1999/09/06 総合政策課
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第2章 政策の展開と施策の方向



 1 分野別政策

   2020年頃の秋田の姿を展望し、『時と豊かに暮らす秋田』を実現するため、今後2 
  010年までに県が取り組んでいくべき5つの基本目標と21の政策を分野ごとに示し、  
  それぞれについて、現状と課題を踏まえた今後の施策の方向を取りまとめたものである。


(1) 基本目標  安全・安心に楽しく暮らす秋田

         

  政   策   みんなが安心して活躍できる長寿社会の実現


【現 状 と 課 題】
 ○ 本県は、生活習慣病と呼ばれるがん、脳血管疾患、心疾患による死亡率が依然高く、
  今後とも若年期からの健康づくりの習慣化を進め、健康増進や発病前の予防対策に力を
  注ぐとともに、高齢者の要介護状態の発生を極力抑制していく必要がある。
 
 ○ 本県では、全国を上回る速さで高齢化が進行しており、援護を必要とする高齢者の増
  加も見込まれるが、多くの高齢者は住み慣れた地域で暮らすことを望んでいる。平成12
  年度から介護保険制度が導入されることにより、利用者が自らサービスを選択する仕組
  みに変わることから、身近で気軽に利用しやすい体制を整備する必要がある。
   一方、援護を必要としない多数の元気高齢者に対しては、積極的な社会参加などで、
  活躍しやすい環境を整備していく必要がある。
 
 ○ 高齢者や障害者が、家庭や社会のなかで安心して暮らすためには、社会の仕組みや生
  活環境などの面でまださまざまな制約がある。今後ともノーマライゼーションの一層の
  定着を図りながら、共に支え合い、生活できる社会づくりを進めていく必要がある。
 
 ○ 地域医療においては、患者の大病院指向や郡部における開業医の高齢化等とともに、
  地域医療を担っている中核病院の一部で建物の老朽化、狭隘化がみられるほか、医師等
  の地域的偏在の問題もある。今後も必要なときに身近で適切な医療が受けられる体制を
  整備するとともに、計画的な施設の整備や医療人材の地域的偏在を解消していく必要が
  ある。

【 施 策 の 方 向】

 (生涯を通じた健康づくりの推進)

   健康増進や疾病予防のため、子どもの時から生活習慣の改善を図るなど、生活習慣病
  が発病する前の一次予防対策に力を注ぐとともに、高齢期においても介護を要しないよ
  う保健・医療が一体となった生涯を通じた健康づくりを推進する。
 

 (高齢者や障害者が元気に活躍できる社会づくり)

   働く意欲を持つ高齢者や障害者への就労機会の提供に努めるとともに、職業能力の向
  上を支援する。また、高齢者の知識・経験を生かしたボランティアなどの社会参加や生
  涯学習を促進するために、身近なところで必要な情報が得られる総合的なシステムづく
  りを進め、高齢者や障害者が元気に活躍できる社会を構築する。
 

 (共に生きるバリアフリー社会づくり)

   高齢者や障害者の権利や意思が尊重され、同じ社会の一員として共に生きていける社
  会をつくるため、福祉サービスの利用者の権利を擁護する仕組みの整備やボランティア
  活動の支援を進めるとともに、多くの人が利用する公共の建物や道路、住まいなどの安
  全性・快適性を高めるバリアフリー化、ユニバーサルデザイン化を推進する。
 

 (いつでもどこでも受けられる医療体制づくり)

   プライマリ・ケアを推進するとともに、地域の中核的な病院の改築を促進し、高度な
  治療機能の付加・充実、救急医療サービス体制の充実を図るほか、結核・感染症への総
  合的な対策の強化や地域の実情に応じた遠隔治療の推進に努める。
   また、療養型病床群、緩和ケア病床(ホスピス)の整備を促進するほか、多様な医療
  ニーズに対応した人材の確保・資質の向上に努め、いつでもどこでも受けられる医療体
  制を整備する。
 

 (身近で気軽に利用できる福祉サービスの提供)

