1999/09/06 総合政策課
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 (4) 産業が力強く前進する秋田

  ○ 科学技術

   ・ 科学や発明が秋田の将来を拓くうえで大切であることを子どものころから学校
    や家庭などで教えあい、奨励する県民運動が成果をあげており、若者を中心に県
    民の間で科学技術とモノづくりに対する関心が高まっている。
   ・ 理工系大学や高度技術研究所などの試験研究機関では、国内外の法人や個人か
    らの寄付金の受け入れなどにより研究基盤が充実しており、産学官の交流・連携
    による情報の共有や発信が活発化し、情報通信、バイオテクノロジー、医療・福
    祉などの分野で独創的な研究開発が盛んに行われている。
   ・ 県内の産業界が中心となり、高度な技術力や技能をもった人材を確保・育成し
    つつ、ベンチャー企業などの起業の誘発に努めており、大学や試験研究機関との
    共同研究や研究成果の企業への技術移転が進み、県内企業の特許取得件数も大幅
    に増えている。

  ○ 農林水産業

   ・ 農業では、大区画に整備された水田で、直播栽培やハイテク技術により効率的
    な稲作が行われている。また、豊かな自然の中で、有機米など環境にやさしく付
    加価値の高い米が生産されており、全国各地の消費者に届けられている。
   ・ 先端バイオ技術を活用したオリジナル品種の開発・育成が進み、各地に誕生し
    た野菜や花き・畜産の大規模産地では、消費者の求める安全で高品質な農産物が
    年間を通じて生産され、全国の市場で秋田ブランドとして高い評価を得ている。
   ・ 生産者、食品産業、消費者の連携のもとに、地域の食材と革新的な技術を生か
    した秋田ブランド食品の開発や販路の拡大が進み、生産・加工・流通販売が一体
    となった総合食品産業が興隆している。
   ・ 経営感覚にすぐれた農業者や農業会社を中心に企業的な農業経営が展開されて
    いる一方、むらぐるみの生産組織や市町村・農協が参画した農業公社などの多様
    な担い手が、地域で共存し、農業生産活動を担っている。
     また、自然とのふれあいを求めて、休暇を利用したホビー農業や定年後の生き
    がい農業など、それぞれのライフスタイルに合わせた農業が広まっている。
   ・ 林業では、間伐などの積極的な施業の推進により、全国に誇れる広大な森林が
    形成されている。また、林道が適切に配置され、最先端の高能率機械が普及し、
    森や自然を愛する若き担い手とボランティアが生き生きと働き、低コストで生産
    性の高い林業活動が展開されている。
   ・ 木材産業では、良質で豊かな森林資源とすぐれた加工技術を活用して、多様な
    消費者ニーズに対応した高付加価値製品が製造され、全国をリードする木材供給
    戦略基地としての地位が確立され、県産材が県内外に流通している。
   ・ 漁業では、水産資源の維持・増大に力が入れられ「つくり育てる漁業」が定着
    し、秋田の冬の味覚として欠かせない県魚「ハタハタ」をはじめ、さまざまな魚
    種について適切な資源管理措置が講じられており、新鮮で安全な旬の魚が食卓を
    賑わせている。
    
  ○ 商工・サービス業

   ・ 科学の心を育む教育や県民運動が功を奏し、成人に達してからもモノづくりに
    関心をもつ人々が多数定住しており、高度な研究開発基盤と整備された情報通信
    ネットワークなどを活用して、医療・福祉、情報通信、先進的なロボット、リサ
    イクル、バイオテクノロジー関連等の分野で新産業が活発に創業している。
   ・ 機械工業など既存のモノづくり分野では、県内の理工系大学を卒業した優秀な
    人材の県内企業への就業が進み、高度な加工技術や試作技術を持つ中堅・中小企
    業が育っており、企業間ネットワークを構築して新製品の開発や新分野への進出
    などに積極的に取り組みつつ、競争力を生かして環日本海地域など国内外との間
    で盛んに技術提携や貿易を含めた経済交流を行っている。
   ・ 消費活動を通して楽しさや便利さを追い求める消費者ニーズの高度化・多様化、
    本物志向がみられ、受注者の専門能力を活用する情報産業などのソフトな事業所
    支援型サービス業や技術力を生かした生産など、従来の外注・下請けとは異なる
    アウトソーシングが盛んになっている。
   ・ 自由時間の増大と少子・高齢化の進展を反映し、介護など福祉・医療サービス、
    育サービス、スポーツ、文化、教養関連のサービス業の活動が活発化している。
   ・ 商業では、インターネットを活用したバーチャル・ショッピングが普及してお 
    り、無店舗販売のシェア拡大がみられるほか、中心市街地では、福祉施設や集合 
    住宅が増え、歩いて買い物ができる範囲内に食材やシルバー用品などの日用品等 
    を販売するサービス拠点も数多く出現している。

