともに、親子で本を読み合い、共通の話題に触れる機会をもつことなども学校から積極的に呼びかけるよう働きかける。
ウ 学校図書館の地域開放
余裕教室をPTA図書室にすることや親子による学校図書館の利用、学校図書館を活用した地域行事の開催など、地域に開かれた学校図書館の運営に努めるよう促す。また、学校図書館が地域の文化活動の中心となって、学校と地域社会とのつながりが一層深まるよう積極的に働きかける。
(4) 障害のある子どもの読書活動の推進
ア 教育課程・時間割への位置づけ
特殊教育学校では、子どもの障害や発達の状態に応じた教育が重視されており、時間割に一律に「読書タイム」を位置づけることは難しい。しかし、盲学校、聾学校、肢体不自由養護学校、病弱養護学校では、子どもの実態や学校の実情に応じて時間割に「読書タイム」を位置づけることや、知的障害養護学校では、遊びの指導や生活単元学習等の領域・教科を合わせた指導及び国語科の指導内容・指導方法の見直しを図ることで、子どもが豊かな読書活動を体験できるようにする。
イ 児童生徒会活動の充実
児童生徒会活動、特に図書委員会の活動を充実していく。昼休み時間や長期休業期間時の図書貸し出しを推進するとともに、他校の優れた実践事例を紹介したり、各学校の実情に応じて必読書や推薦図書を設定したりすることにより、読書活動を推進する。
また、保護者・地域と連携し、児童生徒の実態や学校の実情に応じた良書の選定や古本のリサイクルを行いながら、家庭・地域での読書活動への啓発を図り、家庭・地域と学校とが一体となって読書活動を推進する。
(5) 幼稚園・保育所における子どもの読書活動の推進
ア 遊びにおける絵本や物語等の積極的な活用
遊びの中に積極的に絵本や物語、図鑑等を取り入れて遊びを広げるとともに、自然体験的な活動における図鑑等の活用を工夫することにより、幼児期の知的発達を促進し、探究心を高め、生きる力の基礎を培う。
イ 読み聞かせの機会の確保と充実
読書活動の一層の活性化を図るために、各幼稚園の教育課程・保育所の保育計画等に読書の時間を設定する。
教育要領に示されている領域の「言葉」を発達段階に応じて教育課程・保育計画に適切に位置付け、幼児が絵本や物語、紙芝居などに一層親しむ機会を確保する。また、年間指導計画の作成に際して読書重点週間を設定したり、日案に読み聞かせタイムや読書タイムを設けたりするなど、幼児期に絵本や物語に触れる機会の設定を工夫する。
(6) 教職員の研修の充実
学校等における子どもの読書活動の推進のためには、教職員の学校図書館の活用や読書活動に関する意識の高揚を目的とした研修が必要である。学校等で、子どもの読書活動にかかわる司書教諭をはじめ、様々な立場の教職員が、読書指導や利用指導に関する様々な知識を得たり、読み聞かせ、ブックトークなどの技能を身につけたりできるような実践的な研修を実施する。
3 成人の読書活動の推進
−成人の役割−
成人が余暇を生かした読書や自主的学習のための読書活動を展開することは、様々な知恵と知識を地域にもたらし、地域全体の活性化へとつながっていく。また、子どもたちが読書への関心と興味をもつ大きな原動力の一つは、大人が読書をしている姿や読書活動に取り組む熱意にふれることであり、子どもの読書活動推進にとっても重要である。
(1) 図書館・公民館等での読書活動の取組の推進
様々なジャンルの読書情報の提供を図る地域の読書センターとしての機能をもつ図書館・公民館づくりにつとめるとともに、読書に関する講座や講読会、読書会等の事業を実施を奨励する。また、各年齢層を対象にした事業や、他の講座と連携した事業の展開など工夫を図る。
(2) 読書活動グループへの支援
図書館や公民館の事業の中核となるグループや指導者に、活動の場や機会を積極的に提供するとともに、研修の充実が図られるよう配慮する。また、読書活動グループ間のネットワーク化を促進し、互いの情報交換や連携した事業や学習ができるように奨励する。
第1章 学校・家庭・地域での読書活動推進方策年次計画
重点推進事項 | 具体的な施策 | 年次計画項目 | 15年度 16年度 17年度 18年度 19年度 |
家庭・地域における読書活動の推進 | 家庭における読書活動の推進 | 家庭教育学級での理解促進 | ![]() ![]() |
読書サポーターの養成 | ![]() ![]() |
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読み聞かせ30運動等の取り組み | ![]() |
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図書館での推進 | 公立図書館・公民館図書室の取り組み | ![]() |
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児童館での推進 | ボランティア活動の推進・蔵書充実 | ![]() |
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民間団体への支援 | 施設利用の便宜と連携 | ![]() |
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学校等における子どもの読書活動の推進 | 子どもの読書習慣の確立と読書指導の充実 | 時間・場・機会の確保と充実 | ![]() ![]() |
多様な読書活動の展開 | ![]() |
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計画的・継続的読書指導の実施 | ![]() |