   安心して家庭や地域の中で暮らすことができるように、学校の余裕教室や空き店舗な
  どの既存施設を活用して、いつでも身近なところで気軽に高齢者等の日常生活に関する
  情報提供や健康相談などのサービスの提供のほか、高齢者や子育てママ、児童等の交流
  を行う場としてのコンビニ型保健福祉サービスを展開する。
   また、各種福祉サービスの質の向上を図るための人材の確保・資質の向上に努める。

 
         

  政   策   子育てに夢を持てる社会づくり


【現 状 と 課 題】
 ○ 結婚や子育てに対する意識の変化などを背景に、晩婚化や出生数の減少傾向が続いて
  おり、子ども自身の人格形成や将来の社会経済への影響が懸念されている。次代を担う
  子どもは、未来を支える力であるという観点から、結婚や子育てに喜びや夢を持ち、安
  心して子どもを産み育てることができる社会を地域ぐるみでつくり出していくことが求
  められている。
 
 ○ 都市化や核家族化の進行、女性の社会参加の拡大など、子育ての環境が大きく変化し
  ており、地域社会における子育て機能の強化や子育てに伴う経済的・精神的負担感の軽
  減が求められている。
 
 ○ 女性の社会進出に伴い、育児休業後の円滑な職場復帰のための支援や育児と仕事を両
  立させるための保育需要に対応した多様な保育サービスの提供が求められているととも
  に、子育てにおける女性の負担を軽減するためには、雇用環境の見直しも必要である。
 
 ○ 子どもを産み育てることに「夢」を持てる社会をつくるためには、母親が安心して子
  どもを産める環境を整えるとともに、子どもの健康な発育・発達を支援する仕組みが必
  要である。そのため、保健・医療・福祉・教育が一体となった総合的な取り組みが求め
  られている。

【施 策 の 方 向】

 (結婚や子育てに夢を持てる意識の啓発)

   子どもが社会の財産であるという観点に立ち、結婚や子育てに夢が持てるよう、幅広
  く県民に対して、結婚や子どもを持つことの意味、大切さや楽しさ等について、男女共
  同参画の視点を含めた意識の啓発や県民運動的な取組みを展開する。
 

 (地域社会の子育てサポート体制の充実)

   子育てに関する相談体制の充実を図るほか、子育て支援ボランティアの育成に努める。
  また、幼稚園や保育所等を子育てに関する相談や体験などの拠点として位置づけるとと
  もに、子育て情報の一元化を推進するなど、地域の子育てサポート体制の充実を図る。
  さらに、保育費や教育費の支援など子育て家庭の経済的負担感を軽減するための措置を
  講ずる。
 

 (子育てと仕事の両立支援)

   延長保育などの特別保育事業の拡大や利用者の選択肢を広げる保育サービスの提供を
  充実させるとともに、育児・介護休業制度の定着や休業後の円滑な職場復帰、労働時間
  の弾力化など子育てに企業の協力を求めながら、雇用環境の改善を図り、子育てと仕事
  の両立を支援する。
 

 (子どもの健やかな成長の支援)

   保健・医療・福祉・教育が一体となった相談などの総合的な支援体制を整備し、心と
  体の健康づくりを進めるとともに、子どもの遊びや交流のための場の提供に努め、子ど
  もの健やかな成長を支援する。


                     

  政   策   快適で安全な生活を支える環境づくり


【現 状 と 課 題】
 ○ 経済の成熟化や人々の価値観の多様化などに伴い、生活の質の向上を求めるようにな
  ってきているが、下水道等の普及率や住宅の質は全国と比較して低位にある。県内のど
  こに住んでも、快適で利便性の高い生活を享受し、ゆとりや豊かさを実感できるような
  質の高い生活環境やまちの賑わいの創出が求められている。
 
 ○ 除雪体制の向上や高気密住宅の普及などにより、冬の暮らしも改善されてきているが、
  高齢世帯の増加などに伴い、家回りの雪処理への不安が高まっているほか、日常のスポ
  ーツレクリエーションや観光分野など雪と積極的に共存するライフスタイルも求められ
  ている。
 
 ○ 阪神・淡路大震災や鹿角市の土砂災害などを契機に、防災対策の重要性が再認識され
  ており、自然災害から生命、財産を守るため、情報通信システムの活用等を含め、ハー
  ド・ソフト両面から防災対策を充実する必要がある。
 