  ○ 観光産業

   ・ 空港や高速道路の整備が進み、十和田八幡平国立公園などの観光地に至る二次
    アクセスも改善され、温泉や宿泊施設、アウトドア・スポーツやイベント施設な 
    ども充実し、県内外から多数の観光客が訪問している。
   ・ 観光客を迎え入れる「もてなしの心」が観光産業の従事者に浸透しており、観
    光資源の魅力を訴える誘客宣伝活動も強化され、リピーターが増加している。
   ・ 農林水産業などの体験をしつつ、自然景観と生活文化を味わうグリーン・ツー 
    リズムなどの旅行形態が普及しており、本県でもその受け入れ態勢が整い、都市 
    住民が活発に県内で旅行する姿がみられる。
   ・ 白神山地に代表される本県の質の高い自然と竿燈や冬の伝統行事などの文化的
    景観に関心を寄せる外国人旅行者も増えており、特にアジア地域からは、本県の
    進んだモノづくり技術の研究を兼ねて多数の人々が訪問するようになっている。

  ○ 雇用

   ・ 人口が減少する中で新産業の活発な創業がみられ、研究者や技術者に対する労
    働需要が高まるとともに、若者の雇用機会が増えている。
   ・ 高齢化や経済のサービス化の進展を反映して、福祉医療サービスや専門サービ
    ス、観光関連などのサービス産業で労働需要が高まっており、若者の人手不足も
    あって、女性や元気高齢者のなかには、これらの産業で活躍する人々も増えてい
    る。
   ・ 企業の雇用形態や賃金体系が大きく変わり、職業間、企業間の労働移動も激し
    くなっており、先端の研究機関などで働く外国人就業者の増加もみられる。
   ・ こうした動きに対応するため、求職者に対する職業相談や職業訓練の充実、多
    様な職業能力開発を促進・支援する仕組みが整えられている。


 (5) 地域が活発に交流・連携する秋田

  ○ 情報化

   ・ 県民挙げてのハード、ソフト、人材の三位一体となった高度情報社会実現へ向
    けた取り組みにより、企業はもちろん、家庭や地域における情報ネットワークシ
    ステムは、全国水準を上回るものとなっている。県民だれでもが情報端末を所有、
    携帯し、いつでも、どこでもさまざまな情報サービスを享受でき、身近な生活の
    利便性が向上し、安全・安心や楽しみを充実させている。
   ・ 高度な翻訳機器が開発され、世界の人々との情報の受発信が飛躍的に拡大して
    おり、多くの個性的な人々が、知縁を結ぶ中で秋田の特色ある文化や美しい自然
    を体験するため、秋田を訪れている。
   ・ なお、高度情報化の急速な進展に伴い、社会生活に大きな問題を投げかけてき
    た情報ネットワーク関連の犯罪や情報システムの災害などに対する安全性は、大
    きく改善されている。

