1999/09/06 総合政策課
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(4) 基本目標  産業が力強く前進する秋田

         

  政   策   産業の技術力・競争力の源となる科学技術基盤の形成


【現 状 と 課 題】
 ○ 県内産業の技術力・競争力の強化に不可欠な試験研究機関の整備は着実に進み、現在、
  県内では14の試験研究機関が活動している。平成11年4月には、「次代の人材育成」
  と「地域の持続的発展に貢献」の2つを基本理念とする県立大学が開学するなど、県内
  の高等教育機関も整備されてきている。今後は、こうした県内の高等教育機関や試験研
  究機関の研究を活発化させるとともに、その研究成果を企業に技術移転し、事業化につ 
  なげていくことが求められている。

 ○ 大競争時代の到来など産業をとりまく環境は急激に変化しており、産業の活性化、高 
  度化の基礎となる研究開発能力の向上への支援の必要性が高まっている。このため、研 
  究者や技術者の育成を含め、産学官が一体となって産業の技術力・競争力を支える科学
  技術基盤を形成する視点が重要となっている。

【施 策 の 方 向】

 (科学技術を支える産・学・官それぞれの機能強化)

   高等教育機関における産学官連携の推進など地域社会への積極的な貢献を促進すると 
  ともに、試験研究機関の連携、再編による研究開発の活性化、効率化を図る。また、そ 
  の研究成果の受け皿となる県内企業の研究開発力を高めるため、企業の創造的研究開発 
  を促進する。

 (産学官連携による創造的な共同研究の推進)

   高等教育機関や試験研究機関における研究成果を企業等に円滑に技術移転し、新商品 
  開発や新規事業の創出を促進するため、研究開発に関する企業ニーズと研究機関等の技
  術シーズのマッチングを行うコーディネート機能を強化し、事業化に直結した創造的な
  共同研究の推進を図るほか、産学官の交流・連携による研究者・技術者の育成を促進す
  る。


         

  政   策   豊かな自然と調和した個性あふれる農林水産業の振興

         
 【現 状 と 課 題】
 ○ 農業では、近年、食品の安全性や品質、環境保全に対する消費者の関心が高まってお
  り、高度化・多様化する消費者や市場のニーズに対応した食料の生産と供給が求められ
  ている。本県ではこれまで、認定農業者を中心に意欲的な農業経営が広がりをみせてい
  るほか、市場競争力のある野菜や花き・畜産の産地も誕生してきているが、全体として
  米に偏った生産構造となっており、農産物価格の低迷などによる生産額の伸び悩みや就
  業者の減少・高齢化も進行していることから、このまま推移すれば現状の農業生産の維
  持も懸念される状況となっている。このため、農業者の自主自立を促しながら、米以外
  の作目の拡大による生産構造の改革を進めるなど当面する課題を克服し、新しい時代に
  即した体質の強い農業生産体制を確立することが重要となっている。
 
 ○ 林業では、スギ人工林資源の蓄積、生産性の向上などが着実に進みつつあるものの、
  木材需要の減退に加え、国内外との競争激化などに伴う生産額の伸び悩み、就業者の減
  少・高齢化などの課題もあり、これらを克服しながら、消費者ニーズに対応した木材生
  産・供給体制の確立が求められている。
 
 ○ 水産業では、就業者の減少や高齢化のほか、水産資源全体が依然として減少傾向にあ
  り、適切な資源管理によるつくり育てる漁業の一層の推進が求められている。
 
 ○ こうした状況を踏まえて、消費者の視点を重視しつつ、豊かな資源や高度な研究開発
  機能など本県が持つ優位性をフルに活用して、環境に配慮した生産活動や市場競争力の
  強化、食品産業・木材産業の振興、地域の実情に即した多様な担い手の確保・育成、生
  産・経営基盤の整備を図り、生産者・関連団体・行政などがそれぞれの役割を発揮しな
  がら一体となって取り組むことにより、力強い農林水産業を確立していく必要がある。
 
 【施 策 の 方 向】

 (消費者に安心と満足を届ける生産・販売体制の構築)