 ○ 都市化や高齢化などに伴い、安全に暮らせる地域社会づくりが重要になってきており、
  交通安全や防犯などの面で地域の安全性を高めるとともに、消費生活の面でも商品等の
  安全性の確保などを通じた消費者保護が一層求められている。
 
 ○ ライフスタイルが多様化し、ゆとりある生活を望む人が増えているが、県内の勤労者
  の賃金、労働時間等の労働条件は低位にあり、労働時間短縮の促進など就業環境の改善
  が求められている。

【施 策 の 方 向】

 (四季を通じて快適な生活環境の確保)

   下水道の整備をはじめ水道の広域化、道路、公園等の総合的な整備、気候風土にあっ
  た快適な住まいづくりや住環境の改善を進めるとともに、商業等と一体となった市街地
  の整備や景観に配慮したまちづくりにより、中心部の賑わいや潤いの空間を創出する。
  また、これまで整備してきた道路等の維持管理の充実に努める。
   特に、冬期間の快適な生活を確保するため、高齢者等にも配慮した道路の除排雪や屋
  根雪処理などへの取り組みを進めるとともに、雪国対応住宅の普及や雪に親しむための
  環境づくりを推進する。
 

 (災害に強い県土づくり)

   保安林の整備や河川改修、土砂災害対策などを進めるとともに、災害時の避難路など
  市街地の防災基盤を強化する。また、県民防災意識の啓発と消防防災ヘリコプターや総
  合防災センター等を活用した総合的防災体制の充実強化に努める。
 

 (交通安全や地域安全対策の推進)             

   社会の変化に対応した警察活動基盤を整備するなど総合的体制づくりを進め、地域住
  民などと一体となって交通安全対策や地域安全対策を推進するとともに、犯罪などの被
  害者対策を充実する。交通安全対策については、通学路の歩道の整備など、 ハード面の
  整備も併せて推進する。
 

 (安全な消費生活の確保)

   消費者への情報提供などにより、消費者被害の未然防止と商品・サービスに関する知
  識の普及を図る。また、食品・環境衛生関係業者に対する自主管理指導の徹底などによ
  り、食品等の安全性の確保や衛生水準の維持向上に努める。
 

 (ゆとりある就業環境の整備)

   賃金、労働時間等の全国格差の縮小をはじめ、リフレッシュ休暇など各種制度の定着
  や、勤労者福祉の向上を図るとともに、テレワークシステムなどの普及も含め、ゆとり
  ある就業環境づくりを促進する。



  政   策   彩り豊かで文化あふれる郷土づくり


【現 状 と 課 題】
 ○ 経済が成長し物質的な豊かさが充足されるのに伴い、人々は生活の中に精神的な豊か
  さやゆとりを求めるようになり、また、音楽・演劇公演や美術作品などさまざまな芸術
  を鑑賞する機会を求めるだけでなく、自ら創造活動に積極的に参加することによって、
  楽しく生きがいのある人生を送りたいと望むようになっている。さらに、文化活動を通
  して新たな仲間や異文化に出会い、自らの文化活動をより一層発展させたいと望むよう
  になっている。このため、県民が文化に親しみ、創造的活動を行う環境を充実させると
  ともに、文化活動や文化交流を支援する必要がある。
 
 ○ 生活様式の変化や開発に伴って失われつつある文化遺産を県民共通の財産として保護
  するとともに、次代に継承する必要がある。また、価値観が多様化し、個性的なライフ
  スタイルが志向される中で、個性的で独自性のある豊かな地域文化に魅力を感じる人々
  が増えており、それらを形作っている文化財や芸術作品などの文化遺産に身近に触れ、
  個性あふれる地域の顔として活用することも求められるようになっている。

【施策の方向】

 (心の豊かさを育む多彩な文化の振興)

