【農政部各課から】


台湾に発生した口蹄疫について


【畜産課】
平成9年3月19日、台湾で伝染性が強く畜産経営に甚大な被害を及ぼす口蹄疫 (こうていえき)が発生し、我が国への侵入と豚肉の需給への影響が懸念されている。

1.口蹄疫とは

 口蹄疫は、専ら牛、豚、めん羊、山羊等の偶蹄の動物に感染し、口、蹄、乳房等に水胞〜潰瘍を 形成する急性で極めて伝染性の強いウイルスによる伝染病である。感染すると飼料の摂取、歩行が 困難となり、急激に痩せることから、畜産物としての利用価値を失い、畜産に及ぼす影響が非常に 大きいことから世界的に恐れられている病気である。

2.台湾における発生状況

 台湾では約26,500戸1,021万頭の豚が飼育されています。初発生以来、日を追うごとに発生が拡大 して16県7市の内、東部の一部を除く12県5市と台湾全土に広がり、発生農場全頭の殺処分、埋却等 防疫対策を軍隊の応援を得ながら推進中である。

<表>4月20日現在の発生状況
 
3月19日 4月 1日 4月 9日 4月 20日
発生戸数  3 1,300 2,654 4,163
飼養頭数 不 明1,094,4922,317,5283,324,169
死亡頭数 615 56,127 103,371 135,939
殺処分頭数1,570 300,995 773,8442,203,971

コラム:毎日の食生活から食料自給率を考える
  毎日の食事の食べ残しを減らすと食料自給率が上昇する、というと驚く人がいるかもしれな い。農水省の計算では供給熱量1人1日当たり約2,600kcalとしているが、厚生省「国民栄養調 査」によれば摂取熱量は約2,000kcalとされている。両者の差が、ロス、食べ残しに原因がある とすると、それを減らすことにより、自給率は約3割程度上昇する計算もできる。自給率には 「飽食」といわれる食生活との関係も重要な意味を持つと考えられる

3.国内の防疫対応

 海を隔てているとはいえ、隣接している地域で発生という緊急事態のため、台湾当局からの発 生通知があった3月20日以降、
・台湾からの動物、畜産物の輸入禁止
・輸入業者への既輸入品の自主回収指示
・台湾産稲わらの輸入自粛及び輸入検査強化
・不法持込み、不法入国者等の監視体制の強化
・台湾旅行の注意喚起、帰国時の靴底消毒の実施

等関係各省庁一体となって措置を講じ、本病の我が国への侵入防止を図っている。
 また、畜産農家、市町村、JA、獣医師、畜産関係団体等に対しても家畜保健衛生所を通じ、

・台湾産の稲わらや乾草の使用中止〜完熟堆肥化
・畜産関係者の台湾への視察旅行の自粛
・畜舎内外の消毒、農場内への部外者の入場制限
・残飯の加熱処理給与

等衛生管理を徹底するよう指導している。
 今までのところ国内では異常は認められていないが、今後とも注意事項を厳守し、万全な侵入防止 を図ることが大切である。
 なお、万一本病が発生した場合は、家畜伝染病予防法により、飼養家畜の殺処分、死体・汚染物品 の焼却、埋却、通行遮断、家畜の移動制限等の措置が講じられる。

4.豚肉の需給に及ぼす影響について

 台湾からの豚肉の輸入量は、平成7年度 249千tで総輸入量の約46%を占め、国内消費量の17% に相当する。

<表>平成7年度豚肉需給状況

 数 量(t)  シェアー(%)
国内生産量  909,437 63.0
輸 入 量  534,645 37.0(100.0)
台湾  248,549 ( 46.5)
デンマーク  108,935 ( 20.4)
アメリカ  108,683 ( 20.3)

2月末の豚肉の国内在庫量は、 153千tと8年度期首の2倍以上あったことから、市場に急激な 動きが出るとは思われていなかった。ところが輸入業者が先高感から手当てに走ったため、東京市 場における豚の枝肉相場が急騰し、一時 640円台にまで上昇した。
 しかし、4月に入ってから 520円前後に落ち着きを見せている。
今後、台湾産豚肉の代替としてアメリカ等の動向が気になるが、セーフガードが発動されている こともあって4〜6月の輸入量は減少するものと推測される。


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