  ○ 国内外との交流・連携

   ・ アジア地域全体の経済発展を進めるという観点から北東アジア地域の国際的な
    経済開発が全面的に展開されており、環日本海地域の経済、環境、文化の交流が
    飛躍的に拡大している。
   ・ 特に秋田は、この地域の自立的な発展をめざすうえで必要な寒冷地農業生産、
    森林の保全と利用、鉱物資源開発や環境保全に優れた技術を有しており、多くの
    県内技術者や企業が国際協力メンバーの一員として、さまざまな支援活動を行っ
    ているほか、北東アジアの人々が技術研修のため秋田の大学や企業で学んでいる。
   ・ 秋田と北東アジアの交流の歴史が再認識され、このことが人々の連帯感を高め、
    さまざまな分野で交流を拡大する大きな力となっている。
   ・ 環日本海圏域の経済発展と北東北の高速交通体系の充実により、太平洋側と日
    本海側の都市を中心とした交流・連携が飛躍的に拡大しているほか、日本海国土
    軸上の各県との交流・連携も進み、秋田は環日本海諸国への重要な玄関口の1つ
    となっている。
   ・ このような県内の各都市と県内外の都市との活発な交流・連携により、これま
    で秋田県内を面的なまとまりでとらえてきた県北、中央、県南に加え、県境を超
    え強化された都市間連携の軸上のまとまりとして米代軸、臨海軸、雄物軸という
    県土軸が形成されている。
   ・ それぞれの軸上では、環境保全、観光ネットワークなどが日常の生活圏域を越
    え、互いに機能を補完しながら広域的な連携を強めている。また、生活圏域内で
    は、中心都市と周辺農山漁村がきめ細かな交通・情報ネットワークで結ばれ、教
    育や福祉・医療、文化、自然とのふれあいなど定住のための各種サービスが十分
    に提供されている。

  ○ 農山漁村

   ・ 農山漁村が、営々とした農林水産業の生産活動を通して、環境や生態系の保全、
    歴史・文化の継承などさまざまな機能を発揮していることが、県民はもちろん広
    く国内外の人々から理解され、美しい田園風景や生活文化とふれあい、心のいや
    しなどを求めるグリーン・ツーリズムが活発に行われている。
   ・ 上下水道や公園などに加え、道路や情報通信基盤もほぼ整備を終え、多様な就
    業機会や医療・福祉などのサービスを享受できる地域となっている。
   ・ 自然に囲まれて暮らす生活を自ら求める人々も多くなり、農業会社に勤める都
    会出身の若者や国内外からの技術研修生、芸術家や定年帰農の夫婦など、多くの
    人々が農村に定住し、歴史と伝統に育まれた文化に、若者の豊かな感性等が融合
    した新たな農村文化が創出されている。
   ・ 中山間地域では、冷涼な気象条件等を巧みに生かした野菜・花き・肉用牛の生
    産やこれらの加工、さらには農家民宿や農家レストランなど多様なアグリビジネ
    スが繰り広げられている。また、豊かな森林は、CO2の吸収・固定など多面的 
    機能への評価に基づいた保全・利用対策が講じられ、木材やきのこ、小木工品な 
    どが生産されており、特色ある農業経営とあわせ、中山間地域の経済を支えてい 
    る。

  ○ 交通

   ・ 高速交通ネットワークは、空港の国際化や県内における高速道路網の整備が既
    に完了しており、日本海国土軸上の他の都市との交流の基盤となる日本海沿岸東
    北自動車道は、新潟市までの全線も開通し、高速バス路線が全国的に整備されて
    いる。こうした基幹高速交通施設を生かすとともに、交流・連携をより活発に促
    進するなどネットワークを充実するため、県土軸間を結ぶ地域高規格道路などの
    整備と在来幹線鉄道の高速化、国内地方空港経由の新たな国際便の開設が進めら
    れている。
   ・ また、環日本海交流の拡大により秋田港は急速に国際化し、北東アジアを中心
    に多くの国際コンテナ航路が開設されているほか、国内の日本海沿岸主要港との
    フェリー航路も充実している。さらに、能代港、船川港の物流機能が強化されて
    いる。
   ・ 日常生活では、二酸化炭素の削減の観点から鉄道やバス、パーク・アンド・ラ
    イドなど自家用車も含めた都市における地域交通の総合化が進められている。中
    山間地域では、市町村から委託された交通サービス事業者やボランティア団体な
    どによる、きめ細かな移送サービスが進められている。


