農政部各課から
| 平成9年1月から11年10月までの約2年9ヶ月にわたり、中米ホンジュラスにて国際協力事業団(JICA)に派遣され農業技術協力に携わってきた当課・石井公人主任のホンジュラス滞在記を以下に掲載する。海外での技術協力の一端と公私両面における悪戦苦闘ぶりを3回にわたってかいつまんで紹介するシリーズ。第1回目は、ホンジュラスのあらましと生活環境について報告しよう。 |
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アメリカ大陸は、北米と中米、南米に大別され ますが、ホンジュラスは中米に属しています。中 米は、日本ではほとんど具体的なイメージがわき ませんが、関係国は7カ国で、北からグアテマラ、 ベリーズ、エルサルバドル、ホンジュラス、ニカ ラグア、コスタリカ、パナマとなっています。 1990年前後には各国で内戦があったりして、 国際的にも物騒な地域でしたが、今では多くの国 で和平が成立しています。幸い、ホンジュラスで は表だった反政府運動や内戦がなく、1970年 代後半以降日本からの援助が資金的あるいは人的 に数多く行われてきています。 |
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山間地に住む混血の女の子 | マヤ文明の最南限、コパン遺跡 |
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自宅と自家用車、そして警備員 |
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観光地にて:髪編みの子と家族 |
| 例1 |
家を大家に引き渡すとき修理を命じられ、大工に木のドアの修復を頼みました。一般的に完成期日にルーズなので、何回か修理状況をチェックしに行きました。何回目かのとき、どう考えても期日までに間に合いそうにないので、その旨問いつめると、「機械が調子悪くて1週間何もできなかった」とか「難しい細工を別の人に頼もうとしたが、忙しくて断られたので時間が過ぎちゃった」とか、もっともらしい言い訳をならべます。そこで、「別の人」と言われた人に実際確認したところ、そんな話は全然聞いていないとのことでした。そんな具合で、行くたびにころころと嘘を変えながら言い訳ばかりするものですから、「ほかに頼むからもういい」と言うと、その夜は半分徹夜してなんとか期日に間に合わせてきました。 一般的に、期日が守られることはほとんどなく、というよりも期日を守るという感覚自体が非常に希薄です。ですから、時間を決めて何かをするということが非常に苦手です。たとえば、「何時に来る?」と何回聞いても、「午後行く」と答え、何時何分という約束は実際上意味を持ちません。パーテイを開いても、開始時間から約1時間遅れで人がぽつぽつと集まってきて、終わるときも適当な時間に少しづつ人が消えていきます。日本的な「中締め」に慣れたこちらとしては、最初の頃、あまりのだらしない始まり方と終わり方にびっくりしたものです。 |
| 例2 |
職場で作った報告書を60部製本するよう頼みました。ホッチキスで留め背表紙テープを貼ればおしまいなので、実質2日もあれば済んでしまう仕事です。でも、何回か電話で確かめてもなかなか終わったという返事がきません。約1ヶ月後、電話連絡が入ったので取りに行ったところ、段ボール箱に60部入れていました。念のため1冊1冊パラパラとめくりチェックしたら、底の方に入れられた10部くらいから折り返したページがとれてくるではありませんか!紙の両端をそろえるときに切ってしまったようです。その場にいた若い従業員に、「何だ、これは!」と気合いをかけると、「おれは知らない、後から別のが来るからそっちに言え」とにべもない返事。少し待っていると店の主人みたいなのが来たのでクレームをつけると、「ここのページだけほかよりも出ていたので、揃えて切ったときに折り返しの部分もいっしょに切れてしまった」とのこと。「だったら、なんでその旨こっちに連絡しないんだ」と言ったら、スペイン語でベラベラ何やらまくし立てて言い訳。「どうして謝らないんだ。それがいやなら、どうしてセロハンテープを張るとかして直さなかったんだ?」とさらに問いつめると、「ここにテープはない、いやなら、その分金払わなくてもいいよ」を開き直り。”そんなら来る前に連絡しろ”と思いながら、「いいからテープ買ってきて貼り合わせろ」と言ってその場は帰ってきました。1ヶ月も待たされたあげく、こちらから出向いたらまともに仕上がっていず、謝りもせず開き直られておしまい。上のやり取りにあるように、自分のミスを攻められそうな場面では、「(自分が間違って)切ってしまった」とは言わず、「(紙が自ずから)切れてしまった」という言い方がよく使われます。自分が間違ったのではなく、事物が自然にそうなった、というわけです。 一般的に、ホンジュラスでは、金銭がからむこと、買い物や依頼ごと、仕事の外注等では、明らかに相手側に非があっても、まず向こうから謝ってくることはありません。急に早口になって必死に弁解を繰り返すのが関の山です。もちろん、人通りの多いところで肌が擦れ合ったときとかには、すぐに「ごめんなさい」と言い合いますが、返金や弁償、違約金が関係する局面では、率先して非を認め謝るということは皆無と言っていいでしょう。 |