PTSD 「(心的)外傷後ストレス障害」(2)

                   PTSDの症状および診断について

 

Q. PTSDの症状にはどんなものがあるのですか?

A.  症状はいろいろありますが、主なものをあげると、自分が生きている気がしない、自分が自分で
   ないような感じがある、感情の動きがなくなる、自分はすぐに死ぬと思い込む、他人をわずらわし
   いと思うようになる、人前に出られなくなる、突然手がふるえたり吐き気が起こる、ガラス越しに現
   実を見ているように感じる、睡眠障害がおこる、過食、拒食、またはアルコールなどに依存する、
   トラウマに関わる悪い夢をみる、記憶が途切れている、時間の感覚がなくなる、などがあります。



Q. PTSDの侵入症状、回避(狭窄)症状、覚醒亢進症状について教えてください。

A.  侵入症状とは、トラウマを(思い出したくないのに)繰り返し意思に反して再体験する(思い出す)
   という症状で、フラッシュバックが有名です。回避(狭窄)症状とは、外傷体験を思い出させる刺激
   からの回避や、生活および人生に対する全般的なエネルギーが低下してしまうという症状で、引
   きこもりなどが、その代表です。
    覚醒亢進症状とは、危険を予測して常に身構え、神経が張りつめた状態になっていることによる
   症状で、睡眠障害や注意集中困難などがあります。

 


Q. 「離人感」とか「失感情」ということばを聞いたことがあるのですが?

A.  どちらもPTSDでしばしばみられる症状です。離人感とは、自分が自分でないような、自分がそ
   の場にいないような気分のことを言います。PTSDでは、被害のショックでこの離人感が強くなり
   ます。
    また、失感情とは「感情がわかない」という症状です。事件に遭遇した後、その事件がまるで
   テレビの絵空事のように思えたりして、かえって冷静になってしまったりする場合があります。
    これは、その事件(外傷体験)があまりに苦痛であるため、その苦しいという感情をなくすこと
   で、心が傷つくのを防ぐというものです。


Q. フラッシュバックって何ですか?

A.  事件の後、日常生活の中で、不意に事件の情景が頭を走馬灯のように通り過ぎ、自分でも
   感情の収拾がつかなくなる症状のことを指します。
    その事件(外傷体験)が今、まさに起こっているかのように蘇るのが特徴です。
    何か、事件を思い出させる事や物がきっかけ(トリガー=引き金)になる場合が多いとされて
   います。

 

Q. PTSDと診断するための何か基準のようなものはあるのですか?

A.  医師が行う正式な診断基準としては、アメリカ精神医学会による「精神疾病の診断・統計マ
   ニュアル第4版(DSM-W)」というのがあります。
    その他、患者さん(子どもの場合はその子どもに関わりのある大人)が自分でチェックする
   (セルフチェック)評価尺度もいくつかあります。

 

Q. PTSDかどうか自分でチェックしたいのですが?

A.  セルフチェックによる評価尺度がいくつかあります。例えば、自分のトラウマの強さやPTSDの
   症状に関する評価尺度として「出来事インパクト尺度(IES)」や、その改訂版の「改訂 出来事
   インパクト尺度(IES-R)」があります。
    他には、どのような出来事を、どの程度体験したのか、その体験回数をチェックする、「出来
   事チェックリスト」などもあります。また子どもを対象とした評価尺度もあります。
    もちろん前に述べたように、このようなセルフチェックによる評価尺度以外に医師が行う正式
   な診断基準もあるわけですから、「PTSDかな?」と思われた方は自己診断してしまわずに、
   医師による診断を受けることをお勧めいたします。