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学校図書館の活用 | 計画的・継続的利用指導の実施 | ![]() ![]() |
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教科等での活用の推進 | ![]() |
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図書委員会活動の活性化 | ![]() |
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家庭・地域との連携 | ボランティア等との連携 | ![]() |
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親子読書の推進 | ![]() |
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学校図書館の地域開放 | ![]() |
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障害のある子どもの活動の推進 | 教育課程・時間割への位置付け | ![]() ![]() |
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児童生徒会活動の充実 | ![]() ![]() |
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幼稚園・保育所の活動の推進 | 遊びでの活用 | ![]() |
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読み聞かせの機会の確保と充実 | ![]() |
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教職員の研修の充実 | 実践的な研修の実施 | ![]() |
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成人の読書活動の推進 | 図書館・公民館での取り組み | 読書活動事業の奨励と工夫 | ![]() |
読書活動支援グループへの支援 | 場や機会の提供とネットワーク化 | ![]() |
第2章 施設・設備等諸条件の整備・充実と連携
1 公立図書館の整備充実
(1) 図書館未設置町村への設置促進
図書館は読書推進の拠点であり、地域の生涯学習にとってのセンターであるが、現在、県内で未設置町村は38にのぼる。未設置町村については、様々な読書活動の展開で住民の意識の高揚を図り、県立図書館を中心に公民館図書室の支援を行うとともに、様々な機会を通して設置を働きかける。
(2) 図書資料・設備等の整備充実
ア 県立図書館資料・設備の整備充実
県民の読書の機会の拡大と情報要求に応えるため、広範囲で多様な資料や情報の収集・整理・保存に努めるとともに、その提供機能の強化を図る。特に書誌のデータベース化を推進し、読書情報がインターネット等により積極的に提供できるシステムづくりをする。また、児童図書や学習資料の収集も行い、子どもの読書活動推進に寄与するとともに、ビジネス支援のための資料や障害者や高齢者の資料設備の充実につとめる。また、県民に県内図書館の情報を積極的に提供する。
イ 市町村図書館等への資料・設備整備への支援
県立図書館の市町村図書館等への巡回支援を行い、資料整備やサービスについてのアドバイスを行うとともに、県立図書館の児童図書や学習資料を各学校へ貸し出すなど、相互貸借資料の利用を積極的にすすめる。また、各地域に図書が行き渡るようなシステムについての研究をすすめる。
また、郷土情報センターとしての機能の充実を図るために、郷土資料の収集と保存に努め、県立図書館を中心にしたネットワークシステムの構築を行う。
さらに、乳幼児や児童の読書のスペースを確保し、親等も共に読書ができるようにする。また、障害者や高齢者への資料設備の整備充実を図る。
(3) 司書等の充実
地域の読書活動推進には、専門的な知識のある司書が図書館で様々な取組の中核となる必要がある。司書未配置の図書館については、地域の有資格者の活用を図るなどして、すべての図書館に司書の配置を奨励する。また、司書や職員の研修会を実施し、図書レファレンスや様々なサービスについて情報交換や技能の向上を高めるとともに資質の向上を図る。
2 学校図書館等の整備充実
(1) 学校図書館施設・設備の整備充実
学校図書館施設については、日常生活の中で子どもたちがくつろぎ、進んで読書を楽しむことができるよう、読書センターとしての環境整備に努めるとともに、子どもの主体的な学習活動を支援する学習情報センターとしての機能の充実に向けた環境整備に努めるよう強く働きかける。また、読書活動の活性化につながる学級文庫や余裕教室、多目的ホール等の整備・活用も促し、地域に開かれた図書館にする。
(2) 図書資料等の計画的整備・充実
子どもの豊かな読書活動や主体的な学習活動を保障する、魅力ある図書資料を充実させるために、国の「学校図書館図書整備5カ年計画」に基づく図書整備費の適正な予算化を市町村等に働きかけるとともに、各学校には「学校図書館図書標準」の達成を目標として、蔵書の計画的な整備・充実を図るよう指導・助言していく。その際には、各校で選定委員会等を設けたり、子どもや教職員、保護者に対しての希望図書調査を実施したりして、適切な図書を配置することや廃棄に関しても適切に実施するように促す。
(3) 学校図書館の情報化
ア コンピュータの導入と校内LAN及びインターネットへの接続