 (6) 地域のグランドデザイン
    5つの基本目標ごとに、築き上げたい、2020年の秋田の姿を述べてきたが、
   ここでは、「地域が活発に交流・連携する秋田」を中心に、地域のグランドデザイ
   ンを図化する。

 @ 県土軸と交通・情報ネットワーク

  ○ 県土軸

   ・ 2020年には、高速交通・情報通信基盤の整備などの進展により、経済活動
    はもとより日常生活、観光、スポーツ活動などあらゆる分野で県民の行動がより
    一層広域化している。
     圏域の中心都市と他の圏域の中心都市との交流・連携が強化され、軸上の連な
    りからなるまとまりとして、それぞれの地域がもつ資源や魅力を共有し相互に補
    完し合う3つの県土軸が形成されている。そして、各県土軸が、県境を越えた地
    域連携を促進し、人、モノ、情報の大きな流れを生み出している。
    ア 能代−秋田−本荘の広域的生活圏を結ぶ「臨海軸」
    イ 能代−鷹巣−大館−鹿角の広域的生活圏を結ぶ「米代軸」
    ウ 秋田−大曲−横手−湯沢の広域的生活圏を結ぶ「雄物軸」
   ・ 「臨海軸」は、都市機能の集積が進み中核都市である秋田市を中心に、北東ア
    ジアのゲートウェイとしての機能を担うとともに、日本海国土軸の形成を促進す
    る役割を担う。
   ・ 「米代軸」は、北東北三県の地理的な中心地であり、北東北三県連携の本県の
    拠点としての機能を担うとともに、日本海国土軸と北東国土軸とを結ぶ地域連携
    軸の役割を担う。
   ・ 「雄物軸」は、太平洋側と日本海側とを結ぶ物流・人流のゲートウェイとして
    の機能を担うとともに、日本海国土軸と北東国土軸とを結ぶ地域連携軸の役割を
    担う。

  ○ 交通・情報ネットワーク

   ・ 2020年には、日本海沿岸東北自動車道が新潟市までの全線が開通している
    など、県内における高速道路網が完成し、この時代では、県土軸間の連携道路の
    整備と在来幹線鉄道の高速化が進められている。
   ・ また、2020年には県民すべてが、高度な情報通信の利便性を享受できる環
    境が整備されており、秋田情報ハイウェイが県民の豊かな暮らしの実現や産業の
    活性化のため、大きな役割を担っている。

 A 交流・連携が活発化している秋田

   ・ 2020年には、日常の生活圏域である「広域的生活圏」内の中心都市と周辺
    農山漁村とが、交流と連携を通じて、都市的サービスと豊かな自然、美しく住み
    良い居住環境を共に享受している。
   ・ 多様なグリーンツーリズム、緑とのふれあいの里づくりや上流・下流の協力に
    よる森づくり、広域観光ルートの形成などが全県一円で進められているほか、観
    光、環境、農林水産業などの分野で、それぞれの地域の特性を生かした広域的な
    交流・連携が進められるなど、市町村や広域的生活圏の枠を越えた地域づくりが
    活発化している。

 B 東北の中の秋田

   ・ 2020年には、北東北三県連携など、現在進められている県境を越えた多様
    な地域連携が開花しているほか、新たな地域連携が活発化しており、「自立」と
    「相互補完」に基づく地域づくりが展開されている。
                                        

【広域的な地域連携のメリット】                
○ 新しい方策、活用方法が生まれる。             
○ スケールメリットを得る。                 
○ ブロック内に相互需要が生まれる。             
○ 外に対するアピール力が高まる。              
○ 二重投資が排除できる。(フルセット型から連携型地域経営へ)

 C 世界とのネットワークが拡がる秋田

   ・ 2020年には、国際定期便空路の開設や、韓国経由、富山、福岡経由などに
    より、アジア、ヨーロッパ、アメリカなど世界各国との空のネットワークが開か
    れている。
   ・ また、環日本海における主要な港との国際コンテナ航路が開設されているほか、
    東南アジアとの国際コンテナ航路が開設されている。
   ・ さらに、日本海沿岸主要港とのフェリーの定期航路が開設されている。




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