   有機質資源の循環利用の促進や持続的な農法への転換などによる環境と調和した農業
  の推進、食品の安全性や品質の確保、農畜産物の周年供給体制の整備、さらには食品に
  関する的確な情報提供などに努め、消費者に安心と満足を届ける生産・流通体制を構築
  する。
   また、市場流通を基本に、マーケティング活動の強化やブランドの統一、流通チャネ
  ルの拡大など、生産をリードする総合的な販売戦略を展開するとともに、直売などの地
  場流通を促進し、新鮮で良質な農産物の県民への提供を図る。

 (地域農業との連携強化による秋田らしい食品産業の振興)

   総合食品研究所を核とし、県産農畜産物を活用した新たな商品や醸造をはじめとする
  加工技術の開発及び民間企業への技術移転を促進するとともに、食品産業や食品流通業
  の経営体質の強化、生産・加工・流通販売など各部門の結びつきを強め、地域農業と一
  体化した秋田らしい食品産業の振興を図る。
 

 (流通新時代を勝ち抜く市場戦略性の高い産地づくりの推進)

   バイオ技術を活用した新品種の育成、農作業の機械化・自動化などの省力・低コスト
  技術や環境への負荷の少ない生産技術の開発・普及を促進するほか、農業団体における
  地域農業のマネージメント機能を十分生かしながら、適地適産による食味にすぐれた秋
  田米の生産出荷や、秋田の“顔”となる野菜・花き・畜産など戦略作目の全国メジャー
  産地の育成など、流通新時代を勝ち抜く市場戦略性の高い産地を形成する。
 

 (新時代に躍動する多様な農業経営体の育成)

   次代を担う若い農業者の確保とともに、認定農業者をはじめ、組織経営体や集落営農
  組織、農業公社など、地域農業の核となる担い手の育成を図る。あわせて、女性や高齢
  者の能力が十分に発揮できる環境の整備に努める。
   また、経営基盤の強化とあわせ、経営管理能力の向上や経営の法人化、農産物の価格
  安定・所得確保対策など経営安定対策に取り組むとともに、生産基盤の計画的な整備や
  農地の効率的利用を促進し、新時代に躍動する多様な農業経営体を育成する。
 

 (豊富な森林資源の循環利用による林業の推進)

   消費者のニーズに応じた環境と人にやさしい木材の持続的な供給を推進するため、ス
  ギ人工林の間伐・保育、林齢配置の平準化、流域管理システムの強化を図る。
   また、森林資源・施業情報に関する情報システムの構築、林業技術の開発・普及、林
  道や作業道の整備、担い手の育成確保・協業化、高性能機械の導入など生産性の高い林
  業経営体制の整備、特用林産物の活用を図ることにより、豊富な森林資源の循環利用に
  よる林業の展開に努める。
 

 (多様なニーズに対応できる高度技術を生かした木材産業の振興)

   木材高度加工研究所を核として乾燥等に関する新技術や新材料、新用途などの開発や、
  企業への技術移転などによる県産材のブランド化を促進するとともに、全国的視野に立
  ったマーケティング活動の展開、木材の安定供給体制の整備や木材需要の掘り起こしに
  努めることにより、全国をリードする木材供給戦略基地としての地位を確立し、多様な
  消費者ニーズに対応できる高度技術を生かした木材産業の振興を図る。
 

 (資源を守り生かす漁業の推進)

   漁港・漁村及び沿岸漁場の整備、漁業就業者の確保・育成、流通・加工基盤の強化な
  ど漁業を支える環境の整備を図りながら、秋田FISH運動の展開や水産資源の管理・
  増養殖技術に関する研究を促進することにより、栽培漁業・資源管理型漁業を主体とし
  た資源を守り生かす漁業を推進する。


         