学校内のどこにあっても学校内外の図書情報にアクセスできる環境を整備するため、コンピュータの学校図書館配備と校内LANへの接続を積極的に推進する。また、学校のインターネット接続の一層の整備・充実を図る。
イ 図書資料のデータベース化の促進
学校図書館の蔵書情報をデータベース化し、さらに他校の学校図書館等とのネットワーク接続を図ることにより、各種図書資料や情報等の共同利用や図書の共同購入、相互貸借を可能なものとするよう促す。
(4) 学校図書館への人的配置の促進
ア 司書教諭の配置
司書教諭は学校図書館資料の選択・収集・提供や子どもの読書活動に対する指導等を行うなど、学校図書館の運営・活用について中心的な役割を担うものであることから、平成15年度以降、12学級以上の学校を有する学校には必ず置くことになっているが、12学級未満の学校にも必要に応じて置くように働きかける。司書教諭が学校図書館の運営に十分な役割を果たすことができるよう、教職員の協力体制の確立を促すとともに、司書教諭の役割等について共通理解を図る。
イ 学校図書館担当事務職員との連携
学校図書館の諸事務に当たる学校図書館担当事務職員と司書教諭等とが連携し、学校図書館運営の円滑化を図るよう働きかける。
ウ 教職員間の連携
学校図書館を活用した子どもの学習活動や読書活動を充実させるには司書教諭のみならず、すべての教職員が連携して子どもの学習活動や読書活動を推進していくことが重要である。学校図書館運営のための組織作りや役割分担、活用計画の策定に取り組むよう働きかけていく。
(5) 障害のある子どもの学校図書館の整備充実
子どもたちが自主的に読書活動を行うことができるように、盲学校では、点字図書、視覚障害者用録音物(声の図書)の整備・充実を、聾学校及び養護学校では、一般図書、絵本、映像資料の整備・充実を図る。
また、点訳ボランティア、朗読ボランティア、手話を交えた絵本等の読み聞かせボランティア等を養成するとともに、活用できる場の提供に努める。
さらに、各学校の図書館に司書教諭や利用支援ボランティア等を配置し、貸し出しや閲覧等の利用を促進するとともに、蔵書をデータベース化し、情報交換等ができるように整備する。
(6) 幼稚園・保育所における読書環境の整備充実
ア 絵本コーナーの整備・充実
幼児の想像力や知的好奇心を刺激する絵本や物語等蔵書の計画的な購入・整備を図るとともに、幼児の目線・動線を意識した絵本コーナー作りや展示を工夫する。
また、幼児が落ち着いてじっくり絵本や物語、図鑑等に向き合い、おもしろさを味わえる雰囲気を大切にする環境設定とコーナーの選定に努めるとともに、教職員・保育士の指導・支援の在り方を工夫する。
イ 家庭との連携
幼稚園・保育所の蔵書や幼児の読書活動等の紹介、家庭における保護者等による読み聞かせの啓発など、家庭への広報などを工夫する。
また、親子読書を推奨するなど親子で絵本や物語等に積極的に親しむことができるように、蔵書の貸し出しや絵本のリサイクルを通して、家庭における読書機会を拡充できるようにする。
3 読書活動推進ネットワークの整備
(1) 公立図書館と学校図書館等の連携
秋田県学校図書館協議会と秋田県図書館協会による合同研修会を行い、情報交換とともに読書推進の課題を把握し、解決のための取組を提起していくなど、互いの連携協力を強めていく。また、大学図書館関係者も含めた読書推進の連絡会をつくり、青少年への対応や取組を協議する。また、公立図書館による学校図書館や保育所、児童館等への団体貸出の推進など資料の相互貸借をすすめて、地域の図書館が一体となった読書推進を行う。
(2)読書推進ネットワーク協議会の設置
読書推進に関わる公立図書館、学校図書館などの団体や、読み聞かせ等を行う読書活動支援グループ、民間団体、個人が一堂に会して、互いに連携しながら読書活動の一層の推進を図るために「読書推進ネットワーク協議会」を設置する。協議会では、各地域の読み聞かせグループや読書グループ等のネットワーク化を図り、子どもの読書活動の支援や成人の読書啓発活動にあたるほか、推奨図書の選定や調査活動等を行い、広域的な推進を図る。また、読み聞かせなどの指導者を養成する講座を開設し、講座修了者を各市町村で活動できるよう、コーディネートを行う。
(3)子ども読書センターの設置
読書推進ネットワーク協議会と連携を図りながら、子どもの読書に関する情報収集と学校等への情報提供や相談窓口となる、子ども読書センターを県立図書館内に設置する。センターでは他にホームページの公開や相談電話の開設、市町村への読み聞かせグループの紹介などのコーディネートも行う。
重点推進事項 | 具体的な施策 | 年次計画項目 | 15年度 16年度 17年度 18年度 19年度 |
公立図書館の整備充実 | 未設置市町村への設置促進 | 意識の高揚と設置の働きかけ | ![]() |
資料・整備等の整備充実 | 県立図書館の整備・充実 | ![]() |
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市町村図書館の整備支援 | ![]() |
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司書等の充実 | 司書配置の奨励と研修会の実施 | ![]() |
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学校図書館等の整備充実 | 施設・設備の充実 | 読書センター・学習情報センターの機能の充実 | ![]() |
資料等の計画的整備充実 | 適正予算への働きかけと計画的整備への指導・助言 | ![]() |
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学校図書館の情報化 | コンピュータ導入とLAN・インターネット接続 | ![]() |