   県民が、国内外の音楽・美術・演劇などの水準の高い優れた芸術文化や、歴史的遺産
  ・民俗芸能などの貴重な伝統文化に親しむことができるよう、鑑賞したり接することの
  できる機会、場所、施設の充実を図るとともに、自ら参加し表現することのできる機会
  などの拡充を図る。
   個性あふれる県民文化の創造につながる多様な文化芸術活動に対する支援の充実を図
  るとともに、県民、企業、NPOなどが自発的、積極的に文化活動に取り組むことので
  きる文化環境の整備を進める。
   また、秋田の暮らしが生み出した個性豊かな文化への確かな誇りと愛着を育み、秋田
  県民としての拠り所を確立するため、地域、学校、産業などと連携をとり、子どものこ
  ろから秋田の文化風土や国内外の多様な文化に接することができる環境づくりを進める。
  さらに、異文化との融合などによる新たな文化創造の可能性を高めていくため、県民が、
  国内外の様々な文化に接し、文化的感性を磨くことのできる交流機会の拡大や、マルチ
  メディアを活用した文化情報の受・発信など、双方向の文化交流の促進に努める。
 

 (文化資産の保護・継承と活用)

   埋蔵文化財、史跡、天然記念物、世界自然遺産をはじめとする地域や県民の誇りとな
  る優れた文化財や芸術作品の保存、継承を図る。また、文化財に親しむ場が身近に豊富
  にある環境の整備を図り、文化資源の価値を生かして地域の自然や歴史、生活をも含む
  環境全体が有機的に結びついた魅力ある地域づくりを推進する。


         

  政   策   楽しさはずむスポーツ王国づくり


【現状と課題】
 ○ 人々がさまざまな価値観や個性的なライフスタイルを持つようになり、多くのスポー
  ツが競技力の向上のみならず、心身の健康づくり、気分転換、仲間づくり、生きがいな
  どのさまざまな目的で楽しまれるようになっている。このため、多様なスポーツレクリ
  エーションの機会、施設、指導体制を整え、スポーツをより身近なものとする必要があ
  る。
 
 ○ 社会環境の変化は、多くの人々の身体活動の減少、精神的ストレスの増大をまねき、
  青少年には運動能力や体力、たくましさの低下をもたらしている。また、少子化に伴う
  児童生徒数の減少、高齢化に伴う選手や指導者の不足などでスポーツ活動の停滞や競技
  力の伸び悩みも見られる。このため、子どものころから楽しくスポーツに接することが
  できる環境を充実させるとともに、多様なスポーツ活動を適切に指導できる人材を育成
  するなど、スポーツを通じて健康で豊かな生活を実現する必要がある。
 
 ○ ワールドゲームズ(平成13年)、秋田国体及び全国障害者スポーツ大会(平成19
  年)といった大規模なスポーツ大会が本県において開催される。これらの大会を全県を
  挙げて秋田らしさあふれるものにするとともに、生涯スポーツ発展の好機ととらえ、ス
  ポーツ文化の振興に結びつける必要がある。

【施策の方向】

 (明るく健康的な暮らしを培うスポーツの振興)

   お年寄りから子どもまでが、生涯を通じていろいろな目的で手軽に利用できる身近な
  スポーツ施設を整備するとともに、観戦して感動を得、参加して汗を流し、交流して心
  のきずなを強めたりできるさまざまなスポーツレクリエーションの機会の充実を図る。
   また、子どもたちがスポーツに関心を示して積極的に取り組めるよう、学校や地域で
  スポーツの楽しさを伝える機会の充実を図るとともに、スポーツ指導者の育成とその指
  導力の向上を図り、心身の健やかな成長を育むスポーツ活動を推進する。
   さらに、高齢者や障害のある人も、個性や体力に応じて楽しめるスポーツの普及を図
  るなど、明るく楽しい暮らしを培うスポーツの振興を図っていく。
 

 (ワールドゲームズや秋田国体などを契機とした新しいスポーツ文化の普及)

   ワールドゲームズや秋田国体、全国身体障害者スポーツ大会の開催と成功に向けた秋
  田ならではの県民運動を推進する。また、これらの大会を契機に地域スポーツクラブの
  振興を図り、さまざまなスポーツを県民の間に根付かせ、競技人口のすそ野の拡大に努
  めるなど、新たなスポーツ風土づくりを推進する。




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