  政   策   独創性に富んだ企業活動の促進


【現 状 と 課 題】
 ○ 経済のグローバル化の進展による大競争時代の到来に加え、高度情報化、環境重視と 
  いった社会の変化が産業にも大きな影響を及ぼしている。一方、県内産業は、製造業を 
  中心に付加価値生産性の面で全国と比べ低水準にあり、県内企業は、国内外とのコスト
  競争への迅速な対応に迫られている。
   こうした時代の潮流に対応し、本県の産業構造を資源依存型から付加価値創造型へと
  転換するためには、進取の気性に富んだ企業人材の育成・確保を図りつつ、本県の特性
  を生かしながら時代に適合した新産業・新事業の創出を促進するとともに、中長期的・
  国際的な経営戦略の確立と技術革新やマーケティングの強化などにより、コスト競争を
  勝ち抜く高付加価値型の商品開発を推進するなど既存企業の競争力を強化することが求
  められている。

 ○ 大型店の郊外立地等により中心市街地の空洞化が進むなど、既存商業者の経営環境は 
  一層厳しさを増しており、消費者ニーズの多様化に対応した商業活動の活性化が求めら 
  れている。

【施 策 の 方 向】

 (新産業・新事業創出に向けた支援体制の構築)

   産学官による共同研究の研究成果を事業化することなどにより、新規創業、既存企業
  の新分野進出への取り組みを促進するため、企業等の研究開発から事業化、販売までの
  各段階に応じ、技術支援、資金供給、マーケティングなどの経営指導、人材育成などを
  総合的に支援する体制を構築する。特に、時代の潮流の中で、本県の有する産業集積や
  科学技術力の特性を踏まえ、今後に成長が期待できる「電子・情報」、「医療・健康福祉」
   、「バイオ」などの産業分野の重点的な育成を図る。

 (経営革新による企業競争力の強化)

   県内の既存企業の技術力、販売力を高め、競争力を強化するため、企業人材の育成・
  確保を図りつつ、情報化や新技術・新商品の開発を促進するとともに、生産・販売の新
  方式の導入などのコスト競争力の強化に向けた取り組みや規制緩和への積極的な対応な
  どを重点的に支援する。   

 (事業所支援型サービス業の振興)

   経済のサービス化やソフト化の進展に対応し、県内企業の体質を強化するため、企業
  の情報化を生産管理から販売までの広い範囲で支援する情報サービス業をはじめ、販売
  に直結するデザイン関連、マーケティング等の販売戦略関連など、企業活動を側面から
  支える事業所支援型サービス業の育成・強化を図る。        

 (資源リサイクル産業の創出)

   本県特有の鉱業技術などをベースに、社会生活や産業活動から発生する家電などの廃
  棄物の再資源化・再利用を図る産業活動を育成・支援し、新たな資源リサイクル産業の
  創出を促進する。

 (企業集積の拡大と活用)                             

   企業立地に対する支援措置の拡充や企業誘致活動の強化などにより、先端技術型企業、
  研究開発型企業、基盤業種系企業をはじめとする新産業の創出、産業複合化の促進、産
  業の高度化、雇用の拡大などに資する企業集積の拡大を図るとともに、その活用を促進
  する。                                    

 (消費者ニーズの多様化に対応した商業活動の活性化)

   インターネットなどの情報を活用した販売方式の促進や観光、福祉といった他のサー
  ビス分野との連携による特色ある店舗づくりや商店街づくりなどにより中小小売業の競
  争力の強化を図るとともに、空き店舗対策や商店街の近代化による商店街の賑わいづく
  りや中心市街地におけるまちづくりと一体となった商業活動の活性化を推進する。



  政   策   地域の個性ともてなしの心で築く観光産業の振興


【現 状 と 課 題】
 ○ 秋田新幹線や秋田自動車道の開通、大館能代空港の開港といった高速交通体系の整備 
  に加え、首都圏を中心とした「秋田花まるっ大型観光キャンペーン」への全県的な取り 
  組みなど、観光客の誘客に向けた態勢づくりは進んだものの、観光産業全体では、全国 
  的な経済情勢の悪化の影響を受けている。また、観光客は、一部の知名度の高い観光資 
  源に集中しており、地域に根ざした本県固有の観光素材は、全国的には十分に認識され 
  ていない。特産品販売においても、ニーズの多様化に応じた新規特産品の開発や販路開 
  拓に努める必要がある。