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図書資料のデータベース化の促進 | ![]() |
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人的配置の促進 | 司書教諭の配置 | ![]() ![]() |
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学校図書館担当事務職員との連携 | ![]() |
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教職員間の連携 | ![]() |
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障害のある子どもの図書館整備充実 | ボランティアへの支援と資料の充実 | ![]() |
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幼稚園・保育所における環境の整備充実 | 絵本コーナーの整備 | ![]() |
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家庭との連携 | ![]() |
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読書活動推進ネットワークの整備 | 公立図書館と学校図書館等の連携 | 連絡協議会の設置・運営 | ![]() ![]() |
合同研修会の実施 | ![]() ![]() |
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読書推進ネットワーク協議会の設置 | 協議会の設置・運営 | ![]() ![]() |
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読書推進指導者養成 | ![]() ![]() |
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子ども読書センターの設置 | センターの設置 | ![]() |
第3章 啓発・広報活動
1 読書啓発事業の推進
(1) 県読書フェスタの開催
読書推進ネットワーク協議会を中心に、読書グループや学校読書活動推進者、民間団体や個人が一堂に会する、県読書フェスタを実施する。フェスタでは、読書活動の課題や方策を協議するフォーラムや図書展示会、講演、優秀読書活動団体の紹介などを行い、県民全体への読書啓発を行う。
(2) 優れた取組の奨励
県内の読書活動で、子どもの読書活動支援や成人の読書活動などで優れた取組を行った団体や個人に対して県読書フェスタでの顕彰を行うとともに、子ども読書センターを通じて取組を紹介するなど情報を広く県民に提供する。
(3) 諸媒体を使った広報活動の推進
読書推進ネットワーク協議会により推奨図書を選定し、インターネットや諸媒体で広く情報を提供したり、「子ども読書の日」や「読書週間」などに積極的に啓発活動を行う。また、県では読み聞かせ絵本の紹介リーフレット「マザーズタッチ文庫」の作成・配布を行うほか、子ども読書センターでは子どものための優秀図書などを情報紙や相談活動の中で紹介し、広く普及を図る。
重点推進事項 | 具体的な施策 | 年次計画項目 | 15年度 16年度 17年度 18年度 19年度 |
読書啓発事業の推進 | 県読書フェスタの開催 | 読書フェスタの開催 | ![]() ![]() |
優れた取り組みの奨励 | 優秀団体・個人の顕彰 | ![]() ![]() |
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諸媒体を使った広報活動の推進 | 情報提供と普及 | ![]() |
第4章 読書活動推進体制の整備
1 推進体制の整備
(1)県における推進体制の充実
教育委員会を中心に、関係機関の課所によって構成される「読書活動推進会議」を通して、情報の収集や調査研究、計画の推進に努めるとともに、年度毎に計画の見直しを行う。また、県民各層の幅広い人材からなる「読書運動推進委員会」を設置し、推進計画に係る提言を受ける。
(2)市町村との連携強化
読書活動の一層の推進を図るためには、地域の特性に応じた施策の展開が必要である。各市町村の主体性を損なうことなく、県と連携した取組の推進のために、市町村読書推進計画策定への支援として「読書活動推進会議」の情報提供、県読書推進計画の配布、諸会議での意見交換などを行う。
(3)民間団体との連携協力
県読書活動ネットワーク協議会との連携を図りながら、広範な取組を推進するとともに、読書活動を推進するボランティア、ブックスタート運動※をすすめるNPOなど、民間団体の協力を求め、読書環境の充実に努めるとともに、県民の意識の高揚を図る。
重点推進事項 | 具体的な施策 | 年次計画項目 | 15年度 16年度 17年度 18年度 19年度 |
推進体制の整備 | 推進体制の整備 | 読書活動推進会議設置 | ![]() ![]() |
読書運動推進委員会設置 | ![]() ![]() |
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市町村との連携強化 | 情報提供と連携 | ![]() |
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民間団体との連携・協力 | 広範な取り組みの推進 | ![]() |