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林業労働安全対策について

調査者 山本総合農林事務所 林務課
林業改良指導員 千葉 智

1.事例の概要
(1)事例の場所   山本管内一円
(2)事例の実施期間 平成12年9月〜12月
(3)事例の実施者 林災協秋田県支部ほか
(4)関連事業名 林業労働安全対策事業

2.事例の内容・特徴等
 林業就業者の減少や林業労働者の高齢化が進む中で、近年、緊急間伐の推進、松くい虫被害拡大など択伐的施業を主とした仕事量が増加傾向にあり、とりわけ伐木、造材作業に要する技術の正確さが求められている。
 当管内においても今年に入り林業作業中の事故が2件発生しており(うち1人死亡)林業労働安全衛生に対する取り組みが急務とされている。このため、ゼロ災の達成を目的とし「基本動作の徹底」、「作業基準の遵守」を林業従事者に浸透させ、併せて高性能機械の活用による「労働環境の改善」を図りながら安全作業の実現を目指した環境を整備するための取り組みを実施したので紹介します。

1.事業体への安全巡回指導の実施

 林災防秋田県支部が任命する安全衛生指導員と合同で管内の素材生産会社を9社(18箇所)を対象に安全巡回指導を実施する。

(A) 現地指導: 作業の基本的動作のチェック、危険予知ミーティングでの安全指導、使用機材器具の点検、緊急連絡体制の確認、救急用具の整備等の確認
(B) パンフレットの配布: 「林業ゼロ災パンフレット」を各事業体に配布
(C) アンケート調査実施: 素材生産従事者68名を対象に、ヒヤリハット体験の調査を実施
(D) 災害発生事例紹介: 素材生産業における災害発生事例を紹介
(E) 高性能機械の活用: 高性能機械による施業事例、作業工程システムを紹介


2.森林組合に対する労働安全指導
 白神森林組合が開催する労働安全衛生大会及び座談会において、森林組合の安全管理体制の強化及び作業班員、組合員に対する労働安全指導を実施する。

(A) 関係法令の周知: 林業・木材製造業労働災害防止規定による、安全管理責任、緊急連絡体制の周知徹底
(B) 労災保険制度: 間伐事業等の労災保険率の適用について説明
(C) 安全対策指導: 労働安全講習、災害時での応急措置講習、振動障害健診の定期受診の指導
(D) その他: 林業労働災害に係る各種データ、秋田県における安全対策等の説明

3.参考資料(現場写真)

4.今後の課題や展開方向
 ヒヤリハット体験のアンケート調査の結果、労働者の約半分が労働災害につながる、はっとした体験をしており、体験時に「会社(上司)に報告」した労働者は6割に過ぎない。そのうち、会社側が「原因の究明や設備の改善など具体的で十分な対応をしてくれた」と回答するものは5割となっている。作業種別のヒヤリハット体験を見ると伐木・造材作業中が過半数を占め、中でも自己の伐倒木が起因となるケースが多く、続いて集運材作業、下刈作業(森林組合)が上位を占めている。ヒューマンエラーによる事故未然防止として、指差呼称が実施が不可欠だが、実行されてるケースは極めて低く、作業者1人ひとりの安全衛生への意識改善が求められます。
 また事業主は労働災害防止のため、危害防止基準の確立、事業における責任体制の明確化及び自主的活動の促進措置を講ずる等、その防止に関する総合的、計画的な対策を推進することが望まれます。

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