 ○ 自由時間の増加による国民のライフスタイルの変化や地域間交流の拡大といった社会 
  変化に対応した地域振興を考えるうえで、地域産業としての観光の振興が重要性を増し 
  ており、観光客にやさしい受入態勢の整備などに向けた地域ぐるみの取り組み強化が求 
  められている。

 ○ 観光のスタイルが団体型から個人・小グループ型へと変化しており、観光客のニーズ 
  の多様化に対応したきめ細かな観光商品の開発や誘客宣伝活動が求められている。

【施 策 の 方 向】

 (秋田の素材を生かした観光の振興と特産品の開発)

   暮らし、自然、歴史、生活文化などの多彩な秋田らしさを体感できる体験型観光、テ
  ーマ性のある観光商品づくり、二次アクセスの改善などを促進し、秋田の素材を生かし
  た観光の振興を図る。また、地域の特性を生かした特産品の開発を促進するとともに、
  新規マーケットの開拓など販路の拡大を図る。

 (観光客にやさしい受入態勢の充実強化)

  「もてなしの心」あふれる接客サービスの形成、観光誘導機能や着地情報提供機能の
  強化、観光施設の充実を推進し、観光客にやさしい受入態勢づくりに努める。

 (テーマ・ターゲットを絞り込んだ効果的な誘客宣伝活動の展開)

   地域、年齢、性別などターゲットを明確にしたきめ細かな誘客宣伝活動や北東北3県 
  など他県との連携による誘客宣伝プロモーションを推進するとともに、テレビ、インタ
  ーネットなどの各種情報媒体を活用した効果的な観光情報の提供に努める。


              

  政    策   産業構造の変化に対応した雇用機会の安定的な確保

         
  【現 状 と 課 題】
 ○ 少子・高齢化が進行する中で、新規学卒者の減少や県内経済の低迷等により将来の本
  県産業を支える若年労働者や中高年齢者の県内就職が厳しい状況に置かれている。この
  ため、若者が持っている多様な能力や個性、創造力を発揮できる雇用の場を創出・確保
  するとともに、中高年齢者が生き生きと働ける場を確保し、本県経済の一層の活性化を
  図っていく必要がある。
 
 ○ 少子化や高校進学率の向上、さらには事務系職種指向の高まりにより、若年技能労働
  者不足が深刻さを増している。また今後は、産業構造の変化や雇用形態・賃金体系の変
  化に伴い、産業間、企業間で労働移動が活発になるものと見込まれる。このため、こう
  した変化に柔軟に対応できる人材の確保・育成を進めていく必要がある。
 
 【施 策 の 方 向】

 (地域経済を活性化する雇用・就業の支援)

   産業政策との連携を図りながら、早期の求人情報の提供や職場見学機会の拡大、さら
  には企業における就業体験の実施等により、高卒者・大卒者等の県内就職やAターン就
  職を積極的に推進するとともに、新産業の創出など産業振興施策と相まった地域の雇用
  開発を促進するほか、中小企業が行う雇用開発を支援すること等により、地域経済の活
  性化を支える若年労働力の安定的な確保を図る。
   また意欲のある高齢者や障害者等に対しては雇用機会の確保に努める。
 

 (産業ニーズを踏まえた職業能力開発の推進)

   技術専門校の整備・充実を図り、本県のものづくり等を担う若年技能労働者の育成と
  技能の高度化を促進する。
   また、在職労働者自らの技能向上訓練や非自発的に離職する中高年齢者、さらには新
  規就業者に対する技能訓練を充実させることにより、産業の高付加価値化や新産業の創
  出に資するとともに、就業機会の確保を促進する。
   さらに、今後の労働需要が期待できる産業分野などへの労働移動を視野に入れながら、
  転職を考えている在職労働者や離職者等が、自らの能力を高め、新しい技術や技能等を
  習得することにより安心して再就職ができるよう、在職労働者や離職者、その受け入れ
  先となる個別の企業・業種、及び能力開発を実施する機関、の三者をコーディネートし
  ていく本県独自の新たな能力開発システムの構築を図る。



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